アニメ『多数欠』空を見上げる須藤、八木橋とのきずな…心揺さぶる“ラストシーン”にSNS「このエピソードのアニメ化、本当にありがとう」 

2024.8.20 17:00

毎週火曜 深夜25時59分より日本テレビにて放送中のアニメ『多数欠』(BS日テレ、RAB青森放送他にて順次放送)。ある日突然、“多数派”が死亡してしまうという過酷な頭脳戦ゲーム【多数欠】に巻き込まれてしまった少年少女たちの戦いを描く本作。8月13日放送の#05『傍』では、これからメインキャラの1人として活躍すると思われた須藤の身に“退場”ともとれるまさかの事態が…。さらに生徒会長・八木橋との“アツい”関係性も明かされたことで、SNSには「須藤死なないでくれ…」「なんだよ多数欠ってふざけんな!!」「え、退場してもすぐに復活するでしょ?震」など、須藤の生存を望む声が多出。原作ファンの中には「このエピソードのアニメ化 生きててよかった 本当にありがとう…」「多数欠の中でも屈指の大好きシーンでもう…わぁ…」と、今回の須藤たちに心揺さぶられた人も多かったようだ。

(以下、アニメ最新話までのネタバレを含みます)

◆入賀煉の“最終目的”が明らかに… 

実篤(CV:上村祐翔)たちの前に突如現れた入賀煉(CV:KENN)。その口から語られたのは、にわかには信じ難いものだった。実は、多数欠が始まる前から特権利を持っている人々がおり、彼らは全員が同じ収容所の出身で、“特権利調査のモルモット”だという──。「特権利はこの世のものじゃない。次元を超えた人間の欲望。そして俺たちは欲望を宿す媒介の失敗作さ」。入賀たちは収容所で、実験として無理やり特権利を取得させられたが、意に沿う結果を残せなかった。それゆえの“失敗作”。唯一の“成功作”が、皇帝なのだった。

実篤たちに近づく入賀の目的は…?(画像は第4話より引用)

何をもって失敗なのか…そもそもなぜ彼らは収容所にいたのか…。考えるべきことは山ほどあるが、今は少しでも“情報”が欲しい──。「皇帝を倒す方法は?」と尋ねる実篤に、「ある!臣(おみ)君がいると、やりやすいんぞ」と入賀。なんでも、最強の特権利と目されていた【命令権】を持つ者が死んだため、現在は【拒否権】を持つ臣(CV:三上枝織)は、生存中の特権利保持者の中では“最強”だという。いったい誰のことなのか…現状を把握できないまま、入賀の話は進んだ。

「ここに来たのが御堂じゃなくてよかったねー」。入賀いわく、御堂(CV:津田健次郎)の最終目的は“自分以外の全人類のせん滅”。かなり危険な思想の持ち主だとわかったが、それは入賀も似たようなものだった。彼の最終目的は、“自分を含む全人類のせん滅”。「生きてる意味ある?無駄。この世の全ては無駄なんだよ」と笑顔を向け、生き残ったところでどうするのかと問いかけてくる。文化文明の発展、芸術の追求、子孫繁栄、種の保存…。極端な話、それらは全て宇宙が終わったときに無に帰す。しかし世の中には、無駄を無駄と思わず価値を見出そうとする人間が多い。「人間は無駄な知恵がある分、一番邪魔くさいからみーんな消すんさ」。それが、入賀の考えだった──。「さ、話したよ。臣君、ちょーだい!」。いよいよ臣を連れて行こうとする入賀に、実篤はただ身構えることしかできなかった。

その時、機転を利かせたのは親友の龍太(CV:浦和希)だった。「こういう時は“はい”つっといて、知らんぷりしときゃあいいんだよ」。“バックれろ”とお茶目な表情で指示を出し、実篤たちをうまく逃がすのだった。

龍太は「合流方法は任せる」とも… 臣のことを託された実篤はこの後どう動くのか

◆多数欠の“攻略法”

