被害額は98万円…銀行の口座情報がホテルで抜き取られていた?　犯人のまさかの手口とは

巡査たちがやってきたのはホテルのフロント。「見せていただきたいものが…」とお願いしてホテルのパソコンを使わせてもらうと、顧客情報を出しただけで動作が重くなるという不自然な状態に。「やっぱりこのパソコン、犯人に乗っ取られてます！」と判断した岡部は、送受信したメールの内容も確認させてもらうことに。

「普通の予約客とのやり取りで、特に不審な点は…」と支配人は言うが、チェックしてみるとメール画面に怪しげな形跡が残されていた。金額を提示する画面で、本来なら『税込』と書かれているはずが『“稅”込』と、普通使われることのない「税」の字が使われていたのだ。その他にも予約の『約』の字が糸へんの下の部分が3つの点になっていたりするなど、怪しい部分がいくつか見つかった。実はこのメール、ホテルから送られたものではなく、外国人犯罪グループがホテルのPCを乗っ取って被害者に送ったメールだったのだ。メールには宿泊費の決済を促す怪しげなURLも書かれていた。ここにカード番号などを書かせることによって情報を抜き取っていたのだ。

「待ってください。うちのパソコンを乗っ取るってどうやって？」と首をかしげる支配人。ホテルのパソコンをリモート操作しながら怪しい部分を探っていた濱田警部は「それはおそらく…ありました！」と1通のメールを開いた。“アレルギーに関して”という件名のメールで、宿泊予約した客を装って、自分にアレルギーがあることを説明する文書が添付されていた。実はこの添付ファイルにウイルスが仕込まれており、ホテルのスタッフがアレルギーを確認するために添付ファイルを開いた瞬間にホテル中のパソコンがウイルスに感染してしまっていたのだ。これによりホテルのパソコンを手中に収めた犯人たちは、利用者のカード情報を次々と盗み出し、不正利用を行っていたのだ。

予防策としてはむやみにカード情報を打ち込まないことや、不審に思ったらホテルに電話で相談すること、またホテル側も不審なファイルを無警戒に開封したりしないことが必要となる。便利なシステムであっても、できる限り警戒しなくてはならないのだ。

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写真提供：（C）日テレ