北海道・旭川は吹奏楽の街だった?30年前から脈々と流れる深い歴史をひも解く『日本列島 吹奏楽の旅2025』
2025.4.21 07:30実はこの2つの中学校は昨年の地区大会の後、永山中・菅野先生からの呼びかけにより合同練習が行われていた。直線距離にして2.5kmほどしか離れていない一番近い、一番負けたくないライバル校との合同練習とあって、生徒たちも最初はあまり乗り気ではなかった様子。しかし、お互いに演奏を披露するとそんなムードは一変。「スゴイ!」「えっ、こんな吹けんの!?」「中学生が出す音じゃない」と、自然と互いの実力をリスペクトし合い、自分の実力と比較して悔しさを感じるほどになっていたのだ。メトロノームを使っての練習も、永山南中がこの時にやっていたのを見た永山中の生徒たちが自分たちの練習にも取り入れるようにしたのだという。このように距離を縮めていった2校はライバルから友へとかわり、2校そろって全日本吹奏楽コンクールで金賞という素晴らしい結果を得るに至ったのだった。
歴史をひも解いてみると、実は約30年前にも “永山旋風”を巻き起こしていた。その当時、永山南中を率いていた荒木関先生は音楽の成績が良かった生徒たちを半ば強引に吹奏楽部に勧誘し、創部わずか5年で見事全国大会に出場させるまでに成長させていたのだ。また、旭川にはマーチングのイベントや吹奏楽祭など、音楽と触れ合うイベントも多く、音楽が根付く土壌も仕上がっていた。そんな中でも荒木関先生は市民の間で結成されたバンドで指揮者を務めるなど奔走し、病に倒れてからも病院でのコンサートで車いすに座ったまま指揮をするなど、精力的に活動を続けていた。そんな荒木関先生の教え子たちの子ども世代が今回の“永山旋風”の立役者となっているのだった。
さて、最後の定期演奏会も終え、3年生たちはそれぞれ高校へと進学する。吹奏楽部の3年生の多くは高校でも吹奏楽を続けるようで、10回の全国出場を誇る旭川商業高校へ進学する生徒も多かった。また、これまで地区大会止まりだったもののこの数年で支部大会で“ダメ金”(金賞ではあるが全国大会には進出できない)を獲得するほどに成長著しい旭川明成高校へと進学する子も多いようだ。どうせ密着するならば全国常連校よりも全国未経験校の方が…そう考えた番組スタッフは、今年の『吹奏楽の旅』で旭川明成高校に密着することに決定。果たしてどんな吹奏楽部なのか、それは次回以降の放送で明らかにされるという。
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