お笑い芸人・永野 「テレビは猿の集まり」ラッセン時代の扱いにトラウマが深いが、未練でテレビ出演?

2024.8.9 17:00

経済学者・成田悠輔が“日本の未来を作る変革者”と対談する番組『夜明け前のPLAYERS』。「人の悪口が大好きです」とのっけから言い放った成田が、「ゲスと言えばこの人しかいないのではないか」と呼び込んだ対談相手は、お笑い芸人の永野。現在“令和の配信王”として再ブレイク中だ。この異業種毒舌コラボに視聴者からは「ハッキリと嫌味のない悪口は気持ちがいい」「マジで待ってた。この組み合わせ」と絶賛の声が上がった。

席に着く間もなく永野は、渡された台本が白紙だったことに「クリエイター気取りなことされまして。これ、恥ずかしくないのかな。若いんですか?ディレクター。やめてくださいね、こういうノリ」とスタッフに毒舌を連発した。

成田も「アートですよね。こういうの14歳くらいでやるパターン」と永野の白紙台本いじりにのっかる。「あらゆる放送禁止用語が白塗りになっているんです」と粋な解釈をしつつトークを始めた。

衣装代1,300円 「見る人を情緒不安定にさせるらしいです」

成田から永野へ、最初の質問は「そのシャツ、何なんですか」。永野の青シャツと赤ズボンの組み合わせが成田のツボにはまったようだ。「青いの(シャツ)が300円くらい。赤いの(ズボン)も安くなって1,000円くらいで売ってたんですよ」と永野。“ラッセンが好き”でブレイクをする前、H&Mのワゴンセールで見つけ、ひょうきん者役のコントで使えるかなとノリで買ったのだとか。

この衣装が公に初めてさらされたのは2014年頃の北海道。「後輩が番組をやっていて呼ばれたんです。嫌じゃないですか、後輩の番組にバーターで北海道に行くなんて。情けなくて」。だから、いつもの衣装を止め、ひょうきん者風にその服を着て行ったところマネジャーに「その服の方が似合っているよ。そっちでいけばいいじゃん」と言われたのが始まりだという。

現在着ているものは事務所の社長が買ってくれたもの。「元のバージョンは脇汗がにじむので、それじゃいけないって5枚くらい買ってくれたのを着ています」と永野。ズボンは似た色のものを自分で買うのだとか。約10年間「言われるまで気づかないほど、ずっと着ています」と永野が話すと、「衣装代1,300円、その取り合わせで…」と笑いをこらえ切れない成田は「絶妙に似合っていらっしゃる」と微妙な笑顔で永野をほめた。

「ありがとうございます」と素直に言葉を受け取った永野だが、「これ(青)って人を落ち着かせるらしいんですってね。で、赤は興奮させる。だから、僕を見てると情緒がおかしくなるらしいんです。良くないらしいですよ、人間の心理的に」と返し、スタジオ中を笑わせた。

『夜明け前のPLAYERS』で対談する成田悠輔と永野

テレビディレクターへの愛憎「リトマス試験紙みたいな経験をしたんです」

永野は今「すべての仕事が楽しいわけじゃない」と話す。昨今YouTubeで永野の毒舌が脚光を浴び、テレビでも再びブレイクしているが、だからといって冠番組を持ちたいなど夢があるわけではないと言う。その背景にはテレビ業界へのトラウマがあるようだ。

「テレビとかって何やってもディレクターさん次第じゃないですか」と永野。最初のブレイクをした2016年当時、もともと得意だった毒舌ネタを披露しても編集で切られ、ギャグで奇声を上げたところだけを使われる。また、すべる役割にあてられるといった経験をして「本当の自分を出してもダメなんだな」と感じたのだとか。

ブレイクから人気が右肩下がりになってしまった現状に「だから、今呼んでもらえるのはうれしいですけど、負った傷は消えないというか。だからテレビをもう信じることはないだろうなって」としんみりと吐露するのだが、なぜか成田は大笑いだ。「そんなに恨みがあるんですか。ディレクターさんに対する愛憎がすごいですね」

永野も苦笑い。「愛憎がすごくて」と繰り返し、「人をジャッジするような、リトマス試験紙みたいな経験をしたんですよ」と振り返る。だから今、当時「テレビとかしか知らなかった人に、これからは配信だって顔されても、ちょっと話が違うっていうか」と、テレビが好きだったからこその反発心を語った。

『夜明け前のPLAYERS』で成田悠輔と対談する永野

「テレビに出るのはデメリットしかない」「ヤバイ人しか入っていない」成田の毒舌も絶好調

永野は、本業ではないのにさまざまな番組に出演している成田に「テレビとかに夢とかあるんですか?もっとデカい存在になりたいとか」投げかけた。

「まったく(ない)。テレビでデカい存在になっても、いいことはあまりないですからね」と成田。「テレビが良かった時代は、日本中が知っている人になれるとか、金回りが良くなるとかうまみがあったんでしょうが、今は基本的にデメリットしかない」と言う。

現在のテレビはゴールデン番組でも視聴率が厳しく、人気のあるYouTube番組と同程度しか見られていないと言う成田。「だからそんなにお金になるわけでもないのに、その割にテレビとかに出ていると標的になりやすくなる」とテレビ出演のデメリットと並べ、だから「テレビの世界で成り上がろうって頑張っている人って、脳の報酬系が壊れちゃっているんじゃないかって気がして。(今のテレビには)ヤバイ人しか入っていかなくなっているんじゃないか」と話した。

「ヤバイってどんなヤバさですか?」と永野の問いに成田は「テレビとかが無条件に偉くて、その空間にいると人生楽しくて仕方ないって感じられる人たち。“テレビに映っている自分”というだけでアイデンティティが保ててしまう中毒患者みたいな人たち」と答えると、永野は「すごいこと言いますね」と爆笑しつつ「(そういう人)しかいないですよね。テレビって」と同調した。

さらに「モデルとかお笑い芸人とかで“生きてるのが楽しい!”みたいな人がバラエティーとかで、すらすらしゃべるじゃないですか」と指摘。永野は、そういった人たちの“生きてるのが楽しい!”という風情がさらに良い効果を生んで、毎日のようにテレビに出ていると分析。彼らはテレビに出ていることについてあまり考えていないからだと、テレビでの役回りを暗く考えてしまう自身と比べ「テレビって、ああいう人のものなのかな」としんみりするも、「それってつまり、猿ですよね」と勢いづいた。

「俺、テレビって猿の集まりだと思うんですよ。ディレクターが曲芸師。われわれ人は、“やれ” って言われたことに“何で?”って疑問を持つじゃないですか。でも猿は(言われたとおりに)やっているだけって思うんですよ」と永野。テレビは“猿の惑星”だと言い、それゆえに若手芸人でテレビに出ないと判断をする人がでてきているのだと言う。

「でもやっぱり自分は、惑星(テレビ)が人だった時代を知っているんで」と永野。「未練かもしれない。俺、未練でテレビに出ているのかもしれない」と開き直るのだが、話を聞いている最中、成田は大笑いし通しだった。

『夜明け前のPLAYERS』で対談する成田悠輔と永野

本対談は『夜明け前のPLAYERS』公式HPでノーカット版が、公式YouTubeでディレクターズカット版が配信されている。

「夜明け前のPLAYERS」
公式HP:PLAY VIDEO STORES
公式YouTubeはこちら

写真提供:(C)日テレ

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