青山テルマ “音楽の聴かれ方もすごい変わった” バズった音楽を聴く時代 思い悩んだ末にたどり着いた解決策とは
2025.1.6 09:45船のへりに座って竿(さお)を垂らし、スタッフと会話しながら待っていると、「…当たりがあった」と小声でスタッフに伝える。タイミングを見計らい、竿を立てる。「うおおおおおおお」とリールを回しながら、魚を少しずつ海面に浮上させる。
海面近くまで上がってきた魚影は白色。みごと釣り上げると、「シロダイやったー!」と大喜び。お目当ての獲物に、「サイコー!!!」「うれしー!!」と飛び跳ねてはしゃいだ。
釣った魚は、その場でいただく。乗船していた『ぷしぃぬま』のスタッフに魚をさばいてもらい、少ししょう油をつけ食べると「うまい…」と一言。「やっぱうまいもんは幸せになるな、マジで」「これを分かち合えるのが幸せ、みんなと。分かち合えるのが幸せじゃない」と満足げな笑みを浮かべ、石垣島の自然を全身で楽しんだ。
そんな自然豊かな石垣島は、テルマにとって気持ちをリセットさせてくれる場所だという。「うち奈良のド田舎出身なので」というテルマ。いまだに東京に慣れない瞬間があるといい、「数か月に一回はちょっと自然と触れ合うことをしないと、ちょっとしんどくなっちゃいますね」と続ける。その点で石垣島は完璧な環境。「なんでもあるんで石垣島。海もあるし山もあるし、食べ物もおいしいしっていう。全部そろってる島ですね」と話した。
テルマが初めて石垣島を訪れたのは2018年。そのころは、音楽との向き合い方を模索している最中であったという。「『そばにいるよ』が1フェーズ目、バラエティに出させていただいたときが2フェーズ目だとして、そこからまた一周して、“なんで音楽なのか”って考えるフェーズに入って」と当時を思い返す。
「音楽の聴かれ方もすごい変わってるし、全然違うじゃん、きっと。前までだったらやっぱCDだったし。それがストリーミングになったりとか、今は逆に1曲聴くより、サビだけ知ってる人が多くなったりとか。ってなると、“こういう曲作らないと”とか、“これがバズるのかも”とか」と、これからのことに考えを巡らせていたのだという。
そんなふうに頭がパンパンになるまで考え込んでいたとき、石垣島に来ると、無心になることができたそう。元気をなくした時など、事あるごとに訪れるようなり、「癒されて、すごいチャージされる感覚ですね、ここ来ると。何も考えないで楽しめる場所。なんかそれが一番の、色んなことに対しての解決策な気がする」と話す。
いつしか、考え込んでしまうタイプのテルマにとって、石垣島に訪れることはライフサイクルの一部に。そうやってバランスをとることで活動を続けてこられた。テルマにとって石垣島は欠かせない原動力になっていた。