東京バレエ団 ベジャールの『くるみ割り人形』——巨匠が創り出した幻想的な世界
2025.2.5 14:00![東京バレエ団の写真](/wp-content/uploads/2025/02/HP7_7201_photo_Kiyonori-Hasegawa.jpg)
クリスマスに蘇(よみがえ)るもうひとつの『くるみ割り人形』
東京バレエ団が創立60周年記念シリーズ第12弾として贈るのは、モーリス・ベジャールの『くるみ割り人形』。チャイコフスキーの名作に巨匠ベジャールの独創的な解釈が加わり、家族愛と芸術への情熱がテーマの物語が描かれる。
公演は2025年2月7日から東京文化会館で開催され、全2幕のステージが約2時間10分(休憩含む)にわたり展開される。7年ぶりの上演となる今回は、多くの新キャストが参加し、観客を再び夢の世界へと誘う。
![東京バレエ団の写真](/wp-content/uploads/2025/02/17_Bejart-Casse-Noisette_2Y8A4124_photo_Kiyonori-Hasegawa.jpg)
ビムの物語——夢と現実の狭間で
物語の主人公は少年ビム(幼年時代のジャベールの呼び名)。クリスマスの夜、亡くなった母を思い悲しみに暮れる彼の前に、夢か現実か、母が現れる。そこから始まるのは、懐かしい家族団らんやバレエのレッスン、ボーイスカウトの訓練、さらには巨大なヴィーナス像との幻想的なシーン。母と踊る美しいパ・ド・ドゥは、観る者の心に深い感動を与える。ビムは自分の大好きなものを母に見せながら、お祭りのような一夜を過ごす。そして目を覚ますと、母からの贈り物がモミの木の下に置かれていた…。
![](/wp-content/uploads/2025/02/17_Bejart-Casse-Noisette_HP7_7426_photo_Kiyonori-Hasegawa.jpg)
モーリス・ベジャール——振付の巨匠
モーリス・ベジャール(1927-2007)は、20世紀を代表する振付家のひとり。300を超える作品を手掛け、独自の哲学と創造性で世界中の観客を魅了した。本作では、彼自身の子供時代の思い出や夢が反映されており、観客は彼の人生に触れる特別な体験ができる。
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国際的にゲストダンサーとして活躍するダニール・シムキンがフェリックス役として特別出演。また、指導にあたる予定のジル・ロマンが、東京バレエ団前団長、故飯田宗孝へのオマージュとして特別出演することも決定!
ダニール・シムキン フェリックス役
ロシアのバレエ一家に生まれる。1990 年、一家は西側に移り、幼い頃から父親のドミトリ ー・シムキンとともにしばしば舞台に出演していた。のちに母、オルガ・アレクサンドロワの もとでバレエを始める。ウィーン国立歌劇場バレエ団やアメリカン・バレエ・シアター (ABT)など世界の著名なバレエ団で活躍し、現在は世界中のバレエ団にプリンシパルとして ゲスト出演している。
![ダニール・シムキンの写真](/wp-content/uploads/2025/02/mm20190623-B0002214.jpg)
ジル・ロマン
1979 年にモーリス・ベジャール率いる 20 世紀バレエ団に入団し、ベジャール作品の主要な作 品を踊る。2007 年にベジャールによりモーリス・ベジャール・バレエ団芸術監督に任命され、 2024 年 2 月まで新たな作品の創作と同時にベジャール作品の継承につとめてきた。ダンサー として 40 年以上のキャリアを重ね、ダンツァ&ダンツァ賞最優秀ダンサー賞(2005)、ニジ ンスキー賞(2006)、カルチュラル・アウェアネス賞(2014)、マイヤ・プリセツカヤ賞 (2015)、スイス・ヴォー州議会より名誉勲章(2019)など数々の受賞/授章歴を誇る。
![ジル・ロマンの写真](/wp-content/uploads/2025/02/DA1_BBL_Gil-Roman_photo_Anoush_Abrar-0195-S.jpg)
幻想と感動のステージ
本作の最大の見どころは、少年ビムが母への思慕を通じて成長し、芸術への道を歩む姿。巨大なヴィーナス像が登場する幻想的なシーンや、繊細で力強いダンスの数々が観客を引き込む。また、ベジャール独特のユーモアと想像力が随所に光り、古典作品に新しい命を吹き込んでいる。
![東京バレエ団の写真](/wp-content/uploads/2025/02/HP7_7382_photo_Kiyonori-Hasegawa.jpg)
「母への思いとバレエへの憧れ」というテーマが生きるこの作品は、世代を超えて共感を呼ぶ。ぜひ東京文化会館で、この特別な舞台を直接体験していただきたい。巨匠ベジャールの世界観と東京バレエ団の芸術性が融合するこの公演は、忘れられないひとときを提供することになるだろう。
![東京バレエ団の写真](/wp-content/uploads/2025/02/17_Bejart-Casse-Noisette_2Y8A4257_photo_Kiyonori-Hasegawa.jpg)
≪公演概要≫
公演概要 創立 60 周年記念シリーズ 12
ベジャールの『くるみ割り人形』全 2幕
振付:モーリス・ベジャール 音楽:ピョートル・チャイコフスキー
2 月 7 日 (金) 19:00 /2 月 8 日 (土) 14:00 /2月 9日 (日) 14:00
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