「音のない世界のスポーツ」を“視える”ように 日本デフ陸上競技選手権大会に実況可視化ツール「Pekoe」を導入

2024.11.22 10:00

第21回日本デフ陸上競技選手権大会で、リコーの聴覚障がい者向けコミュニケーションサービス「Pekoe(ペコ)」が、実況可視化ツールとして提供されることとなった。

「Pekoe(ペコ)」は2022年8月に、リコーが発売した聴覚障がい者向けコミュニケーションサービス。専用アプリをダウンロードし、記録開始を実行するだけで文字化することが可能。共有URLを発行すれば、複数人でPekoeを利用することができる。表示されたテキストに間違いがあっても、リアルタイムで修正が可能となっている。

「Pekoe(ペコ)」は発売以降、聞こえに課題を持つ人と、そのチームのコミュニケーションをサポートしてきた。これまで得られなかったリアルタイムの正確な情報、双方向コミュニケーションを活用して、聴覚障がい者が仕事の幅を広げている事例を数多く生み出してきた。

今回開催される日本デフ陸上競技協会が主催の「第21回日本デフ陸上競技選手権大会」では、実況可視化ツールとして活用される。日テレアックスオンの実施する場内実況配信と組み合わせ、陸上競技中の実況内容を、トラックに設置したリボンビジョンにリアルタイムに表示することで、「音のない世界のスポーツ競技」を多くの人に伝えることを実現する。

この「Pekoe」が実現する正確な音声文字起こしの機能を活用した“スポーツ実況の可視化”の取り組みはこれまでも行われてきた。2024年4月と5月には、「誰もが楽しめるラグビー観戦環境」への取り組みとして、リコーブラックラムズ東京の実況文字配信に「Pekoe」が活用された。

日テレアックスオンは2025年に開催される東京デフリンピックを見据えて、2023年からデフ陸上競技大会の中継業務を担当し、場内リボンビジョンに字幕を付与する取り組みを実施している。広く会場の人が文字情報を見ることができるよう、投影方法を工夫した中継を行う。

スポーツ実況の可視化に「Pekoe」が活用されることで、今後「音のない世界のスポーツ競技」がさらに多くの人を熱狂の渦に巻き込むことが期待される。

第21回日本デフ陸上競技選手権大会
日時:2024年11月30日(土)、12月1日(日) 開門:8:45~
会場:駒沢オリンピック公園総合運動場 陸上競技場

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