黒木華　「何かを残さなきゃいけない」芝居を続けるにつれ増していった重圧…引退まで考えた状態から救ってくれたものとは

そんな状態だった20代最後の年。共演者に勧められ、沖縄でひとり、ダイビングライセンスを取得し潜るようになると、海の中には水面を見ているだけでは決して分からない世界が広がっていた。「自分の世界に無いものを知るっていうことがすごく、リフレッシュにもなるんだなって」と、抱えていた悩みが少し軽くなったと言い、それ以来、海に通うようになったという。

黒木の心を軽くしてくれたダイビングだが、今回の旅では、ダイバー仲間から聞いていて、ずっと行ってみたいと思っていた場所を訪問した。『セノーテ・ドス・オホス』は、世界中からダイバーが集う、水中洞窟型のダイビングスポット。岩盤が崩落して地下水脈が露出したことによってできた天然の泉で、VTRを見ていたMCの今田耕司も「きっれ～！」と、洞窟の中へ誘うように広がる青くきらめく泉に感動。かつては先住民族、マヤ族の聖なる泉として大切に使われていて、どこか神秘的な光景がただよう洞窟の入り口に立つと、「すごいですよね、もうなんか見た目が」と、すでに感激した様子の黒木。「もうこれをしに来たようなものなので、楽しみ」と、ガイドに導かれ泉にダイブした。

陽の光が届かない洞窟内を、ガイドが用意したロープとライトを頼りに進む。内部には完全に水没した鍾乳洞が広がり、慎重に進んでいく。

暗闇のなか、しばらく泳いでいると、明るい開けた場所にたどり着いた。真っ暗だった洞窟内に陽の光が差し込み、光のカーテンが水の中で揺れる。これこそ、世界中のダイバーが目指す理由。よく晴れた日の午前中、数時間だけ見られる貴重な光景に黒木も思わずはしゃぐ。「めちゃくちゃ凄かったです。空間をめっちゃ見るって感じでした。差し込んだ光がすごいキレイでした」と、屈託のない晴れやかな表情を浮かべた。

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写真提供：（C）日テレ