常盤貴子、監督の“口説き文句”に脱帽「その名前を出されると断れない」

2023.1.30 17:00

俳優の常盤貴子が28日、東京・イオンシネマ板橋で行われた映画『あつい胸さわぎ』(公開中、まつむらしんご監督)の公開記念舞台あいさつに出席。手紙で出演オファーをしてきた監督の“手腕”を称賛した。

“若年性乳がん”と“恋愛”をテーマに、揺れ動く母娘の切実な思いを描いた作品。主人公・千夏役の吉田美月喜(みづき)と、千夏の母親役の常盤がダブル主演を務めた。

観客に手を振る登壇者(左からまつむらしんご監督、常盤貴子、吉田美月喜、佐藤緋美、石原理衣)

まつむら監督は「とにかく出ていただきたい」という常盤への熱い気持ちを、手紙にしたためる形で出演オファーをした。その理由を「若年性乳がんというテーマを扱っているので、どうしても重たくなるイメージがあるんですけど、そこに希望を描くためには、太陽のような温かい存在感を持った人が中心にいてくれれば届けることができるんじゃないかなと思って」と話した。

手紙は常盤を納得させるのに十分なもので、常盤は「さすが映画監督でいらっしゃるから、私が動くであろうポイントを押さえていらっしゃるんですね。大林宣彦監督だったり、安藤紘平先生のお名前を出されたりとか。その名前を出されると断ることはできない、“うん”て言うしかない状態になってしまうので、“さすがだなぁ”と。でも、それとは関係がなくても監督からお手紙をいただいて断れる俳優は、ほとんどいないんじゃないか、と思うくらいうれしいことでした」と回想した。

母・昭子(左=常盤貴子)と千夏(左=吉田美月喜)

まつむら組の撮影現場は「平和」だったそうで、常盤は「ここまで若いチームは初めてだったんですね。やっぱり映画界って上の方がまだたくさん頑張っていらっしゃいますし、そういう方とご一緒する機会が私は多かったので、今回はとても新鮮だったんですよ。まあ、皆さん褒め合いますね。キャスト同士も褒め合う。普段からポジティブな会話が多くて、“何て平和なんだろう、ここは”って思った。監督がまず“今のカット、良かったよ”ってカメラマンを褒めたら、“いやぁ、俳優さんがいいですから”って。温かい現場でしたね。私はそれをニヤニヤして聞いていました」と明かした。

まつむら組の撮影現場は平和(左からまつむらしんご監督、常盤貴子、吉田美月喜、佐藤緋美、石原理衣)

千夏の友達・崇役の俳優・佐藤緋美(ひみ)も「すごく温か~い現場で」と証言。佐藤が常盤を「共演したのが一瞬だったので特別な思い出はないんですけど」とイジると、常盤がすかさず「おいッ」とツッコミを入れるなど、現場の雰囲気の良さを感じさせるやりとりをするひと幕も。

吉田も「常盤さんは現場でも私の緊張をなくしてくださるくらいフランクに話してくださっていたのが、すごく印象的でした」と感謝。常盤は本当の母親のように撮影以外でも気を遣ってくれたようで、「和歌山での撮影の最終日に地元の市場みたいなところで魚を売っていて、その時に常盤さんと一緒に歩いて見ていた時に、“しらすが好きなんです”なんて話をしていたら、後日、家にけっこう大きい段ボールが届いて、“何だろう? ”って開いたら、常盤さんが魚を送ってくださっていて。撮影が終わった後もこんなふうにしてくださる気持ちもうれしかったですし、常盤さんが“家族で食べてね”って私の家族のことも考えてくださるっていうのがすごくうれしくて、それがすごく思い出に残ってるエピソードですね」と明かし、常盤を「オカンっぽいですね」と照れさせた。

写真提供:©2023 映画『あつい胸さわぎ』製作委員会

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