アテネ五輪体操団体金メダル獲得の裏に隠されていた、日本チームの対策とエース・冨田洋之の“機転”とは

2024.7.26 09:45
五輪を見続けてきた明石家さんまが審査委員長をつとめ、櫻井翔、上田晋也、入江陵介、木村沙織、小杉竜一、近藤春菜、土屋太鳳、松本薫、ゆうちゃみが出演。

アテネオリンピック体操男子日本代表チームの米田功と冨田洋之が7月22日放送の『新事実!オリンピック名場面 最強金メダルアワード』にVTR出演。日本中を熱狂させた金メダル獲得の裏側を語った。

日本中を熱狂させたこれまでのオリンピックの名場面を、アスリート本人が語る新事実とともに振り返るこの番組。「伸身の新月面が描く放物線は、栄光への架け橋だ!」という実況とともに日本中を沸かせた、アテネオリンピック体操男子団体で金メダルを獲得した、日本代表チームのキャプテン米田功とエースの冨田洋之が取材に応じてくれた。

6種目の合計得点で競う団体競技、4種目が終わったところでルーマニア・日本・アメリカの上位3チームが1ポイント差以内の大混戦。しかし、5種目目の平行棒でルーマニアにミスが起こり、日本が優位に立つことに。実はそこにはアテネオリンピックで採用された“ノーアップ(事前練習なし)”というルールが大きく影響していた。通常のオリンピックのルールでは、演技直前に30秒間器具を使って最終調整を行なえるのだが、アテネオリンピックでは時間短縮のために、選手たちは演技前のアップなしで即演技に入っていたのだ。その結果、調整が上手くいかなったルーマニアにミスが出てしまった。しかし日本チームは、ノーアップ対策のために本番で使用される器具を事前に用意し、日頃からそれを使って本番想定の練習をしていたのだ。米田も「本番の器具で練習をできたのはすごく大きい」と語っており、この国を挙げた緻密な戦略よって、ミスが起こらなかったとも言える。

そして最後の種目・鉄棒について、米田が新事実を明かしてくれた。「(公式の)練習で演技をするときに、鉄棒だけが気になっていて。ピカピカで滑ってしまう。(だから)紙やすりで磨こうとしていたんですよね。スタッフに止められてしまって“それは磨いちゃダメだ”って」と語る米田。通常の大会では、鉄棒を滑りにくくするため、紙やすりで磨いて細かい傷をつけ、滑り止めの炭酸マグネシウムをつきやすくできるのだが、アテネオリンピックではそれが許されなかったのだ。このルールもあってか、1位のルーマニアの選手が鉄棒をつかめず落下、3位のアメリカの選手が鉄棒をつかみ直して減点されるという波乱の展開に。

一方日本は、対策として滑り止めの炭酸マグネシウムと水を混ぜ合わせるベストに近い配分を見出していたので、他の2チームよりは若干優位に立てていた。しかし、さらにアクシデントが続く。トップバッターの米田が演技をしていると、鉄棒から「キュッキュッ」という普通では聞こえない音が。実は、演技中に手に着ける装具と鉄棒との間に炭酸マグネシウムがないため、鉄棒と装具がこすれて音が出てしまっていたのだ。これはすなわち“音が出る場所には炭酸マグネシウムがない”、最悪の場合、滑って飛んでいってしまう可能性まである危険な状況だった。米田は「できればタンマ(炭酸マグネシウム)がついているところでやりたい」と考え「場所を選びながら演技をしていた」という。実際の映像でもベストなポジションを探りながら微妙に手の位置をずらしており、離れ技も見事に成功させていた。
そしてその様子を見ていたのがエースにしてアンカーの冨田。彼は米田の演技で音が鳴っていたことに気づき、「プロテクターに炭酸マグネシウムを少し多めにぬって」演技をしていたのだという。この作戦が功を奏し、冨田の演技では「キュッキュッ」という音は全くしない、すなわち滑り止めもベストな状況になっており、離れ技も見事に成功。そしてあの金メダルのシーンへとつながったのだった。

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