北野武が自身を“壊す”?Amazon Original 映画『Broken Rage』で挑む実験的新作
2025.2.7 11:45![北野武の写真](/wp-content/uploads/2025/02/BrokenRage3.jpg)
Amazon Original 映画『Broken Rage』の配信を記念した記者会見が2月5日に行われた。北野武監督をはじめ、浅野忠信、大森南朋、白竜、國本鍾建らキタノ組常連俳優陣が登壇し、作品への思いを語った。
本作は、警察とヤクザの間で板ばさみになった殺し屋が生き残りをかけて奮闘する骨太のクライムアクションを描く前半と、同じ物語をセルフパロディとしてコメディタッチで描く後半で構成されている。
◆北野監督が語る”実験的”な新作
北野監督は冒頭、本作の制作意図について「Amazonという会社の配信ということで、お茶の間でみる映画とはどういうものかと悩みまして、かなり実験的なものを作らせてもらおうと思って、無理な相談ですがAmazonの方にお伺いしたらやって構わないということで実現できました」と語った。
![『Broken Rage』の北野武監督をはじめ、浅野忠信、大森南朋、白竜、國本鍾建らキタノ組常連俳優陣の写真](/wp-content/uploads/2025/02/BrokenRage4.jpg)
『Broken Rage』というタイトルについて北野監督は「おかげさまで『アウトレイジ』シリーズはそれなりの成功を収めたので、暴力映画としては自分なりに昔のヤクザ映画じゃない、現代的な映画が撮れたと思っているんですけど、それに対するパロディという意味もあります。自分の映画のキャリア自体を”壊す”という意味で、タイトルにつけました。あまり深い意味はないんですよ」とタイトルに込めた思いを明かした。
『SHOGUN 将軍』(24)で第82回ゴールデングローブ賞で助演男優賞を受賞するなど国内外で活躍中の浅野忠信は、「台本を読んだ時に“これは予想以上にすごいものになるな”という風に思いました。現場では本当に緊張しましたし、新しいことをやって鍛えられた部分もありました」とコメント。
大森南朋は「監督の前で”笑い”をやるプレッシャーたるや、僕も浅野くんもハンパない緊張感の中でやっていて、“特にウケなかったけどまあオッケーか・・・”みたいなことを繰り返しながらですが、本当に現場に行くのが楽しくて幸せな時間でした」と撮影を振り返った。
![大森南朋の写真](/wp-content/uploads/2025/02/BrokenRage2.jpg)
◆ベネチア国際映画祭での反響
本作は日本の配信映画として初めてベネチア国際映画祭に正式出品された。浅野忠信は「Bパートが始まって皆が最初に笑ったとき、いきなり劇場の雰囲気が変わって、アットホームな感じになったんです。家族で同じおもしろい映画を観ているような感じになって、僕も一緒になって笑っていました」と、現地での観客の反応を伝えた。
![浅野忠信の写真](/wp-content/uploads/2025/02/BrokenRage1.jpg)
北野監督は最後に「自分としてはかなり実験的な映画なんですけど、グレードとしてはひどくない。すごいとも言いませんが、あまり損したとは思わないだろうという感覚です」とコメントした。
Amazon Original 映画『Broken Rage』2月14日(金)より世界独占配信開始