カズレーザー 「ちょっと帳尻合わなくなってる」 子どもが親の老後の面倒みなくてはいけない現状に物申す
2025.3.12 10:45
カズレーザーがMCを務める『カズレーザーと学ぶ。』が11日に放送された。今回は『令和の新法律 SP』というテーマ。普段は専門家たちの解説を聴講して見識を深める芸能人たちが、新たな法律の案をプレゼン。専門家たちとともに、アイデアに対する白熱した議論が繰り広げられた。
「親子関係を法的に解消できる法律」を提案したのはカズレーザー。毒親や虐待など社会問題になっている令和の親子関係に切り込んだ。「親子の絆は別にずっとあると思うんですけど、それが法律で絶対不可侵、もう絶対になくならないものっていうのは、もう今の時代に合ってないんじゃないかな」といい、提案を行う。
カズレーザーはまず介護疲れをあげ、3世代以上での同居がほぼ見られず、地域のつながりも薄くなり、親子だけのような核家族が増えている現代では、親子関係というだけで無料で奉仕する形式が限界を迎えつつあると力説。さらに近年増加する「毒親問題」にも触れ、民法上では親子関係を解消できないことから、例えば自分を虐待していた人間の介護や面倒をみることが義務になってしまっている現状に、「本来一緒にいたくないって思われてる関係の人たちがどうしても結び付きを切ることができない。これはやっぱおかしいんじゃないか」と疑問符をなげた。
斬新なアイデアに、出演者たちからも様々な意見が出る。お笑いコンビおかずクラブ・オカリナからは「賛成ですね。世の中信じられないニュースあるじゃないですか。その…凄惨な事件だけど、どうしようもできなくなって、親を殺めてしまったりとかするじゃないですか。そういうときの逃げる手段として法律があったほうが私はいいと思うから」といったコメントや、こがけんからは「反対なんですけど、例えば介護だったりを考えたときに、その誰かが面倒をみなきゃいけないっていうときに、そこに、税金があてがわれるって考えたときに、こんだけ税の負担が、今すごい日本において理解を得ることができるだろうかっていう」など、賛成・反対、どちらの意見も聞かれた。

そんななか、文京湯島法律事務所代表弁護士、小野章子氏が「私は反対です」と声をあげる。「親子関係を法的に解消するという制度を作っても、根本的な解決にはならないんじゃないか」と話し、現状の制度の枠内でもできることが残されていると話す。小野氏いわく、絶縁が必要と思われる人々の場合、洗脳状態にあることや、絶縁を望む気持ちすら起こらないような状態にあることがあるとのこと。そのため本当に救うべき人たちは法律で関係の解消を認めただけでは救うことができない可能性があり、まずは今の制度の枠組みの中での改善を目指すべきと話す。加えて親子であるということで一体化して見られてしまう考え方を社会のなかで変えていく必要があるとも語った。
小野氏の話を聞いたカズレーザーは、「でも、もう、まさしくそこなんです」と反論。「先生が最初言った、洗脳状態にあるから、そういうとこまで、もう意見を言うことができない状態になってる人たちっているじゃないですか。なんでそういう人たちが生まれるかって、社会の風潮がある。なぜそういう社会の風潮あるかっていうと、親子関係が絶対不可侵だっていう時代を長く生きてきた人たちのほうが多いからなんですよ」と説明。長い時間をかけて形成された考え方を変えるのは難しいとし、法律を変えることで即効性が期待できると熱弁した。
親子の縁を切れる法律を作っても社会の見方が変わらないと意味がないという小野氏に対し、そんな世間体を変えるためにも法の力が不可欠だと譲らないカズレーザー。話題は子どもが親を放棄することのできない大きな理由、「親の扶養義務」へと移っていく。