河合優実 「自分はどこに向かっているのか」ニューヨークで感じた、本当の孤独 演技に対する考えを変えた、重要な気づきとは

2024.10.13 18:00

レッスンをこなし、ときには監督や共演者と話す中で、しかし河合は、自身が何をしているのか、次第に分からなくなっていった。「すごい負荷もかかってたし、自分が今どこに向かってるのか、ちょっと分からなくなってるみたいな」と、当時の葛藤を赤裸々に語り始める。「異国の地で慣れないことやっているという負荷と、ニューヨークで演技のレッスンを数回受けても、これを次、アレックス(氏)と映画を作る、スペインで撮影するときに、何を活かせるんだろうみたいなことを思ったときも、もちろんあったし、もやもやしたり、行き詰ってる感覚は、すごくありました」。芸能の世界に飛び込んで、すでに数年が経過していた当時。芝居への向き合い方や取り組み方が、自分なりに固まりつつあり、だからこそ戸惑いも大きかったのだという。「これって何の期間なんだろう」そんな問いが、頭の中で反芻(はんすう)していた。

河合優実

閉塞感を打ち破りたい、その一心で、レッスン以外の時間は人と会うようにしていたという河合。友人とともにさまざまな場所をめぐり、また友達伝いで、色々な人たちと出会えた。ニューヨークで出会ったのは、他人の評価に左右されることなく、表現し続ける人々。実際に渡米したからこそ、ニューヨーカーのリアルを知ることができた。そして彼ら彼女らのパッションに触れるうち、「異国の地」だと思っていた街に、いつしか自分もなじんでいくのを感じたという。

すると、レッスンにも変化が生じた。3週間あった滞在期間の、3分の2程度が過ぎたころ。「何かが上手くいったていうか、あるレッスンのタイミングですごい前に進んだ感覚がありました」「言葉にするのは難しいんですけど、それはニューヨークの生活とも重なってた気がして」と話す。そしてこの変化こそ、まさにアレックス監督が河合に期待していたものだった。

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