青山テルマ “彼を思って書いた曲” 燃え尽きから救ってくれた夫 曲に込めた想いとは
2025.1.6 11:15デビューから15年目の2022年、テルマは武道館に立った。「アーティストだったら、立ちたいって思う場所じゃないですか。けど私遅かったっていうか。言ったら15年かかってるわけだから、もう諦めてもいいと思ってたんだけど、そこをもう一回目指してみたっていうのもあるし」と、時間をかけても音楽活動を続け、夢がかなった瞬間だったそう。しかし大きな目標を達成したからか、反対に、自分でも戸惑うような喪失感がやってきたという。
「そこから2023年か。エンジンが止まったというか、燃え尽き症候群みたいな感じ?やる気が起こらなくなって・この先、どう頑張ればいいのかみたいな。精神的にちょっとこう…しんどかった時期に入って」と当時を想起する。
武道館の翌年の2023年は、本当はアルバムづくりに取り組む予定だったというが、「なんか自分から全然、音楽が生まれなくて。パッションだったりとか、楽しいとか、ドキドキ、ワクワクとか。今まで感じてた感情を、あまりうまくスイッチオンできなくて。起き上がれなくなっちゃって」といい、人生ではじめて、1か月の休みをとった。
ただ、休みを取ったはいいものの、時間がありすぎるがゆえに、自分と向き合いすぎてしまった。その年は、自分にとって憩いの場となっていた石垣島に行く気力すら、生まれなかったという。
しかし「天才じゃないから私は。才能があるかないかっていったら、別に普通っていうか。だからなんかこう、試行錯誤して生きていく人間なんだろうなって思ってる」と自身について語るテルマ。「あのフェーズがあったからこそ、自分のシンプルな欲がすごいクリアに見えたかも。だから“歌いたい”っていうか“音楽を作りたい”ってシンプルに思って」と力強く話しを続ける。
「もちろん音楽はずっとしてたいなって思うけど、色んな形もあるなとは思う。裏方に回りたい、いつかは。それはずっと思ってることだし、スタジオに居たりとか家で音楽を作ってる時の方が、なんかステージに出てる時よりも、なんとなく好きっていうか、心地いなって思う部分もある」と語る。
そんなふうに、今後の音楽との向き合い方が見えてくると、また少しずつ、自分の中から曲が生まれてくるようになった。そして最後の一押しとなったのが、パートナーの存在だった。
「めちゃくちゃ私が早起きした日があって、7~8時くらいに起きたのかな、私が。それで彼が全然起きて来なくて、その時に曲を書いて、それをスピーカーで爆音で流して起こそうって、謎に思ったの」と、その時のことを語り始めた―――。