milet 単独インタビュー　映画『ＴＡＮＧ タング』主題歌の制作秘話に迫る

8月12日放送（25:44～）の『バズリズム02』に出演するmilet。今月17日リリースの新曲『Always You』が二宮和也主演の映画『ＴＡＮＧ タング』の書き下ろし主題歌に決定。昨年は東京オリンピック閉会式での歌唱、NHK紅白歌合戦に2年連続出場するなど、その勢いはとどまることを知らない。そんな彼女に、新曲の注目ポイントや映画主題歌に起用されたことについて話を聞いた。

■“大きい世界”と“小さな関係”　映画とリンクした歌になったんじゃないかな

――『Always You』はどんな楽曲ですか？

この曲は映画『ＴＡＮＧ タング』の原作と脚本をまず読んで、頭に『ＴＡＮＧ タング』の画を浮かべながら書きました。脚本を読んで思ったのが日本を超えて海外へ旅に出たりと、世界中を冒険する中、健（主人公）とタング（健が出会ったロボット）、健と絵美さん（健の妻）といった、小さなつながりも丁寧に深く描かれていて、“大きい世界”と“小さな関係”っていうところにすごくギャップがあり、そこがポイントだと思いました。そのギャップを曲の世界観に落とし込めたらなと思って。サウンドも広がりを持って大きく作り、でも歌詞は“私とあなた”という２人だけの小さな世界の話にして、『ＴＡＮＧ タング』という映画とリンクした歌になったんじゃないかなと思います。

――映画『ＴＡＮＧ タング』の主題歌に決まった時はどんな気持ちでしたか？

うれしかったです！夏休みでみんなが見てくれるような大きな映画で、テーマもすごくかわいいし、『ＴＡＮＧ タング』のビジュアルと脚本と原作と、あと“キミとなら、きっと大丈夫。”というキャッチコピーを見て、温かい映画になるだろうなと思いました。主演の二宮さんも演技が素晴らしくて、昔から『硫黄島からの手紙』などを見て感動したので、そういった素晴らしいキャスト、名作揃いの監督と一緒に歌で携わることができるのが本当にうれしかったです。映画の主題歌ってなると（世界観が）大きい曲を書けるので、私はどちらかというと大きい世界観の曲が得意ですし、それに挑戦できるっていうのもうれしかったです。感動的なフィナーレなので、そこに曲が流れてきたのは感動して泣きましたね。

■ロボットの効果音、チャイムの音…映画の世界観を楽曲に凝縮

――曲の制作過程で大変だったエピソードはありますか？

メロディーや歌詞はスムーズに描けたんですけど、サウンド的に色々仕込みたいネタがありました。タングらしくロボットの効果音みたいな音をサビ前に入れてみたり、懐かしさを醸し出したいっていうのもあって、間奏に入っているメロディーで学校のチャイムみたいな音を入れてたりするんです。歌詞の中には “機械仕掛け”とか『ＴＡＮＧ タング』ならではの言葉をチョイスして、本当にこの作品に引き出された楽曲だなと思います。

――歌詞の中で好きなフレーズはありますか？

自分で歌いながらキュンと来るのは、サビ前の「そんなバカみたいなことを本気で願ってしまうよ」っていうところとか、2番の「どんな場所にいたって いつでも君のことを想ってしまうよ」ってところです。ここは息遣いとか、ささやくように伝えるように歌う場所でもあるので、いつも以上に気持ちがこもるというか、頭にずっとタングがいるんです。一緒にいながら歌っていると思うと、すごく笑顔になれます。人って、笑って歌っていると聴いている方にもその感じが伝わると思うので、自分もずっと笑顔で温かい気持ちで歌えていた一曲です。

――歌詞に出てくる“君”について

これはもちろんタングと健の歌でもあるし、健と絵美さんでもあるし、皆さんにとって大切な人を思い浮かべて聴いてほしい曲でもあって、私にとっても色んな大切な人を思い浮かべながら作りました。普段一緒にいる場所が近すぎてなかなか伝えられない言葉、例えば「ありがとう」や「ごめんね」など、そういった言葉も全部この曲に詰め込みたいし、逆にすごく離れた場所にいるけど、いつでも想ってるよということもこの曲にのせたいなと思っていました。なので、どこにいてもどんな場所でも、言葉にできなかったとしてもずっと想ってるよっていうのをこの曲の一つのテーマにしたかったというのはあります。

【milet プロフィール】
思春期をカナダで過ごし、グローバルな存在感を放つソングライティングとハスキーかつ重厚感のある独特の唄声を兼ね揃えた女性シンガーソングライター。2018年より本格的に音楽活動をスタートさせ、2019年3月にメジャーデビュー。今年2月にはNHKウィンタースポーツテーマソング『Fly High』など全15曲を収録した2ndフルアルバム『visions』をリリースし、4週連続でオリコン週間デジタルアルバムランキングTOP10入りを果たす。