カズレーザー 近年急増中の“隣人ハラスメント”…騒音トラブルは音の大きさが基準値以内でも不法行為?判決を左右する“受忍限度”とは

2025.1.22 07:45
カズレーザーの写真

カズレーザーがMCを務める『カズレーザーと学ぶ。』が21日に放送。今回のテーマは、『大ハラスメント時代の生き抜き方』。ハラスメントに関した令和の新知識が紹介された。「騒音・悪臭・喫煙 実録!ヤバい隣人裁判」では、文京湯島法律事務所の代表弁護士、小野章子氏が登壇。近年急増中だというご近所トラブルについて、どこからがハラスメントになりうるのか、解説を行った。

コロナ禍の行動制限の中、近隣住民に注意を向け“監視する”風潮が強くなったこともあり、騒音やたばこの煙など、隣人ハラスメントとも呼ばれる問題が増加したという。実際にスタジオでも出演者から…

志田彩良「私の近所にも昔お米をまいて鳥に餌をあげてるおじさんがいて、もう家の近所が鳥のフンだらけになってしまってたことがあった」

おかずクラブ・オカリナ「前住んでたアパートの下に大家さんが住んでいて、私看護師だったんで、結構いろんな時間にシャワーを浴びたりとかしてて、うるさいっていうのをクレームが来たりとか」

…などの声があがる。そんな隣人ハラスメントの中でも最も多いのが、音にまつわるもめ事だという。小野氏は実際の裁判例を引用し、ハラスメント認定されうるリーガルラインを紹介した。

小野章子の写真
文京湯島法律事務所 代表弁護士 小野章子

原告はとあるマンションに住み始めた夫婦。住み始めてから約2か月ぐらい経った頃から、どこかから音楽や歌声が聞こえるということに気づいたという。調べてみたところ、階下の住人がロックミュージシャン。夫婦の訴えによれば、歌声はほぼ毎日、長い時には10時間、時には深夜にも聞こえたのだとか。

小野氏によると、こういった音にまつわる裁判では、実際にどの程度大きい音であるのかを専門の業者が測定し、その結果が証拠として提出される場合がほとんどとの事。この事例でも、夫婦とミュージシャン、両方の部屋で専門業者による測定が行われたといい、ミュージシャン側の部屋では99デシベル(電車通過時のガード下の音に近い音量)、夫婦の部屋に聞こえてくる音は最大で41デシベル(閑静な住宅街や図書館内程度の音量)が記録されたとのこと。

このマンションは商業地域に位置していることから、都の条例の騒音基準(深夜・早朝で50デシベル)と照らし合わせると、階下から聞こえてくる音は、騒音基準を下回っていることになる。

しかし裁判所はロックミュージシャンの音出しを不法行為と認定。ミュージシャンは原告の夫婦に、夫12万円、妻24万円の慰謝料等を支払うよう命じられた。夫婦で差があるのは、在宅時間などが考慮されたと考えられる。

都の騒音基準だけをみるのなら、騒音ではないはずの本事例。しかしなぜ夫婦は慰謝料を得ることができたのか。判決の決め手になったのは、「受忍限度」であるという。

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