映画『国宝』中村鴈治郎が歌舞伎指導&出演決定「歌舞伎に興味を持っていただければ、こんなに嬉しいことはないです」

2025.3.12 18:50

数々の賞に輝いた吉田修一自身が、3年の間歌舞伎の黒衣を纏い、楽屋に入った経験を血肉にし、書き上げた渾身の作品『国宝』。本作品は、『フラガール』(2006年)、『悪人』(2010年)李相日監督がメガホンをとり、吉沢亮主演、横浜流星共演で映画化が発表されている。

この度、映画『国宝』の重要な局面で登場する歌舞伎の演目、本作の歌舞伎指導を、中村鴈治郎が務めたことが明らかとなった。人間国宝・四代目坂田藤十郎を父に持ち、1967年歌舞伎座にて「紅梅曾我」の一萬丸で中村智太郎を名乗り初舞台。「廓文章 吉田屋」の藤屋伊左衛門、「恋飛脚大和往来 封印切」の亀屋忠兵衛を当たり役とし、2015年に四代目中村鴈治郎を襲名、2019年には紫綬褒章を授与された中村鴈治郎。原作者・吉田修一が『国宝』を執筆するにあたり血肉とした3年間の黒衣経験も、中村鴈治郎の元で培われた。

さらに、森七菜演じる彰子の父親で、歌舞伎役者・吾妻千五郎役として自らも出演。スキャンダルで騒がれた喜久雄に同情して優しくアドバイスをするが、娘・彰子が喜久雄に恋心を抱いていることを知り、娘を使って成り上がろうとする喜久雄に対して厳しくあたる、名門・富士見屋の当主を演じる。映画出演は、2019年公開の『ねことじいちゃん』(監督:岩合光昭)以来となる。

紫綬褒章を受章した現役歌舞伎役者の指導のもと、吉沢亮、横浜流星らによって作り上げられた、観るものを圧倒する本物の演技。2025年6月6日(金)、日本中に感涙を呼び起こす、美しく熱い、日本映画の歴史を刻む1本が誕生する。

コメント

■中村鴈治郎

普段は優しい李監督ですが、撮影現場ではより良い作品を目指す方なので、とても厳しかったです。映画は舞台と違い、同じシーンを何度も撮るのでクタクタになると思います。ラッシュ版で吉沢亮さんを始め、彼らの歌舞伎のシーンを観た時に、その時の現場の状況を思い出し、とても感動しました。この映画を通して、歌舞伎を知らない方には、歌舞伎ってこういうものなのかと感じてほしいですし、歌舞伎を観たことのある方には違和感なく、作り事でもなく、自然に観ていただければ一番いいな、と思っています。そして、この作品をご覧になった方々が歌舞伎に興味を持っていただければ、こんなに嬉しいことはないです。

吉沢亮さん、横浜流星さん、黒川想矢くん、越山敬達くん、田中泯さん、渡辺謙さんには本当によくやっていただいたと思っています。今は観客の皆さんに受け入れてほしいなと切に願っています。

公式サイトはこちら 

©吉田修一/朝日新聞出版 ©2025映画「国宝」製作委員会 

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