アニメ『この会社に好きな人がいます』「声優さんたちが本当に楽しそうに演じてくれて…」武市監督の印象的なシーンとは
2025.1.24 16:00――漫画原作を映像化する際の課題や、工夫したポイントはありますか?
原作あってのアニメ化だと思うので、原作の雰囲気を壊さないことを一番大切にしました。私自身が原作のファンになって、「アニメで見たいシーン」や「このキャラクターはどう動くんだろう」、「漫画のコマとコマの間で見えなかった部分をアニメではどう見せられるか」といったことを考えながら制作しました。
――武市監督のお気に入りのシーンを教えてください。
結衣と立石の関係性が最もよく表れているシーンですかね。結衣が一生懸命(企画して)作ったお菓子が売れなくて落ち込んでいるときに、立石が「そんなこと?」と言うんです。このシーンは部署が違うと、見える景色が違って、結衣は必死に頑張っているのに、周りからはその努力が見えないこともある。でも、立石は「みんな一生懸命やっているのはわかっているよ」と伝えてくれる。このシーンは、みんなに見てほしい!と思うシーンです。誰かの頑張りは必ず誰かが見ていてくれるということが、伝わるといいなと思っています。
――立石と結衣、それぞれのキャラクターの魅力は?
結衣は常にチャレンジ精神旺盛(おうせい)なところが魅力だと思います!落ち込むこともありますが、すぐに「じゃあ次はどうしよう」と前を向いて行動する姿勢がすごいなと思います。立石は面倒見が良くて、「しょうがないな」と言いながらも、結局はみんなを助けてくれる。周りをしっかり見ているお兄さんっぽいところが素敵です。あと、ちょっとロマンチックなところも魅力的ですね(笑)
――声優さんの起用について、どのように決められましたか?
声優さんの選考はオーディション形式で行いました。名前や顔を見ずに、純粋に声だけを聞いて選びました。「この声が立石っぽい」「この声が結衣っぽい」という感覚で選んでいきました。
――アフレコで印象的なことはありますか?
本編ではあまり聞こえないかもしれませんが、モブやガヤ(背景の声)を録るときでしたね。1話で映画館でのシーンがあるんですけど、そこをアドリブでみんながざわざわと演技をしてくれて(笑)ホラー映画のシーンだったんですが、声優さんたちが本当に楽しそうに演じてくれて、面白かったです!
――最後に、このアニメの見どころと、視聴者へのメッセージをお願いします。
具体的にどこのシーンというよりは、受け取ってもらった方の感想がすべてだと思っているので、視聴者の方々が「私はここが良かった」「僕はこう感じた」と、それぞれ気付いたことや感想を持ってもらえるとうれしいです。何かしら心に残るものがあれば良いなと思いながら作りました。日々生活する中でたまにフと思い出してちょっとうれしい、楽しい気持ちになってくれたらいいなと思います!
TVアニメ『この会社に好きな人がいます』
毎週月曜日23:00よりTOKYO MXほかにて放送中