『オクトー 〜感情捜査官 心野朱梨〜Season2』事件の結末は犯罪心理学の“ラストストロー”がきっかけ!?【第7話】
2024.11.19 12:05◆設楽はどうしてあのタイミングで事件を起こしたのか?
一方、山神淳(安井順平)がインタビュアーの取材に答えている。山神はタイをはじめ東南アジアからの人材確保に注力していると話す。取材を終えた山神がスマホを見るとそこにはキッチンでお茶の準備をする紫織の姿が。すると風早から電話が入る。風早は二見が犯罪組織について話を聞いたことはないか、資金繰りのためにそういった組織を頼っていたような話はなかったか、山神に尋ねる。山神は、心当たりはないと答える。するととある部屋で話す紫織の姿が…紫織は誰かに向かって自分の家族について話しているようで…?引き続き朱梨と今西は設楽の取り調べを行う。
両親と会ったことを伝えると設楽は驚いた表情を見せる。また、アパートからでてきたメイクのデザイン案を広げると、設楽は「捨てろと言ったんですよ!」と声を荒げる。その目からは嫌悪の感情が見えていて…
設楽はどうしてあの日のあのタイミングで事件を起こしたのか?計画性も感じられないため何かきっかけがあり、それこそが設楽の嫌悪の正体ではないかと考える。美容専門学校の生徒が互いの作品を撮影している動画を見てまわり、その中に事件前の設楽と藤原が映っていないか調べる。するとある生徒が撮影した動画に、事件前の二人の姿が。室内には鏡と向き合いメイクをした設楽が映っていた。その動画を見て朱梨は真実に辿り着く。
◆事件の引きがねは…メイク姿!?
再び設楽の取り調べを行う朱梨と今西。朱梨は設楽のアパートから出てきたデザインに残る滲んだ痕を指し、 これは涙の痕ですよね?と問う。両親の反対を押し切って上京し、授業以外にも先生からの指導を受け、熱心に努力をしていた設楽。設楽はギリギリのところまで追いつめられてしまっていたのだった。周りに評価され、その才能を羨まれていたが、本当は自分に自信がなく、強いコンプレックスを隠しながら期待に応えようとしていた、人知れず悩み苦しんでいたところ、コンクールに向けてメイクをしていた姿を藤原に見られてしまったのだった。
一番見られたくない姿を見られたことで感情が爆発してしまった設楽。その行動は“ラストストロー”と呼ばれ、「積もりに積もったストレスが、些細なことが発端となって、一気に限界を爆発する。そして、精神的な落ち着きをしない、他者への攻撃として現れることがあるんです。犯罪心理学において、その爆発となるきっかけをラストストローといいます」と設楽をの目を見つめた。
設楽は「メイクが全てなのにできない自分が憎くて、周りはチヤホヤしてきて何も知らずにがんばれって言ってくる、そのたびに恥ずかしくて自分のことが嫌いになっていった」と気持ちを吐露する。藤原に見られた時は恥ずかしくて、笑われたような気がしてしまい、気が付いたら自分で自分が抑えられなくなっていた。設楽から見えていた“嫌悪”は誰かを嫌っていたのではなく、誰よりも自分自身のことを嫌っていた“自己嫌悪”だった。
取り調べを進める間も設楽からは嫌悪の感情が強くなっており、自分への嫌悪、藤原を傷つけてしまったことへの嫌悪、指導してくれた先生や心配する両親への嫌悪、様々な嫌悪を抱きながら、コンプレックスを認めたくない一心で本当の動機を隠していた。朱梨はそんな設楽に「感情を認め、向き合うことでしか前には進めない、自分の感情に正直になって、ないものとしないで。嫌悪や悲しみ、怒りの感情だってあなたを形作る大切な一部だ」と伝える。設楽の身柄を送致し、一件は落ち着いた。八係で話していると、滝沢がガサ入れの資料を持って慌てて入ってくる。
一ノ瀬の犯罪組織が紫織や二見以外にもマークしている人物がいたことがわかったという。マークしていた人物は精神科医が多く、その中に見覚えのある名前があり…。朱梨と滝沢はとある場所へ向かう。そこにいたのは紫織の元主治医・甲本祐希(臼田あさ美)で…!?