さんま 芸能界のタブーを破った伝説の1日…キングオブアイドル田原俊彦とのリレー対決でさんまがとった行動とは
2024.12.5 09:15田原俊彦(演:鈴木伸之)
そして運命の1981年10月20日。100名を超えるタレントが、紅白に分かれて戦う超人気大型番組『オールスター紅白大運動会』。その目玉企画、“紅白対抗混合リレー”で、白組のアンカーになったさんま。紅組のアンカーはもちろん田原。紅組218点、白組237点という接戦で、ディレクター(担当ディレクター役:音尾琢真)が、「最高の展開だな。トシちゃんチームとの点差は19点。ラスト逃げでトシちゃんが勝って大逆転。さんまちゃん、わかってるよね?」と声をかけると、さんまは「え?」と反応。するとディレクターは「“え?”じゃなくてさ、コケてくれよ。ここでトシちゃんが勝てば、完璧な逆転勝ちで盛り上がるんだから、頼むよ」ときっぱり。
思い悩むさんまを横目に、リレーはスタートし、レース中盤、芸人たちの頑張りで白組がまさかのリード。“ここで俺がトシちゃんに抜かれたら、トシちゃんファンが喜ぶ最高の展開”という思いがよぎる中、ディレクターから再度、“コケて”の指示。そしてついにその時がやってきた。先行してバトンを受け取ったアンカーのさんまは、ゴール目掛けて全力疾走。コケることなくゴールテープを切った。
活躍を見せたさんまは“男子最優秀選手”に選ばれ、「とにかく色物が歌手をおさえるにはリレーしかないと思ったのでやりました」とコメントしたが、スタジオは最悪な雰囲気に。ディレクターが「さんまちゃん、なんてことしてくれたんだよ。誰も喜んでないのわかったでしょ。みんなが見たいのはトシちゃんが勝つとこなんだよ」と声を荒らげるが、さんまは言い返すことなく、“その日、芸人がアイドルに勝った”と満面の笑み。
さんまは、“この日を境にテレビの世界で何かが変わった”と回想。“その後も俺は必死で戦った。そしていつしか国民的スターと呼ばれるようにもなった。アイドルに勝ちたい。芸人の地位を上げたい。そんな思いでやってきたけど、今になって気づいた。俺はテレビの世界に新しい風を吹かせ続けるために、自分自身も笑いと戦ってきたんだ”と思いを明かした。