カズレーザー 「ちょっと帳尻合わなくなってる」 子どもが親の老後の面倒みなくてはいけない現状に物申す
2025.3.12 10:45「現在の民法では親などの家族に対して、扶養をする義務、経済的な援助をする義務というのが明記されています」と説明する小野氏。同居をして世話をするなどの義務は基本的にないとしつつも、同居しているにもかかわらず要介護者を無視するなどすれば、保護責任者遺棄罪などの罪に問われる可能性があるという。そのため別居などのかたちをとり、直接面倒をみないのであれば、親のためにお金を捻出するなど、何らかのかたちでの扶養が必要になると説明された。
小野氏は「法律上の義務ではあるので、支払うべき扶養料を支払わなければそれは法律違反です」と断言し、その額は子や親の収入や環境に応じて様々だというが、子どもの手取りが30万円程度であれば、2万円から5万円が相場だという。
これを聞いたオカリナが、「もし虐待とかされていて、気持ち的に払いたくない場合もあるじゃないですか。どうしようもない生活だから家族としてやってきた状態のお子さんがいるじゃないですか。それが大人になってから払わなきゃいけないとか言われると、払いたくないって思うじゃないですか」とコメントすると、小野氏は、扶養は義務ではあるものの、自身の生活を犠牲にしてまで果たすものではないと解説。あくまでもお金に余力があるという部分でのみ果たせばいい点を強調し、加えて「それ以外にも様々な事情を考慮して、裁判所は金額を決めますので、例えばそういう虐待があっただとか、それは一つの事情として考慮をされて、穏やかに親子関係を築いてきた人とそうでない人とで全く同じ金額になるかっていうと、そういうわけではない」と話した。

そんなふうに親の扶養義務についての解説が続くなかで、親子の縁切りを望む家族の相談にのる一般社団法人LMNの代表理事、遠藤英樹氏は介護に関する問題をあらためて指摘。「お母さんたち、お父さんたちっていうのは、子どもが成長していくのがすごく楽しみで、それが子育てなんですね。ただ、今、介護って、逆に言うと、ゴールがないんですよ」といい、同じ扶養義務でも終わりが見えない分、心理的疲労はまるで違ってくると話す。
カズレーザーも現行の法律がつくられた時代背景と現代社会を比べ、「日本人が昔から描いた、たぶん法律もそういう前提だと思うんですけど、理想的な家族像っていうのが、子育てをしてあげたお礼として老後の面倒をみる。これがイーブンっていう前提だと思うんですけど、そのときに考えられてた状況よりも、今は核家族化、少子高齢化、もう、超高齢社会じゃないですか。それでは、さすがにちょっと帳尻合わなくなってるって現状はあると思うんですよね」とコメントを残す。
議論の終盤、小野氏は「頑張ってしまっている人がすごく多いと思うので、そんなに頑張らなくていい。私では無理だから公的機関にお願いしていいということが広がっていくといいな」と見解を述べた。遠藤英樹氏は「家族があるべきっていう、その“べき”っていう議論がすごく多くて」と一言。遠藤氏の団体を訪れる人たちには相談後、「肩の荷が下りた」、「今日から寝れる」といったことを言って帰る人たちもいるという。時代に沿ったかたちの新しい法律など、何らかのアクションが必要と訴えた。
【TVer】最新話を無料配信中!
【Hulu】最新~過去話配信中!