舘ひろし「今も心に残っています」 今年7月閉館『丸の内TOEI』での思い出を語る

2025.1.16 18:00

劇場『丸の内TOEI』が、2025年7月に閉館することが発表され、映画界からは惜しむ声が届いた。

1960年9月20日に開業した『丸の内TOEI』。東映最後の直営館であるとともに、日本最後のロードサイドシアターとしても愛され続けた本劇場は、自社作品の興行やイベントにとどまらず、銀座地区、延いては映画業界全体の盛り上げにも寄与してきた。

■『丸の内TOEI』今年7月に閉館へ

東映株式会社本社の入る東映会館の再開発に伴い、今年7月に閉館することとなった『丸の内TOEI』。16日(木)に行われた「東映ラインナップ発表会」では、正式な閉館日(最終営業日)が【2025年7月27日(日)】と発表。
東映株式会社代表取締役社長・吉村文雄は「残念ながら最後の直営館である『丸の内TOEI』を閉館することとなりましたが、皆様の記憶に残るような賑やかな終幕を計画しております。是非足をお運びください」とコメントした。

■映画界からは閉館を惜しむ声も…

数々の東映作品にも深いかかわりを持つ俳優の北大路欣也、吉永小百合、舘ひろしからは閉館を惜しむコメントが到着。それぞれの『丸の内TOEI』への思いや東映作品への愛が語られた。

〈俳優・北大路欣也 コメント〉
1965年に映画「父子鷹」でデビューさせていただき、偉大な先人の方々の情熱溢れる仕事ぶりを目の当たりにし、身の引き締まる緊張感を覚えました。
今もその感動の日々を忘れることはできません。
あらゆるポジションの方々が、力を結集し全身全霊で築き上げられた東映本社ビルと劇場『丸の内TOEI』。
私も幾度か作品を通して劇場の舞台でファンの皆さまと交流をさせていただき、楽しい時間を共有できたことはうれしい思い出です。
皆様、本当に有り難うございました。多謝再見!

〈俳優・吉永小百合 コメント〉
初めて『丸の内TOEI』で舞台挨拶をさせていただいたのは、1980年1月15日。
一年間掛けての撮影で映画の本当の醍醐味を知り、役に成り切る高倉健さんのパワーに圧倒された「動乱」(映画)の初日でした。
それ以来、20本近くの作品の初日をこの劇場で迎えたのです。
公開中に、お客様の反応を知りたいと、そーっと後部の席に座ったこともありました。映画の本来の楽しさを知る、大切な大切な直営の劇場が無くなってしまう… 悲しいです。感謝の思いでいっぱいです。

〈俳優・舘ひろし コメント〉
私は、東映でデビューしたので、『丸の内TOEI』の上にある本社にはよくお邪魔し、私にとっては特別な場所です。
そして、映画「あぶない刑事」シリーズの初日舞台挨拶では、本当に多くのファンの皆さんが劇場の前に集まり、温かく迎えてくださったことが今も心に残っています。
歴史ある『丸の内TOEI』が惜しまれながら閉館してしまうことはとても残念です。
沢山の思い出と、感動をいただき、感謝しております。ありがとうございました。

■閉館ビジュアル公開

64年10か月という長い歴史のグランドフィナーレを彩る閉館プロジェクトのコンセプトは、劇場へかかわる全ての人への感謝と「映画館で映画を観る」ことの大切さを改めて訴求すること。

解禁された「丸の内TOEI 閉館ビジュアル」には“開業時”と“現在”の同館が向かい合わせでデザインされており、いつの時代も銀座の街に行き交う人々から愛される劇場であることが伝わってくる。そして爽やかな7月の青空に舞う紙吹雪は、惜しまれながらも“さよなら”と去りゆく潔さを表現している。

■『丸の内TOEI』の歴史

『丸の内TOEI』は、1960年9月20日に竣工した東映の現本社ビル『東映会館』に、『丸の内東映』と洋画封切館である『丸の内東映パラス』としてオープン。開館公演は二代目大川橋蔵主演の「海賊八幡船」(監督:沢島忠)。2004年には名称を『丸の内 TOEI』に統一、現行の2スクリーン体制で、銀座の顔として街並みに溶け込み、愛されてきた。

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