「あいつの…サネ(実篤)の目の前で生き死にが無駄とか言うんじゃねぇよ…」。ひとり残った龍太は、怒りに震えながらも冷静に入賀と対峙(たいじ)する──。以前、入賀に攻撃を“かわされた”経験から、彼の特権利が変象属【切断権】と予想した龍太は、あえてもう一度正面から攻撃を仕掛ける。すると、剣に変化した龍太の右腕が入賀に届く直前で粉々に…。“やっぱり”と思った龍太は、自らの【融合権】を駆使し、今度は切り離した建物の壁を入賀に向かって突き落とす。……が、入賀はそれを微動だにしないまま頭上で止めてしまうのだった。

入賀本人が種明かしをする。彼の特権は、変象属【分割権】。物理的、概念的、性質的の3種類に関して“分割”を行使できる。剣が砕けたのは物理的分割、瓦礫(がれき)が止まったのは空間を分割したからだった。そんな相手にどうすれば勝てるのか…。龍太が思案する隙を入賀は逃さない。「はい、油断大敵!」。不敵な笑みと共にビルを分割。龍太の体を押し潰さんと、“巨大な鉄の塊”がその場に降り注いだ──。

変象属“分割権”を持つ入賀

勝利を確信した入賀。しかし、土煙の中に異変を察知する。そこにはなんと自身が始末したはずの相手、鈴木理科の姿があった。彼女は物理的損害を完全回避する特権【回避権】を得ており、当時も、そして今回も無傷で生き延びていたのだった。理科が覆いかぶさることで、龍太もノーダメージ。彼女は、入賀に命を奪われた一色(CV:前田玲奈)の仇(かたき)を討つためこの場に現れたという。

さらにそこへ、生徒会長の八木橋(CV:小野大輔)も現れる。やり方は違えど、皇帝を倒すことに関しては一致しているのだからと、入賀に強く“情報”を求めた。皇帝の居場所の探し方、倒し方、そして多数欠の攻略法とは…?八木橋に背後を取られた入賀は「まぁいっか」と、ウソか誠か話し始める。

「一言で言うと、全部手探り。皇帝は都内にいると思うよ」
「これといった倒し方はわからない。隙をついて一瞬で殺すのがベターかな」
「あと、多数欠の攻略法だっけ?そうだなぁ、多数欠を取らせないことかな」

現在の“セカンドステージ”は、質問が投じられない限り多数欠が行われない。つまり、質問をするための“ノートパソコン”を毎日キープし、質問はせずに“運営側の回収”だけを阻止し続けることで多数欠は回避できる。「いずれにせよ、まずはパソコン自体を一度入手しないとね」と、入賀は満面の笑みを見せた。

「(なんだ、あの余裕は……っ!そういうことか)」。入賀の話を聞きながら、八木橋はあることに気がついた。セカンドステージで必ず起こるであろう“パソコンの奪い合い”。入手した人物がパソコンを奪われる…、つまり“所有権”を失う瞬間もまた必ず訪れる。入賀たちは、“その時”を待っている。「御堂という男の特権利、【相続権】だね?」「あら〜バレちゃった」。

しかし、そもそも多数欠のルールだけを見ると不思議なほどに“穴”がある。やり方によっては、簡単に“一人勝ち”できてしまうのだ。…にもかかわらず、なぜこのゲームは行われているのか──。「ヒントはあげたからね。考察次第で見えてくると思うよ。頼んでみたら? そうだねぇ、できるだけ頭のいい人にね」。そう言って、入賀は去って行くのだった。

入賀の言葉から御堂の特権利を導き出した八木橋 彼もまた“頭のいい人”だが…(画像は第3話より引用)

◆須藤と八木橋、その出会い──

一方その頃、ごぼう(CV:藍原ことみ)の【表示権】による指示で指定区域から練馬区へと逃げて来た(来させられた)篠崎(CV:森嶋秀太)は、学校の校内で須藤(CV:笠間淳)、そして御堂と対峙していた。「初めまして皇帝です」。そう名乗る御堂は、明らかに2人をおちょくっている。指定区域に向かわない以上、諦めたのか、それとも他に目的があるのか…。須藤は御堂のことを処理すべき敵であると判断。迷いなく拳銃を取り出すと、“無制限”の銃弾を標的目がけて撃ち放った。

