アニメ『ザ・ファブル』煙幕の中から現れる絶対的強者感!全ての敵を雑魚にする明の無双シーンにSNS「約束された面白さ」
2024.6.26 17:15毎週土曜24時55分より日本テレビ系にて順次全国放送中のTVアニメ『ザ・ファブル』。本作は“1年間の休業生活”を命じられた最強の殺し屋・通称ファブルが、佐藤明として普通の生活を送ろうと奮闘するアクションコメディー。6月22日放送の第12話『上には上──。』では、ファブルとしての実力を見せつける明の“無双シーン”が多くの視聴者から注目を浴びた。誰も殺せない制約の中、岬の救出に成功した明は砂川の雇った殺し屋と直接対決。煙幕をばら撒き、モデルガンの弾で圧倒。動けない相手の横を素通りする姿は、まさに強者そのもの…。SNSでは「規格外の強さ」「こういうの見てるとやっぱり気持ちいいな~」「わかっちゃいたけど砂川の雇った殺し屋なんざ相手にもならない」「約束された面白さで体感5分だった」など、ついにお披露目された明の本領にカタルシスを感じる声が多くあがった。
(以下、アニメ最新話までのネタバレを含みます)
◆制圧開始
夜、2階建ての鉄工所。明は岬の救出と小島の身柄の確保に動き出す──。手始めに建物の2階から侵入すると、岬に襲い掛からんとする砂川の子分を背後から“ドドドドッ”と素手で気絶させた。岬は目の前で起きた一瞬の出来事に理解が追いつかず、涙を流しながら肩で息をしている。“暴力”に慣れていない彼女を落ち着かせるため、洋子から「まずは安心させてあげて──!」「ジョークのひとつでも言いなさいよォ〜!」と通信で指示を受けた明は、思いつく最高のジョーク、“ジャッカル富岡”のCMを全力でマネして見せる。……が、結局は岬を別な意味で怯(おび)えさせてしまうだけだった。
何はともあれ、ひとまず岬の無事を確かめた明は、まるでスイッチを切り替えるようにすぐさま部屋の外へと意識を向ける。「ちょっと俺──あそこの──外の3人と話してくるから──。すぐに迎えにくるから、ちょっと待っててね────」。出来うる限りの優しい声で、岬にそう告げると、明は静かに部屋を出ていった。
一方 建物の1階では、砂川と小島がすでに一触即発の状態にあった。以前、小島はデリヘルを始めるため、すでに同じシノギを任されていた砂川の舎弟を処分。そのことをひた隠しにしているが、砂川は小島がやったと確信し、その“裏”を取るために今回の場を設けた。だが「なァ──ハラ割って話そうや──。おまえが殺(や)ったんやろォ──?」「だから──。なんの事ですか、いったい…」と話は平行線のまま、砂川の怒りだけが積もっていく。
小島が言うに、貸していた金を返してもらうために会うには会ったが、それだけだと。「──で、殺(や)ったのか…」。いっそうドスをきかせる砂川。おそらく次の一言で、事態が動く…。少しの静寂の後、あろうことか小島は言葉を発さずに、口元をニヤリと歪(ゆが)めたのだった。
思わず目を見開く砂川。怒りは沸点に達し、握っていたボールペンをノックする。その“小道具”は、自身が雇ったプロの殺し屋が用意した特注品。別場所に設置された機械をリモートで操作し、1万6000Hzのモスキート音を発生させる。すると、部屋の外で待機していたフードの男が小島に照準を向けた。25歳以上には聞こえないその特殊な音が、“実行”の合図。フードの男は迷わず引き金を引いた──。
……ところが、銃弾は小島のこめかみをわずかに外れて壁に命中。殺し屋は標的を始末し損ねた。何が起こったのか? 銃を打つ直前、殺し屋の腕には痛みが走った。何者かによって逆に狙撃されたのだ…。やってのけたのは、2階の陰に身を潜める明。「あのフードのやつ──…同業か…」。殺し屋の位置、モスキート音の合図、銃撃のタイミング…それら全てに、明は初見で対応。相手が砂川の雇った殺し屋であることも、砂川の狙いも瞬時に見極めると、直ちに次の行動へと移った。
◆都市伝説級の存在“ファブル”
明はまず2階の敵から制圧にかかった。見ると、“フード”と共に砂川に雇われた屈強な男“コード”が、小島の手下である“キックの西日本チャンプ”に襲いかかっている。先程のモスキート音の合図とともに、小島サイドの人間を無力化する狙いだったのだろう。明は2人の間に“上空”から割って入ると、構えも取らずにキックの男に話しかけた。
