オリヴィア・ロドリゴ ファン待望の東京公演で全23曲を熱唱! オフィシャルレポート

2024.9.30 19:15

『making the bed』は、ベッドを整えるという日常の行為に【いまの状況になったのはほかでもない、自分が望んだから】とスターダムにいる悩みを重ね合わせて秀逸。この曲をベッドに見立てた台に寝そべったまま歌い上げて、身体能力の高さを示す。

オリヴィア・ロドリゴ

ステージから姿を消したと思ったら、アリーナ後方に現れ三日月のセットに向かう。彼女が座ると月がせりあがり、360度回転しながらそのまま『logical』と『enough for you』を歌った。多くのファンが彼女を間近に見られる気の利いた演出。月に座った姿が絵になり、2.5次元の世界に入り込めそうなのも強みだ。ステージに戻り、アコースティック・ギターを鳴らすギタリストの隣に座り、『happier』などを繊細に歌い上げたのもよかった。ドリーミーなセクションからさらにしっとり歌い上げるセクションをつなげる構成で、観客は前のめりで彼女の歌声に耳を傾ける。

オリヴィア・ロドリゴ

衣装チェンジは4回。基本、ビキニトップとショートパンツの色を変えるだけなのだが、気分が変化を伝えるには十分。最後は真っ赤なレオタードに着替え、炎を映し出すバックドロップの前にギターを抱えたオリヴィアが仁王立ち。ふたりのギタリストと一斉にギターをかき鳴らす様子は完全にロックコンサートだ。『obsessed』で四つん這いになったあたりは官能的で、”かわいい人”からすぐに内面を含めて”美しい人”になってしまうんだろうな、と思った。その意味でも、初来日公演をキャッチできたファンは、オリヴィアの貴重な姿を目撃したことになる。クライマックスの『all-american bitch』の凛々しさは戦隊ヒーロー並み。曲間で「嫌なこと、嫌な人を思い出して、思いっきり叫んで見て!」と煽り、会場中が大絶叫になったのも楽しかった。アンコールでは白いタンクトップとジーンズのショートパンツで登場し『good 4 u』、『get him back!』を歌い切った。演技に裏打ちされた表現力と本物のミュージシャンシップが出会ったとき、何が起こるのかを体現しているのがオリヴィア・ロドリゴであり、少し空恐ろしい才能だと思いながら会場を後にした。

オリヴィア・ロドリゴ

《東京公演セットリスト》
1.bad idea right?
2.ballad of a homeschooled girl
3.vampire
4.traitor
5.drivers license
6.teenage dream
7.pretty isn’t pretty
8.love is embarrassing
9.making the bed
10.logical
11.enough for you
12.lacy
13.so american
14.jealousy, jealousy
15.happier
16.favorite crime
17.deja vu
18.the grudge
19.brutal
20.obsessed
21.all-american bitch

22.good 4 u
23.get him back!

日本公式サイトはこちらから

文:池城美菜
photo by Jesse DeFlorio

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