奥平大兼、不安だった役作りを明かす「鳥肌が止まらなかったです」 映画『Cloud クラウド』トークイベントに登壇

2024.10.22 18:25

また劇中の松重豊と奥平の共演シーンに関しても、先述の菅⽥とのシーンと同様に⿊沢監督から奥平に「松重豊と対等の存在感を出すように」という“圧”(!)が掛けられたというエピソードも。奥平は「どうしたら松重さんの貫禄に抗えるんだろう︖ とすごく考えましたが、リラックスして『3⽇に⼀度くらい、こういうことってあるよな』という感覚でなんとか乗りきました」と独特の対処法を明かした。

銃撃シーンも⾮常に印象的な本作。⿊沢監督は、あえて銃撃戦を「カッコよく描かないよう」に腐⼼しており、奥平も「カッコつけないでください」と⾔われたという。その⼀⽅で、佐野はノールックで相⼿を撃つなど、銃の扱いにも慣れた様⼦を⾒せなくてはならなかったと苦労を語り、「スマートに銃が扱えるようにということで、とりあえず⼿に慣れたほうがいいなと思い、家の中でずっと持っていました。

本当は、外でも隠して持っていたかったんですけど、さすがにそれは良くないなと(笑)」「家の中だけでずっと持っていて、おかげで、⽚⼿でいろんな動きができるようになりました。ライフルも弾を押し出す動作があって、それはかなり練習して⾃信もありましたし⿊沢監督からも『うまくできていましたよ』と⾔ってもらいました」と笑顔で報告した。

銃の扱いや描き⽅に関して、こだわりが強いことで知られる⿊沢監督。奥平はそんな⿊沢監督の気質や好みをよく知る現場の制作スタッフから「現場でコソコソっと『ちょっと(銃を)斜めに持ったら、⿊沢監督が喜ぶと思うよ』と教えていただきました。完成した映像を⾒て、何気ないけれど良く映っていることが確認できてうれしかったです」と満⾜そうに語る場⾯も。

ちなみに、佐野のセリフやシーンを尋ねられた奥平は、クライマックスシーンでの佐野の「吉井さん、凄いですね︕」を挙げ「佐野史上⼀番うれしかったんじゃないかってくらい、うれしそうに演じました」と語り、その後、佐野や吉井が繰り広げる会話についても「こういった極限状況では、⼈間ってこうなるのかもしれないと考えさせられました」と語った。

そしてトークイベントの最後に奥平は「僕自身、佐野のバックグランドについて知らないまま演じましたが、映画的な役割や⽬の前の⽬的にフォーカスをあてることで、役ってこんなに⾯⽩くなるんだと教えてもらったのがこの映画でした。佐野以外にも、荒川良々さんが演じた役とか、めちゃくちゃ⾯⽩かったし、細部まで魅⼒的で、⾯⽩さを⾒出せるところがたくさんある映画だと思います。何年か後、10年後でもいいですし、2回、3回、4回と何回も⾒ていただけるとうれしいです」と本作への思いを熱く語り、会場は温かい拍⼿に包まれた。

映画『Cloud クラウド』
TOHO シネマズ日比谷ほか全国公開中
配給:東京テアトル ⽇活


©2024 「Cloud」 製作委員会

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