アニメ【推しの子】脚本家は“地獄の創作”…大勢の大人の伝言ゲームに巻き込まれた脚本家にSNS「報われて欲しいよなぁ」

2024.7.14 11:00

アニメ『【推しの子】』の第十三話(第2期二話目)『伝言ゲーム』が7月10日に放送された。人付き合いが苦手な『東京ブレイド』原作者・鮫島アビ子。そんな彼女が、メディア化の現場でうまく立ち回れるのかと危惧する先輩漫画家の吉祥寺頼子の不安が的中して…。

(以下、アニメ最新話までのネタバレを含みます)

◆あかねとかなの女の戦いが勃発?!

稽古現場を見学した直後、脚本を全て修正するよう命じた『東京ブレイド』の漫画原作者・アビ子だったが、物語は稽古の初めての顔合わせシーンに巻き戻る。

有馬かな、星野アクアは顔合わせで『今日は甘口で』で共演した鳴嶋メルトと再会する。『今日は甘口で』では下手な演技をさらしてしまったメルトは、多少は演技の練習をしたから、ダメなところがあったら教えて欲しいとかなに話す。

ドラマ『今日は甘口で』で、かなと共演したメルト

そして顔合わせの場にはリアリティショーで両思いになり、アクアと表面上交際している黒川あかねもいた。アクアとあかねはストーリー上でも許嫁(いいなずけ)で、その様子を見ていたかなは嫉妬の炎を燃やす。メルトから2人の関係について話しかけられたかなは「番組上そういう流れになってるみたいね。でもあくまでビジネスみたいよ!」「私は役者のリアル情報と板の上をリンクさせるの、ノイズになるから好きじゃないけどね…」と陰の雰囲気を醸し出しながら早口でまくし立てる。

嫉妬の炎を燃やすかな

◆原作者が脚本の内容に大激怒!原作ファンの脚本家・GOAの決断は…

一方、『東京ブレイド』の原作漫画家のアビ子は、かつてアシスタントとして付いていた先輩漫画家の頼子と会食していた。自分の作品が舞台化されることが初めてのアビ子は、違う畑の人間を相手にどうやって立ち振る舞えばいいかを、経験が豊富な頼子に相談し、稽古の見学にも同席するよう頼んでいたのだ。

アビ子は時間短縮のため、歯磨きするときは歯ブラシを一度に2つ使うなど、漫画家業界の中でもかなりの変人で有名だった。漫画は最悪1人でも描けるが、舞台やドラマは多くの人間が関わる。そのため現場とのコミュニケーション不足だと、原作者の思うような作品にならなかったり、現場の進捗(しんちょく)に影響を与えてしまう。頼子はコミュニケーションが苦手なアビ子がうまく立ち回れるのかを不安視していた。

しかし、稽古見学の日、頼子の不安は的中し、アビ子は脚本を全て修正するよう命じてしまう。突然の命令に混乱する稽古場。脚本を担当したGOAの「ここからどう直せばいいのでしょう?」という発言も彼女の怒りに油を注ぎ、怒り狂うアビ子は同席していた頼子に引きずられ、稽古場から離れる。

『東京ブレイド』原作漫画家、アビ子

実はアビ子は脚本が完成した時点で内容に不満を持っており、編集担当者に一方的に不満をぶちまけていた。アビ子はその編集担当者を通じて大幅な修正を命じたが、感覚的なアビ子の修正指示は、担当編集やプロデューサー、脚本家マネージャーなどさまざまな人物を伝言ゲームのように経由するうちにアビ子の意図とは大きく異なって脚本家に伝わってしまった。

こうしてアビ子と舞台のプロデューサーなどを交えた話し合いが行われるが、アビ子は舞台側の言い分を聞かずに「もう私に全部脚本書かせてください」「絶対にやります。じゃなきゃこの劇の許諾取り下げます」とまくし立てる。それをGOAや頼子と一緒に盗み聞いていたアクアは「子供みたいな人だな」とあきれる。

一方、アビ子から「エンタメがわかってない!」と全否定されたGOAは「脚本家の地位って、君たちが思ってるよりずっと低いんだ」と諦めたように話す。原作者やそのファン、プロデューサーに出演者の事務所など、多くの権力の板挟みになりながら、なんとか作品を作り上げる脚本家業を、彼は「リライティングってのは地獄の創作だよ」と表現した。こうして脚本は全て白紙になり、原作のファンとして、寝る間を惜しんでこの台本作りに情熱を捧げていたGOAは舞台から外れることを了承し、稽古は中断になってしまうのだった。

SNS上では、「好きな作品の原作者にここまで言われるの流石(さすが)に可哀想…」「アクアを巡る女の戦いなんか可愛いものだわ」「脚本家の人、報われて欲しいよなぁ」と脚本家のGOAのことをいたわる声があがっていた。

『【推しの子】』の第十四話(第2期三話目)は7月17日(水)、TOKYO MXほかにて放送予定。

©赤坂アカ×横槍メンゴ/集英社・【推しの子】製作委員会

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