北野武「これをやったやつはいないだろうと思って、ほくそ笑んだ」自身監督・主演の映画『Broken Rage』特別インタビューが公開

2025.2.20 16:45

2月14日よりPrime Videoで配信中の北野武監督の映画『Broken Rage』。北野監督をはじめキャスト陣による特別インタビュー映像が公開された。

本作は北野武が監督・脚本・主演を務め、浅野忠信、大森南朋、白竜、中村獅童ら北野組常連俳優たちが出演し、「暴力映画におけるお笑い」をテーマに制作。約60分の映画を前後半に分け、前半では裏社会と警察組織の骨太のクライムアクションを描き、後半は前半と同じ物語をコメディタッチでセルフパロディするという実験的な構成。
日本の配信映画として初めてベネチア国際映画祭に正式出品され高い評価を受けた本作は、北野監督が映画の常識を覆すべく手掛けた衝撃作となっている。

そんな本作について北野監督は「これは映画界で初めてだろう、これをやったやつはいないだろうと思って、ほくそ笑んだ」と笑顔を見せます。キタノ映画の特徴である“暴力”と“笑い”の融合が、本作ではより色濃く描かれている。本作の“笑い”について北野監督は「“笑い”としてはクスクスなんだよね。シリアスな映画で失敗したときに、笑っちゃう感じ。殺し屋というモノトーンな題材で、緊張させておいてクスクス笑うような感じを撮りたかった。お笑いを全面的に出したくなくて、シリアスだけど同じトーンでパロディにすると『こんなになっちゃうよ』っていうのがメインなんだ」と明かす。

本作で“笑い”を体当たりで表現した浅野、大森について北野監督は「浅野くんや大森くんたちは上手いからね!役者としてすごいところは、パロディのお笑い部分だと知っていても笑わせようとしないんだよね。ネタふりの前の(シリアスな)芝居とどう違うのかを分かっていて、大げさにボケようとはしない。言われたことをちゃんとやるから、作品を見たらそれがボケに見えるようになっている。それはすごいなと思う」と大絶賛。

『Dolls(ドールズ)』(02)、『アキレスと亀』(08)、『アウトレイジ 最終章』(17)、『首』(23)に続き 5度目の北野作品への出演となった大森は撮影を振り返って「真面目な方のパートに打ち合わせはないんですが、お笑いパートの打ち合わせはあって、監督の意図されているところや間、狙いについては(浅野くんと)けっこう話しました」と明かした。

第 82 回ゴールデングローブ賞で助演男優賞を『SHOGUN 将軍』(24)で受賞した浅野は「突然監督が『これもやってみようか』という風にアイデアをくれるんです。それに追いつくために大森さんといろんな話をして、結果大森さんに頼りきりで、全負担をかけていたような気がします(笑)」と全力で臨んだ撮影の日々を振り返り、「僕が笑わせようとすることで笑いが取れることは絶対にないと思っていました。これがお笑いのストーリーラインとして進んでいたとしても、真剣に受け止めて演じなければと思っていました」と話した。

浅野忠信さん、大森南朋さん写真

そんな映画監督としても長いキャリアをもつ北野監督の“新たな試み”について大森は、「『Broken Rage』は、今の北野監督の真骨頂であると思います。ある芸術家の生き様の断片を見ているようなイメージです」と仰ぎ見ており、『首』(23)に続き北野作品への出演を果たした中村は「監督は時代の流れや、世の中がどんなものを求めていて、どんな風に昭和から平成、令和と時代が変わっていったことを、それを敏感に察知されています」と、北野監督への敬意を表した。

そして、北野監督作品には欠かせない俳優の白竜は「監督の中には、いろんな方向にいろんなアイデアがあると思うんです。これからもいろんなジャンルを撮るんじゃないかと思います」と、今後の北野監督への期待を語った。

北野監督は本作を経て、「たたき台となるストーリーから、いろんな監督にそのパロディを作ってほしいなと思います。方向やベクトルは見せたから、あとはいろんな人がチャレンジすればすごいものができるようになる」と、まだ見ぬ“映画”の可能性について期待を膨らませた。

【オフィシャル特別インタビューはコチラから!】

Amazon Original 映画『Broke Rage』
監督・脚本・編集:北野武

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