篠崎と須藤に“皇帝”と名乗る御堂

須藤の先制攻撃を、御堂はなんとも身軽にかわす。「先にお前から…」とつぶやくと、勢いのまま篠崎に襲い掛かった。ところが、予想外の反撃。空手の黒帯であった篠崎は御堂のナイフをギリギリでさばくと、逆に腹の中心へ前蹴りを見舞う。御堂はたまらず、背中から地面に倒れた。一連を見ていた須藤は、篠崎の実力、そして彼がこの場所へたどり着いた経緯を察すると、「あなたは正しく臆病ものだ」と言って、一度裏切ってしまった実篤たちの元へ戻るようにアドバイスを送るのだった。

…直後、御堂が隠し持っていたスタングレネードを放り投げる。2人はとっさに目と耳をふさぐ。周囲が色を取り戻した時、御堂のナイフが須藤の腹部に深々と突き刺さっていた。空を見上げると、見事な青だった。須藤はふと幼い頃の記憶を思い出す。“あの空がある限り、いつまでだって私たちはつながっているわ──”。そう言ってくれた大好きな母と共に見た、あの青空を──。

特権【確保権】を持つ須藤は、銃弾も無限に確保することができる

──子どもの頃、父と兄を事故で失った須藤は、それ以来ただひたすらに母のためを思って勉学にいそしんだ。あるとき、通い始めた塾でどうしても勝てない相手がいた。5科目495点を取る自分に対し、相手はいつも500満点。それが、現生徒会長の八木橋藤十郎だった。

塾の模試でいつも八木橋に負ける須藤

ある日、須藤の塾の月謝を八木橋が払ったことがわかる。「バカにしてるのか?」と憤る須藤に、八木橋は「僕より頭が悪いくせに、僕より正しい答えを言える気かい?」といたずらな笑みを浮かべる。須藤が家に帰ると、今度はランドセルに長ネギが入っていた。それも八木橋の仕業だった。

その晩、須藤は熱を出して寝込んだ。看病してくれた母は、「もう勉強するのやめなさい…」と涙を流す。母のために勉強しているつもりだったが、逆に心配をかけてしまっていたことに須藤は初めて気がついた。そして、八木橋がなぜネギをよこしてきたのかも。彼は、勉強に身を入れすぎた須藤がこうなることを見通していたのだ。八木橋本人も当たり前のように、須藤の見舞いに訪れた。

「僕は君の努力に尊敬の念を抱いている。ライバルとして、尊敬する1人の人間として君の最高を見たいのさ」。本音をこぼす八木橋。実はもうすぐ引っ越してしまうという彼は、“高校入学時点で全国模試の順位が高い方が勝ち”というゲームを提案。月謝は、そのための“プレイ料金”だった。

子ども時代の八木橋

勝負に乗った須藤は数年後、高校で八木橋と再会。すれ違いざま2人は言葉を発さず、自らの順位を指の数で報告しあう。八木橋は2本、須藤は1本。ようやくの勝利。「(ありがとう、八木橋。君のおかげで僕は母さんのための力を手に入れた)」。父や兄の分まで、母を幸せにする。そう、須藤は誓った。

『今 これを 見ている YES or NO』

そして、多数欠が始まり、母は命を落としたのだ──。

──御堂の追撃をなんとか逃れた須藤は、空を見上げる。母の命を奪った多数欠…その首謀者である皇帝…、そのどれにも手は届いていない。だが…「(なぜだろう、道半ばだというのに心の底が抜けて光で満ちるようだ…)」

「(ああ、そうか…。
 この空が…
 あの日と同じ空だからだ……」

アニメ『多数欠』公式HP
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BS日テレ アニメにむちゅ~ 公式HP

画像提供:©宮川大河/COMICSMART INC./多数欠製作委員会

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