「おまえ──、車のキー持ってるなァ──? 事務所の中に女がおるの知ってるやろ?」。淡々としゃべるその背中は、一見、隙だらけ。コードは“目の前に突如として現れた目出し帽の男が何者か”を考えるより先に、明めがけてナイフを振り下ろす。そこからは一瞬だった。迫り来るナイフの攻撃を片腕でいなした明は、そのまま軸足に体重を乗せ、もう片方の足でコードの腹部に一撃を見舞った。
大きく後方へ吹き飛ばされたコードを一瞥(いちべつ)すらしないまま、明は「女とここを出て、車で送ってやれ」「モスキート音が今鳴ってる…。女に言うたらわかる──。音が止まったら階段おりて、外に走れ──」とキックの男に指示を続ける。その間も、立ち上がろうとするコードの太ももをノールックで撃って行動を阻止。あまりの強さに、コードは身を震わせながらなんとか言葉を紡ぐ。「おまえ…おまえ…まさか…ファ…ファブッ…!!」。そこまで言って口をつぐんだ。明の銃撃が、続きを許さなかった。「黙ってろ。今集中してる」
「待っててもめんどくさいし、下におりて片付ける──。かくれんぼなんかしてられるかよ──」。明は銃弾と共にDIYした“爆弾”に火をつけると、1階へ放り投げた。点火され、辺りに弾けたのは花火用の火薬。細かな火花が周囲の資材と混ざり合い、煙幕となって視界を塞いでいった。鉄工所の1階が煙で満たされたのを確認し、明も飛び降りる。その様子を膝をつきながら眺めていたコードは、自分の相手が裏社会でも都市伝説として語られる存在であることを確信。「ファブルだァ──! 敵はファブルだぞォ──!敵はファブルだ、油断するなァ〜〜」。悲鳴にも似たその叫びを、フードの男、砂川、そして小島たちが聞いていた。
煙幕の中にうっすらと人影を見たフードは、手始めに物陰から数発を打ち込んで様子をうかがう。「(…当たってない──。いったいどんなヤツなんや…本当にファブルなら会いたい──。そして殺(や)りたい──)」。再び、人影を見た場所に銃を構える。が、その時“ファブル”はすでに別の場所へ移動していた。フードは右手首のやや下側に1発被弾。左側から撃たれたと判断すると、銃を左手に持ち替えて瞬時に撃ち返す。だが、そこにもすでに“ファブル”はいない。代わりに排莢(はいきょう)された銃弾がカツンっと小さな音を立てる。拾い上げて、フードは驚く他なかった。「(なんだコレ…オモチャ!? マジかよ…。この俺の背筋がゾクゾクしてる──)」
フードが冷や汗を拭っている間に、明は2つ目の“煙幕”を展開。フードの呼吸は荒々しく上がっていく。すでに1階は煙で充満。なのに時折、火花のようなオレンジ色の光が発せられては、同時に被弾していく。左肩、右腕、たまらず銃をかまえた右手の甲、そして左太もも……。パシュっというサイレンサーの音と、排莢(はいきょう)された銃弾の音だけが、“ファブル”の存在を確かなものにしていた。
フードはついに銃を落とし、膝をつく。煙幕の中からようやく姿を見せた“ファブル”は、その“おもちゃの銃”を懐にしまうと、代わりにフードの銃を拾ってどこかの壁に狙いを定める。数発が放たれると、わずかなうめき声が聞こえた。声の主は、壁越しに潜んでいた小島だった。“ファブル”は、”フード”の目の前に銃を投げ捨てて、そのまま素通りしていく。その行動が、フードのプロとしてのプライドを打ち砕いた。「(…この俺が無視された──…。相手にもならなかった──…。敵とさえ、なれなかった──…)」
明はその後、倒れた小島を引きずりながらモスキート音を出している機械を撃ち抜いて破壊。音が消えたことに気づいた岬は、“キック”と共に鉄工所を脱出した。明もハコスカのトランクに小島を乗せ、“真黒住宅”へと戻る。小島は生きていた。トランクの中、両腕を縛られ、撃たれた傷に冷や汗を流している。明は小島に素顔を晒して対面。眩(まぶ)しそうな顔をしながら、小島は“ファブル”の正体を見た…。「おまえ〜、おまえか──」
──…一方、鉄工所に残った砂川は、”ファブル”という存在に思考を巡らせていた。「(俺が知らない──真黒組御用達の殺し屋やって──!? オヤジの差し向けか…? もしくはカシラか…?」。その背中に、フードが声をかける。「砂川さん──、“あと一人”──写真のターゲットどうします?」。小島をターゲットにしていた砂川は、“フード”に2人の始末を依頼していた。ひとりは小島。では、もうひとりは……?