アニメ『ばいばい、アース』“映像化不可能”と言われた傑作小説がついにスタート SNS「こんな雰囲気になるんだ!すごい!」

2024.7.17 17:30

TVアニメ『ばいばい、アース』の第一楽章『出立。赤い時刻にて』が7月12日(金)に放送された。原作は“映像化不可能”と言われた傑作小説で、獣⼈だらけの世界で唯⼀の⼈間であるベルが数々の困難に⽴ち向かい、⾃らの存在意義を⾒つけ出す姿を描いた壮⼤な物語。アニメでは、ファイルーズあい、内⼭昂輝、諏訪部順一、花江夏樹など豪華声優陣が盛り上げる。

(以下、アニメ最新話までのネタバレを含みます)

◆のっぺらぼう

さまざまな動物の姿をまとう獣⼈が住まう世界。チェイサー湖には“ネグローニ”という八つ手の巨大な怪物が迷い込んでいた。それを退治するためにやってきたのは、ラブラック=ベル(CV:ファイルーズあい)。ベルは獣⼈の世界で唯一の人間。牙も毛皮も鱗もない姿は周囲から奇異の目で見られ、“のっぺらぼう”と呼ばれ蔑(さげす)まれていた。

獣⼈が住まう世界で“人間”の姿のベルは蔑まれていた

ベルは“相棒”と呼ぶ、身の丈ほどある大剣“ルンディング(唸(うな)る剣)”を振りかざし、巨大なネグローニの八つの手を切り刻んでいく。なぜか海から湖へ迷い込んだ“ネグローニ”は命が尽きる間際に「帰りたい」とベルに語りかけるが、ベルは「ごめんな」と謝りながらとどめを刺すのだった。

大剣ルンディングで“ネグローニ”と戦うベル

◆郷愁

家に戻ると、ベルの師匠である月瞳族(キャッツアイズ)のラブラック=シアン(CV:諏訪部順一)が待っていた。ベルは戦利品として持ち帰ったネグローニの肉を食べながらシアンに「このネグローニはどうして海を離れたんだろう?」と問いかけた。「こいつは、ハナの使命を全うしようとしたんだ。種をまく者としての使命をな。ハナだけではない。この世界の全てのものは、互いに交じり合おうとするのさ」とシアンは答えた。

チェイサー湖からの帰路、ベルはネグローニの種を切なそうに見つめる

ベルは、街の人々が自分のことを怖がっていたため、シアンが行けばもっとうまくやれたと言うが、シアンは“教示者(エノーラ)”として、教えることしかしない。凄腕の剣士でありながら、“旅の呪い”により、自分の剣を“教示する”目的以外で使うことができないため、他人に剣技を指南することに徹しているのだ。「ここもまた居づらくなるよ。きっと」というベルの言葉に、国内でベルの行ったことのない土地に旅立とうかと提案するシアン。「そこに行けば、私と同じ種族はいるかな?」とベルは期待するが、シアンは「ベルと同じ種族は見たことがない」と言い切った。「一体どこへ行けば、私は私の種族に会えるんだろう?私だって世界に交わりたいのに…。苦しいよ。このままじゃ」。そんなベルの切ない言葉に、シアンは何かを教えるように話しかけた。「お前の中にあるそれを俺なら“郷愁(きょうしゅう)”と呼ぶね」。

ベルの師匠、ラブラック=シアン

「故郷を思うこと、理想郷への憧れ、あるいは今いる自分も場所も愛せない心の痛み、といったところか」。故郷のないベルは、その“郷愁”をどうすればいいのか教えてほしいと願うと、シアンは「国を出て世界で旅すれば、お前はお前の本当の世界を手に入れられるかもしれない」と、パーク(都市)で“ノマド(旅の者)”になるための試練を受けるようベルに伝え、ほほえむのだった。「お前ならば必ずなれるさ。何せこの俺の愛弟子(まなでし)なのだからな」。

ルンディングを持ち去るベル

ベルは幼い頃のことを思い出した。生まれた時から、種族的な特徴を何⼀つ持たないベルは奇異な⽬で⾒られていた。そんな時、迷い込んだ城の中で鎖につながれた大きな剣“ルンディング”を見つけた。「見つけた。友達」。そう確信したベルは、剣を持って走り去ると追手に捕まりそうになる。すると剣から「デュルヒ・ブレッヘェン-世界を穿孔(せんこう)せよ―」という声が聞こえ、光が放たれる。ベルは追手を振り払い逃げようとするが、『剣の国(シュベルトラント)』の四大剣士の一人、シャンディ=ガフ(CV:⽇野聡)に捕まってしまった。それが、相棒である“ルンディング”との出会いだった。そして捕まったベルの元にシアンがやって来て、「お前の両親は迎えに来ない。なぜならこれからは俺がお前の親になるからだ。俺について来い。その剣の使い方を教えてやる」と言われ、ベルはシアンの元で暮らすことになったのだった。

ベルを捕らえたシャンディ=ガフ

◆シアンとの記憶

ノマドになる試練を受け、自分のルーツを探すために旅立つことを決意したベル。シアンに伝えると、「俺とお前の剣を持ってこい」そう言って、シアンは師としての最後の試練として、⾃分と戦うことを命じた。互いの血を交わすと、「私は、私のルーツを知りたい!私と同じ種族に出会いたい!私も、私もこの世界に交じり合いたいんだ!」。ベルがそう叫ぶと、シアンと合わせていた手がはじけ、シアンの顔がぼやけ始めた。徐々にベルからシアンの記憶が消えていく…。戸惑うベルにシアンは「卒業する者に師匠との記憶は必要ない。ただその教えが生きてさえいればいい」と伝えた。消えてしまうことは、教示としての宿命だという。「あんたは、そうやっていつも誰からも必要とされない者になろうとするんだ!」。叫ぶベルに「お前は、いつかその剣に記された“エレフォーン”の言葉の意味を知るだろう。無何有郷(むかゆうきょう)という今では意味が失われたその言葉の、本当の意味を」と、シアンは最後の教えかのように言葉を送った。シアンとの記憶が失われていく中で、ベルは涙を流しながら「あんたが好きだよ、シアン」そう振り絞るように気持ちを伝えた。「もっといい男を見つけるだろうさ、娘よ」。そして2人は最後の刃を交えるのだった……。

◆映像化不可能と言われた傑作小説がついにアニメ化!「こういう本格的ファンタジー作品を待ってた!」

原作は“映像化不可能”と言われていたが、長年の原作ファンは「こんな雰囲気になるんだ!すごい!」「原作厨ですが、アニメのベルは本当に素晴らしい…」「こういう本格的ファンタジー作品を待ってた!」と、待望のアニメ化に喜ぶ声が多く上がっていた。また、ベルの師匠であるシアンとの別れについて「シアンと闘い、シアンを忘れないといけない苦難に涙がとまらなかった」「すごく好みそうなイケオジが1話にして退場フラグなの悲しすぎる…」など、ベルの旅立ちにより退場になりそうなシアンを惜しむ声も見られた。

アニメ『ばいばい、アース』
[WOWOWプライム][WOWOWオンデマンド] 毎週金曜 23時30分より放送・配信
[BS⽇テレ] 毎週土曜 24時30分より放送

【公式サイト】
【公式X】

©冲⽅丁・KADOKAWA/WOWOW,ソニー・ピクチャーズ,クランチロール

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