200年の歴史を誇る酒蔵を峰竜太が訪問…35歳女性杜氏のもとで酒造りにチャレンジ
2024.12.27 11:35その一家に隠された人生模様に迫る『あぁ、日本の田舎御殿~家族がいたから今がある~』が2025年1月1日午後8時からBS日テレで放送される。海辺に広がる漁業で栄えた港町の“伊勢エビ御殿”、広大な田畑が広がる山あいの自然豊かな町の“ちゃんこ御殿”、美しい田園風景の中にたたずむ日本の酒造を守り続けた町の“日本酒御殿”に峰竜太と榊原郁恵がそれぞれ向かう。
日本には、農家さんや漁師さんがコツコツ働いて建てた家、家族の愛がたくさん詰まった『田舎御殿』
がある。海辺に広がる漁業で栄えた港町。広大な田畑が広がる農業が盛んな町。山間にひっそりたたずむ伝統を守り続ける町など。どんな家族が、どんな努力や困難を経て、田舎御殿を建てたのか?そこには、紆余曲折、感動の人生ドラマがあった。
■伊勢エビ御殿
峰竜太が訪れたのは、静岡県西伊豆町。そこで見つけたのは、“伊勢エビ御殿”。
75歳の現役漁師・岡部福治さんが伊豆の海を一望できる家を建てたいという思いで造った御殿。
龍が大好きな福治さんは、龍の置物や焼き物、絵画など家のいたるところに龍を飾っている。孫の名前
にまで『龍大』と名付けたほど。
その龍大くんはお爺ちゃんの後を継ぎ、父・宗由さんと共に、親子三代で、漁業とダイビング業を営んでいる。
この立派な伊勢エビ御殿を建てるのに、抱えた借金はなんと2億円!
家計を切り盛りしてきた奥さん。ダイビング業で新たなビジネスを開拓した宗由さん。コロナ禍で苦しい時も、お爺ちゃんの背中を追い続け、新米漁師として頑張ってきた龍大くん。
苦難を乗り越えてきたその裏には、親子の絆と孫への愛、親子三世代で歩んできた物語があった。
峰さんも伊勢エビを獲るため、漁に出発!
船の上では会話はなく、お爺ちゃんの背中を見てあ・うんの呼吸で船を操る龍大くん。揺れる船で作業するのは難しく、漁師歴60年のお爺ちゃんだからこそなせる技。さすがの峰さんも立っていられず、思わず座り込んでしまった。
漁を終え、港に帰ってきた峰さんたち。お母さんが獲れた魚などを使って絶品の手料理を振る舞ってくれた。
獲れたてホヤホヤの大きいオジサン(ウミヒゴイ)の天ぷらや、高級魚アカハタの煮付け、そして、伊勢エビをお刺身で。どれもお母さんの愛情たっぷり。豪華で美味しかった!
家族の歴史を刻む“伊勢エビ御殿”。そこには、親子三世代、荒波にも負けない家族の絆があった。
■ちゃんこ御殿
榊原郁恵が訪れたのは、埼玉県秩父郡。そこで見つけたのは、“ちゃんこ御殿”。
元幕内力士(四股名:剣武)の宮本一輝さんは、秩父で200年以上続く農業や養蚕業で栄えたお屋敷を改装し、1階は旅館として、2階は住居として住んでいた。
しかし、先代当主の父・武治さんが交通事故に遭い、急きょ宿を継ぐことに・・・車いす生活の父が住むには不便だろうと、バリアフリーの自宅兼社宅を新たに建てた。今は、親子三世代で暮らしており、先代はとても感謝していると言う。
力士から突然、旅館の当主になった一輝さん。そんな窮地から救ってくれたのは、“父の教え”だった。
“ストーリー”と“オリジナリティ”を大切に・・・
一輝さんは、秩父の農家屋敷を改装し、50年続く旅館を始めたというストーリー。
ご主人のオリジナリティ“相撲”を加え、『二百年の農家屋敷 宮本家』は人気の宿に成長した。
『プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選』を7年連続で受賞するほどになった。
宿の自慢は、もちろんちゃんこ鍋。その前に、郁恵さんと一緒に、これまた当主自慢である「秩父ふるさと村」でちゃんこの具材を収穫。畑仕事を10年やっていた郁恵さん、大きな大根や白菜が採れて大喜び。
地元の食材をふんだんに使った里山いろり料理。
名物のちゃんこ鍋は、鶏から旨味をとったお出汁をベースに、力士の形をしたかまぼこが!
郁恵さんが収穫した白菜や大根も入って、箸が止まりません。
この日は、新年に向けて行う餅つきがあるというので、郁恵さんも参加させてもらった。
力士がつくお餅は『力餅』と言って、縁起が良いんだとか。親族も集まって、皆で餅つき。
皆でついたお餅は・・・うーーーーん、最高!
大自然に囲まれた“ちゃんこ御殿”。素敵な家族の笑顔があった。
■日本酒御殿
峰竜太が訪れたのは、滋賀県東近江市。そこで見つけたのは、“日本酒御殿”。
2024年、ユネスコの無形文化遺産に登録されたばかりの日本の『伝統的酒造り』。
1820年創業の喜多酒造では、『喜楽長』という日本酒を代々製造している。喜楽長は、『全国新酒鑑評会』で通算23回金賞を受賞した銘酒。
そんな喜多酒造の九代目蔵元と杜氏を任されているのは、35歳の喜多麻優子さん。
子育てをしながら、老舗の蔵を継ぐ期待を背負い悩んだ日々。応援する父。そして、心の支えとなった師匠・・・日本の伝統をつなぐ、父と娘の物語。
中学生の頃から『喜多酒造』を継ごうと決めていた麻優子さん。大学を卒業後、食品メーカーに就職し、日本酒の勉強をしてから蔵に戻った。
幼い頃から近くで見ていたものの、初めて関わる酒造りに戸惑うばかり。蔵人たちと共同生活をし、4年ほど下積み生活を続けた。
麻優子さんには、目指している杜氏の姿がある。酒造りの伝統の技術を継承し、“天才”とも呼ばれた天保正一さん。天保さんに直接指導を受けることは叶わなかったものの、天保さんが残した記録を見て、名人の酒造りを勉強している。
父・良道さんは、女性が蔵に入る厳しさを知っていた。娘が酒造りで迷っている姿をただ見守るしかなかった。「これから蔵を仕切っていくからには、自分で答えを見つけてほしい」。
そんな時、麻優子さんに転機が訪れた。原点に立ち返り、思い出したのは幼い頃からよく耳にしていた天保さんの言葉。
我が子の如く酒を造るで“愛おし”。微生物や土地、お米、お水など日本酒造りに関わる全ての物に対して感謝の念を込めて“敬いし”。人が日本酒を造るのではない・・・
天保さんの言葉をそのままお酒の名前にした。味わいは、麻優子さんが信じる「喜楽長」の“たおやか”さ。この“愛おし”“敬いし”は、新しい喜楽長の味になった。
酒屋さんの息子・峰さんも日本酒造りをお手伝い。
10キロのお米をタライへ50往復。中腰でお米をかき混ぜるなど、酒造りは時間とスピードが勝負。重労働に峰さんもクタクタ。
年末は、仕事を終えた蔵人をねぎらう喜多さん一家。一番そばで見守ってくれているお父さんにも麻優子さんから一杯。
「えぇ、酒やな」。父の言葉が身に染みる。
家族がいたから、今がある。愛と歴史を刻む田舎御殿には、素敵な出会いがあった。
BS日テレ 2025年1月1日(水)20:00~21:54放送
『あぁ、日本の田舎御殿 ~家族がいたから今がある~』