声優・神谷浩史 “3部作”ならではの芝居への向き合い方とは「引き算の芝居を心がけて臨んでいました」『劇場版モノノ怪 第二章 火鼠』舞台あいさつレポート

2025.3.18 18:35

幕府の利権を取り仕切るボタンの父・老中大友役の堀内は、「台本を読んで、悪役だなと思った」とニヤリ。「この業界に40 年ほどいますが、久々に大ピンチだと思った。極悪非道というわけではない。人間が権力を背負った時に、どう生きていくか。自分の手を汚さずに生きていこうとする悪って、どう演じればいいんだと思った」と試行錯誤したという。

堀内は「火鼠との対決のシーンでは、気絶するかと思った。アクションなどテンポも速いし、ハードなんですよ」と苦労もあった様子だが、シリーズの生みの親でもある中村総監督は、アフレコを見ていると「命が入った瞬間を見ている気がする」と役者陣の演技に惚れ惚れ。アフレコで役者の演技を耳にしてから、画やシーンを変えていくこともあると明かす。鈴木監督は「ボタンが父親に最後通告を突きつけるシーンは、戸松さんの演技では、僕の想定よりもかなりキッパリと父親を拒絶していた。こちらのほうが絶対にいいと思った。そこで画のほうを変えた」と具体的なシーンについて言及し、声優陣を驚かせていた。

堀内賢雄さん写真
堀内賢雄

鈴木監督は、オムニバスアニメ『怪~ayakashi~』の『化猫』から本シリーズに携わっているとのこと。『劇場版モノノ怪 第二章 火鼠』では監督を担い、「『怪~ayakashi~ 化猫』とテレビシリーズ『モノノ怪』では演出ではなく、撮影をやっていて。演出志望の若手でした。将来、こういう映像が作れたらいいなと憧れていたものに、17年を経て参加できるとは思っていなかった。感無量です」としみじみ。「多くの方に観てもらえる、すばらしい作品に携われて誇りに思います。全力を出させていただいた」と心を込めた。また中村総監督が、大奥の警備を司る坂下が「行けー!薬売りー!」と叫ぶシーンで鈴木監督の熱量と才能を実感したと話すと、神谷も「グッジョブ!」とサムズアップで鈴木監督の仕事ぶりを称える場面もあった。

中村総監督&鈴木監督写真
中村総監督&鈴木監督

続く第三章は『劇場版モノノ怪 第三章 蛇神』として、2026 年春に全国公開されることが決定しており、第一章、第二章に引き続き大奥が舞台となる。第三章にも期待がかかる中、神谷は「エンタテインメントは、情報ではなく、体験だと思っています。この作品をご覧になって、人生が豊かになってくれたらうれしい」と願い、「劇場は、作品を楽しむだけの空間。貴重な体験を本作から受け取ってくれたら」とどっぷりと浸れる映画館での鑑賞をオススメ。

戸松も「スクリーンで観るのにぴったり。体感するような映画で、いろいろな登場人物の視点で観ていただけたらうれしい」と希望し、日笠は「今回は、親と子もテーマ。まやかしのように眠っている真実を見極めていただけたら、よりこの作品を楽しんでいただけるのかなと思っています」とメッセージを送った。

そして堀内が「役者さんの演技がすごい。何回観ても泣けるし、すばらしいと思える。久々に震えるような作品に携わらせていただいた」と力を込める中、中村総監督は「みんな傷つきながら生きていくものだと思いますが、できるだけ自分を許してあげてほしいなという思いがあります。そういった面が伝わって、皆さんの癒しになったらと思っています。次もありますので、よろしくお願いします」と呼びかけ、大盛況のうちに幕を閉じた。

『劇場版モノノ怪 第二章 火鼠』
3月14日(金)より全国公開中

【公式HP】
【公式X】

Ⓒツインエンジン

1 2

キーワード

ジャンル

  • アニメ
  • エンタメ
  • 映画・舞台

関連記事

おすすめ記事

ジャンル