年間5,500億円 国内最大手の製紙メーカー「王子HD」が社有林の経済価値を発表

2024.9.13 19:15

今回の取り組みは、地球温暖化対策などの進展により、森林や土壌などの自然資本を会計基準におりこんでいく“自然資本会計”を検討する国際的な流れを受けての一面もある一方で、磯野裕之社長は「これまでもこれからも自然を大切にするネイチャーポジティブな会社で、森林資源に根付いた事業運営をしてきたことを改めて強調したい」とコメント。その上で、今回の試算結果をもとに企業価値の向上につなげる狙いもあるという。

また、磯野社長は同社が海外に保有する44.7万ヘクタールの森林についても、同様に経済価値を数値化する方針であると宣言。「森林の持っている機能や経済価値はしっかりと示していきたい」としつつ、今後の指標については「来年度に新しい中期経営計画を発表するので、そのなかで指標を見える化したい」とも語った。

王子ホールディングス・磯野裕之社長
会見で語る磯野裕之社長

製紙業が伝統的な事業モデルだった同社だが、ペーパーレスが進む昨今の状況を踏まえ、紙の原料となるパルプから医薬品やエタノール、バイオプラ・フィルムなどの新素材開発にも注力していくことで価値の最大化をはかり、自然資本会計の時代に向けた取り組みを率先していくことも伝えられた。

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