青山剛昌が明かす『名探偵コナン』だけが持つ魅力やこだわりとは?物語の最後については「まだまだかかりそう」

2025.3.13 18:15
青山剛昌の写真

国民的人気作品『名探偵コナン』の原作者・青山剛昌が、連載30周年や劇場版でのヒットなど、数々の実績を称えられ、メディア芸術部門・芸術選奨文部科学大臣賞を受賞。『名探偵コナン』だけが持つ魅力やこだわり、劇場版でファンから人気が高い“青山原画”についてコメントした。

芸術選奨文部科学大臣賞は、芸術各分野において、毎年、優れた業績を挙げた者、又はその業績によってそれぞれの部門に新生面を開いた者を選奨する。

青山剛昌と桜井政博の写真
メディア芸術部門・大臣賞 (左から)青山剛昌、桜井政博(ゲームクリエイター)

◆青山剛昌インタビュー

――長年、創作をずっと続けて来られた、原動力を教えてください。

やっぱりファンの皆さんの、SNSでの感想やファンレターでの「良かった」という言葉が力になっています。

――コナンを書くときのこだわりを教えてください。

前から何回も言ってるんですけど、“コナンを泣かせない”。やっぱり推理する人が泣くと、犯人に失礼なので、僕のミステリーの探偵役はほとんど泣かないです。

――数あるミステリー作品がありますが、『名探偵コナン』だけが持つ魅力は何だと思われますか?

子どもにも大人にもうけているので、ラブコメを入れている所と、ギャグをうまいぐらい絡めてるのがいいのかなと思います。ミステリーって殺伐としてるので、ギャグを入れにくいんですけど、うまく(コナンには)入ってるかなと思います!

青山剛昌と金築浩史の写真
(左から)青山剛昌、金築浩史(展覧会エンジニア)

――今回、この芸術選奨贈呈式で事件が起きるとしたら、どんなストーリーを考えられますか?

座席順やお辞儀のタイミングが指示されていたので、それで狙えるかなと思います。SPの女性の方が立っていたので、あの人に取材したかったんですね…(笑)

――コナンは海外でもファンがたくさんいるんですが、海外のファンの皆さんにメッセージをお願いします。

以前ドイツに行った時に、「ドイツ人は日本語の暗号がわからない、どうしましょう」と言われましたけど、やっぱりそこは日本語を勉強していただいて、解いてもらうしかないですね。英語を絡めた暗号なら、世界中の皆さんが解けると思うんですけど…暗号が分かりたい場合は、日本語を勉強してほしいです。

――映画では“青山原画”と言われるシーンを見て、ファンの皆さんが喜ばれていますが、アニメーターとしての目線でどのように見られてますか?

僕が見てると、自分の原画で「恥ずかしい!」と感じたので、なんとも言えないですけど…やっぱり自分の原画で喜んでくれると嬉しいですし、書きがいがあります。大体「良いシーンを書かせて」って言ってるので、お楽しみください。

青山剛昌の写真
『名探偵コナン』原作者・青山剛昌

――今後の目標を教えてください。

色んなことを達成しちゃってるので(笑)あとは無事に物語を最後まで書くことは目標ですけど、まだまだかかりそうなのでお楽しみください。

◆受賞者同士のつながり

祝賀会では文部科学大臣財務官の赤松健や、劇場アニメ『ルックバック』の監督・押山清高などの受賞者スピーチが行われ、青山とのつながりなどが語られた。

赤松は、「国会議員になる前は『週刊少年マガジン』で30年漫画家をやっていました。その時のライバル誌『週刊少年サンデー』、名探偵コナンの青山先生、おめでとうございます!」とかつてのライバル誌の青山にお祝いの言葉を送った。

さらに、かつて漫画家だった赤松とのつながりについて、押山は、「僕が最初にアニメーターとして入った会社で、赤松先生が原作の『ラブひな』や『ネギま!?』などの作品をアニメ化していました。僕が新人の時に、赤松先生の作品の動画や絵を描いたりしていました(笑)なので、こうやってこういう場で赤松さんと再会できるのを感慨深く思います。このタイミングで新人賞ということで、“これからも作品を作っていけよ”というふうに背中を押されているように感じています!」と、若かりし頃の思い出を明かした。

押山清高の写真
劇場アニメ『ルックバック』監督・押山清高

写真:(C)entax

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