【先週読まれた人気記事】『吹奏楽の旅』に登場した八王子高校が今年の全国コンクールで金賞に!部長と学生指揮者が引っ張った最強バンドのラストに密着
2025.4.26 12:00
全国大会金賞の決め手になったともいえる難曲『モンタージュ』。実はこの曲を選んだのは生徒たちだったと髙梨先生は明かしてくれた。そこで田代くんと飛川くんに聞いてみると「誰もやらないような曲で勝負するしかないと思った」という。それまで東京の代表2枠を占めていた東海大高輪台高校と東海大菅生高校の牙城を崩すための策だったというのだ。当時、田代くんは先生に「同じようにして負けるくらいなら、ちょっと方向性を変えて負けた方が心残りが無い」と伝えたのだという。「同じようなことをして同じように負けると、“結局またこれか…”みたいな。僕はそれをもう2年間味わったので…」と、それまでの悔しさを全てぶつけていたことを語ってくれた。
田代くんは仲間に呼びかけ、部員たちに向けて、基礎力を上げるためのテキストを作成。「基礎力が無いとどうしようもないとずっと思ってて」という田代くんは「周りの子はなかなか言ってもやってくれない子が多かったので、もう強制的にやらせてしまえ!という発想で…」と、語ってくれた。その甲斐あってか、最後の演奏会前の練習での基礎練習では、後輩たちにしっかりとその考えが伝わっていた。
田代くんを「最強の学生指揮者」という飛川くんと、飛川くんを「相棒みたいな感じ」と評する田代くん、2人がガッチリとタッグを組んで1年間部員たちを引っ張ってきたのだ。それもあってか、全国大会出場が決まった瞬間、2人はステージ上に立っていたにもかかわらず、思わず抱き合って喜びを分かち合っていた。その瞬間のVTRを見ながら「引かれてるし!」「そりゃ引くよ!こんな表彰式ないもん!」と笑いながら語れるのも結果を出せたからこそだろう。ちなみに全国大会の表彰式でも、自分たちでも予想していなかった金賞受賞に再び田代くんと飛川くんはステージ上で抱き合って喜び合い、他の部員たちも客席で抱き合って喜びを爆発させていた。そんな1年を髙梨先生に振り返ってもらっていると、「ちょっと待って…」と言葉が出なくなってしまっていた。そして髙梨先生は「だって…終わっちゃうからね…」と言葉を絞り出した。先生だって思い出深い生徒たちとの別れはつらいのだ。

迎えた最後の定期演奏会。思い出深い『モンタージュ』の演奏を終えた瞬間、指揮台の上で髙梨先生は涙をこぼしていた。そして最後の1曲、ゆずの『栄光の架橋』は学生指揮者として田代くんがタクトを振る。その演奏をバックに部長として飛川くんがスピーチを行う。「つらい思いをしながらつかみ取った全国金賞」「3年生がみんなでよかった」と涙を誘いつつ「3つのお願いがあります」「学校に音楽ホールを作ってほしい」「東京の全国出場枠を3枠にしてほしい」などとちょっと無茶ともいえるお願いをして笑いも誘っていた。
最後のお願いは会場全体で行う「快進!」の掛け声。部長として最後のスピーチを無事やり終えた飛川くんは、盟友・田代くんの元に駆け寄り熱いハグをかわし、ステージから去っていった。そこから3年生が1人ずつ、後輩たちによる演奏をバックに、順番にステージを去っていく。後輩たちに声をかけながら、肩をポンとたたきながら、客席にも深々と挨拶をしながら…。そして田代くんも次の部長にタクトを引き継ぎ、ステージ上には1・2年生だけが残るのだった。そして番組でも次回から、その新しい代を中心とする新しい『吹奏楽の旅』が、新たな学校の吹奏楽部に密着して始まることになるという。
VTRを見終えたスタジオでは、多くの人が感動の涙を流していた。特にMCの佐藤栞里は、声にならない声で「素晴らしい…」というのがやっとの状態。「胸がいっぱいで…」と声を絞り出すと、再び涙があふれ出ていた。
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