競泳・池江璃花子選手の母・美由紀さんが明かす白血病と闘った壮絶な日々「“死にたい”って泣きわめいた」
2024.6.26 11:05競泳・池江璃花子選手の母・美由紀さんが『人生が変わる1分間の深イイ話 復活2時間SP』に出演。母と娘の“ある約束”が明かされた。
この日は、『有名人の家族は本当に幸せなのか?』と題したテーマで、リオ・東京・パリの3大会連続五輪出場となる、競泳・池江璃花子選手の母・美由紀さんにテレビ初密着。璃花子さんを撮影した貴重なホームビデオの数々も公開された。
美由紀さんそっくりの娘・璃花子さんが、その名を轟(とどろ)かせたのは今から9年前。中学3年生にして日本記録を樹立した、“スゴすぎる娘”を育て上げた美由紀さんだが、しつけは“THE昭和“で、池江一家を昔から知るママ友たちが「美由紀ちゃんは(脱いだ)靴は、げた箱に入れるのがポリシー。たたきに置いてあるのはダメ。(靴を)ぶん投げて、たたきに置くと外に出す」と暴露。すると美由紀さんも「自分の靴も時々外に投げられてる」と璃花子さんにやり返されたことを振り返った。
さらに、きょうだい3人で1つのソフトクリームを食べる時も、3歳で一番下の璃花子さんは“1人で全部食べなきゃ、私は一口もいらない”と拒否したといい、その様子が映された当時の映像が紹介された。「あれがすごく璃花子を強調してるんじゃないかなっていう。“納得できなかったら絶対折れない”。私とそっくり」と思い返すと、負けん気が強すぎる母と娘に一同騒然。
そんな美由紀さんは、知り合いの俳優・藤岡弘、とのランチで「たとえ自分が大した人間でなくても、子どもの前では女優にならなきゃいけない」と自身のスタンスを告白。さらに「食事なんかも嫌いなものがあると食べないわけなんですよ。璃花子なんか特に偏食だったので。でもそこで“食べなさい”って怒るんじゃなくて、“食べなくてもいいよ、ごちそうさましなさい”って。“でも、明日の朝これ食べてから朝ご飯だよ”って言うとすごい勢いで食べるんですよ」と自主性を育てる美由紀さん流の教育法を打ち明けると、藤岡は「素晴らしい」と感嘆。
現在、約30年前に自ら立ち上げた幼児教室の先生をしている美由紀さんは、生徒たちに1年間の目標を書かせ、達成できると花まるをつけてあげるという“池江流花まる目標”を大切にしているといい、「書いてみて、目で見て、毎日読んでみるってことで、潜在意識の中にもどんどんやりたい目標が入っていって、“大きな夢に将来につながるんだよ“っていう」と解説。
そして、“自分の夢をイメージして絵を描きなさい”という指導の元、璃花子さんが小学3年生の時に初めて記した目標が、”オリンピックで優勝した!“。大きくなるにつれて目標タイムを書くようになったが、そのご褒美は”全部できたら、一緒に寝てあげる“だったといい、「それで大喜びでした。今思えば本当に大事な時間だった」と笑顔を見せた美由紀さん。
璃花子さんが幼い頃に離婚し、シングルマザーで3人の子どもを育て上げた美由紀さんは「子どもたちに自分の好きな人生を歩んでもらいたいし、たくさん選択肢を持ってもらって生きていくっていうような」と胸の内を明かし、璃花子さんの自主練に付き添い、自宅天井に“うんてい”を設置。海外合宿にも駆けつけ、全国各地の大会や海外遠征もそばで応援した日々を回顧。
しかし、2018年に世界ランク1位になり、東京五輪での初のメダル獲得を誰もが期待したその年に、“急性リンパ性白血病”を発症。過酷な抗がん剤治療で、激しい頭痛と吐き気に襲われ、体重が18kgも落ちた璃花子さんは、「“死にたい”って泣きわめいたんですよ。その時はもう正気じゃなかったので」と壮絶な日々を振り返り、「病気を治してるんだけど、どんどん壊れていくような、娘が」と表情を曇らせた美由紀さん。「“普通の日常生活もできなくなってしまうのかな”って思った時もあったので、娘と別れてから病室の廊下を歩きながら涙が出てきたりとかっていうことは多々ありましたね」と当時を振り返った。
そんな美由紀さんを救ったのは、極限状態の中、璃花子さんが病室で発した“東京オリンピックまで499日。まだまだ諦めない”という一言。その言葉の通り、退院直後から筋トレをスタートし、退院からわずか485日に行われた東京五輪の選考会で見事出場権を手に。「あの子の人生なので、“とにかく自分のやりたいことを一生懸命やってほしい”と思うので、“応援して”って思っています」と胸の内を明かした美由紀さん。
そして、これまで璃花子さんは毎年目標を紙に書き、実現するたびに花まるをつけてもらっていたが、世界ランキング1位になった時に掲げた“東京2020で世界記録”という目標にはまだ花まるがつかず、今も実家に貼られたまま。記録に挑戦し続ける娘を応援している美由紀さんは、「だから私もはがせない、水泳やってる以上は」と熱い思いを告白。璃花子さんの今の目標は、パリ五輪で世界記録を達成し、美由紀さんに花まるをつけてもらうことだという。