政治とは関係なく…戦う敵は“名前も顔もない相手” 1986年の大ヒット作『トップガン』でトム・クルーズが主張したこととは
2024.11.8 10:00日本テレビ系金曜ロードショーと、entaxがコラボレーション。金曜ロードショーのここでしか聞けない“とっておき情報”を紹介する。
11月8日は、1986年に公開されたトム・クルーズ主演の大ヒット作『トップガン』が登場。
その年の洋画No.1を記録した本作は、挿入歌「愛は吐息のように」がアカデミー賞の歌曲賞を受賞、さらに主題歌「デンジャー・ゾーン」を含むサウンドトラックは全米1位を獲得する大ヒットに。またアメリカのパイロットが着用するフライトジャケットMA-1が若者たちの間でも大流行するなど、映画と音楽、それにファッションが相乗効果を生み、社会現象を起こした作品となった。
“トップガン”とは、アメリカ海軍の戦闘機パイロットに空中戦の技術や戦法、戦術、兵器の効果的な用法を指導するために作られた、「海軍戦闘機兵器学校」の通称。
1983年5月に「カリフォルニア・マガジン」がこの学校とパイロットたちに関する記事を掲載し、大きな反響を呼んだ。
表面的なことだけでなく、パイロットたちの生身の姿を紹介したこの記事に興味を持ったのが、ドン・シンプソンとジェリー・ブラッカイマーのプロデューサーコンビ。
さっそくパラマウント映画に映画化の話を持ち込み、即座に映画化が決定したという。
本作についてプロデューサーたちが断固主張しているのは、「この映画が政治とは一切関わりがない」ということ。
例えばマーヴェリックが空中戦で自分の中の魔物を征服する場面で、敵となっているのは名もなく顔もない相手だ。
「すべて隠喩だ。黒く塗られた機体は、ダースベーダーのようなものだよ」と同様の主張をするトム・クルーズ。「この映画は戦争フィーバーには関係ない。僕はプロパガンダ映画には興味ないよ」と公開当時に語っている。
翌週の11月15日には、2022年に世界的社会現象を起こした続編『トップガン マーヴェリック』が地上波初放送。
本作には、『トップガン マーヴェリック』のストーリーにつながる数々のエピソードが詰まっているため、2週連続での視聴をぜひおすすめしたい。
【ストーリー】
アメリカ海軍の“トップオブトップ”のパイロットを養成する「トップガン」に、高度な飛行技術を持つパイロットのマーヴェリック(トム・クルーズ)と、彼の相棒のレーダー操作士官のグース(アンソニー・エドワーズ)が入学してきた。彼らを指導するのは、世界最高のパイロットと言われるマドカフ中佐(トム・スケリット)。2人は、同僚でライバルのアイスマン(ヴァル・キルマー)やスライダー(リック・ロソヴィッチ)たちと共に、厳しい飛行訓練と飛行機や戦略に関する講義に挑むことに。ある夜、マーヴェリックは士官クラブで1人の女性に出会う。名前も言わず去っていった彼女は翌日、航空物理学の教官・チャーリー(ケリー・マクギリス)としてマーヴェリックの前に現れる。生徒と教官の恋は禁物だとわかっていながらも、チャーリーはマーヴェリックに惹(ひ)かれていく。
遂に、マーヴェリックたちの実践訓練がスタート。敵機との超接近飛行を体験したマーヴェリックは、自信満々で操縦席に乗り込む。しかしルールを度外視した彼の操縦に、マドカフ中佐は危うさを感じる。そして5週間に及ぶ「トップガン」の訓練が折り返し地点を迎えた時、アイスマンの機体のジェット後流に巻き込まれたマーヴェリックたちの機体が急降下し、緊急脱出装置を使ったマーヴェリックとグースが海に投げ出されグースが命を落としてしまう…。
『トップガン』(1986米)
監督:トニー・スコット
脚本:ジム・キャッシュ、ジャック・エップス・ジュニア
製作:ドン・シンプソン、ジェリー・ブラッカイマー
製作総指揮:ビル・バダラート
音楽:ハロルド・フォルターメイヤー
出演()内は日本語吹替
マーヴェリック:トム・クルーズ(森川智之)
チャーリー:ケリー・マクギリス(安藤麻吹)
アイスマン:ヴァル・キルマー(東地宏樹)
キャロル:メグ・ライアン(斎藤恵理)
グース:アンソニー・エドワーズ(平田広明)
ヴァイパー:トム・スケリット(小川真司/佐々木睦)
ジェスター:マイケル・アイアンサイド(土師孝也)
クーガー:ジョン・ストックウェル(加瀬康之)
ウルフマン:バリー・タブ(荻野晴朗)
スライダー:リック・ロソヴィッチ(山野井仁)
マーリン:ティム・ロビンス(斉藤瑞樹/羽鳥佑)
ハリウッド:ウィップ・ヒューブリー(坂詰貴之)