アニメ『ザ・ファブル』「ちがうな…。強いヤツが勝つ──」 一瞬で敵を制圧した明の一言に視聴者も惚(ほ)れぼれ「今期キャラで一番イケメン」
2024.6.19 18:45毎週土曜24時55分より日本テレビ系にて順次全国放送中のTVアニメ『ザ・ファブル』。本作は“1年間の休業生活”を命じられた最強の殺し屋・通称ファブルが、佐藤明として普通の生活を送ろうと奮闘するアクションコメディー。6月15日放送の第11話『運命の一日です♪』では、誰も殺せない“岬 救出作戦”がついに開始。小島と砂川、両者の思惑が交錯し、岬の身には刻一刻と危険が…。彼女への恩を返すため、明はハコスカを走らせる──。岬と明、2人の関係性も大きく動き出す中、SNSで特に反響があったのは明の“イケメンぶり”。岬との電話シーンでは「正直ちょっと泣きそうになった」「安心感がすごい」「きゅんきゅんした」と、その優しさあふれる言葉に胸打たれた視聴者が多く、さらに今話のラストシーンで見せた“プロ”ならではのある台詞には「くぅぅぅ~~しびれるわぁ」「マジで殺し屋からヒーローじゃん…」など、見とれてしまったという声が多出。今期のアニメキャラで“1番のイケメン”との声も上がった。
(以下、アニメ最新話までのネタバレを含みます)
◆岬を思う明の心内は…? 優しさあふれる一言にSNS「泣けた」
“岬 救出作戦”の前夜、真黒住宅の車庫──。明は愛銃・ナイトホークカスタムの手入れをしていた。ホームセンターの鉄棒から作った即席のバレル…。モデルガンから流用し、花火用の火薬を詰めた銃弾…。誰も殺さず、誰かを助けるためだけに動くのは、明にとって初めてのことだった。
準備を手伝っていた洋子が、不意に尋ねる。「でもさァ──、なんでそこまでして助けたいの〜? もしかしてミサキちゃん──好きになった? きっと恋よ、恋──」。ニヤける洋子に、明はマガジンに弾を込めながら答える。「そういう感情はよくわからん──。世話になったから、できる事をしてやりたい──」。銃に注がれたままの視線…ぶっきらぼうな態度は普段と変わらなかったが、明はふと「それに──」と続けた。「誰かを助けたい──。本気でそう思ったのは初めてだ──。あとは、あのコの泣く顔はよくない。あのコが笑ってると、俺も楽しい気持ちになる──」
深夜、明のスマホに着信が入る。液晶の表示は『走る女』…岬だった。「あっ、佐藤くん──ゴメンねェ、深夜に──」。聞くに少し体調が悪く、明日は会社を休むため社長にも伝えてほしいという。電話口から聞こえる彼女の声はどこかか細い。明はスマホ越しに、岬が言葉を詰まらせたことに気づいた。すると…「あ──、ミサキちゃん…」「ん?」「初めて会った時──、俺が殴られて泣いてる時──…」。明は、岬と初めて会った時のことを語り出した。
「今思えば──他の周りは見て見ぬフリやった──…。でもミサキちゃん、ハンカチくれようとして──。見ず知らずの俺に──…。ささやかな事かも知れんが、その気持ちに礼を言ってなかった…。仕事も紹介してもらった──、おかげで楽しく暮らせてる。ミサキちゃんが絵を描かせてくれたから時給も100円上がった──」
明の話を聞きながら、岬は時々笑った。言葉の端々に少しだけ元気が滲(にじ)み出ていた。すると彼女は「給料が出たら、次は自分がご馳走(ちそう)する」と話す明に、ひとつお願い事をする。「アタシの似顔絵描いてよ──。アタシ、佐藤くんの絵、気に入っちゃった」
「じゃあ明日の晩に持ってく──」と明が返すと、岬は「明日の夜はちょっと用事あって…ゴメン。朝まで帰れないかも──…」と再び言葉を詰まらせる。「ミサキちゃん──。大丈夫──、すぐに帰れるよ。絵は明日わたせるよ」。1人、ほほ笑む明は、手の中の銃を静かに見つめるのだった──。
◆まるで“ヒーロー” ファンをしびれさせた、ラストシーンの一言
全ての準備を終えた明と洋子は、ハコスカの車内で“その時”を待っていた。「動き出したわよ」。洋子が高橋に“プレゼント”したGPS付きの腕時計によって、明は小島たちの動きを把握。彼らが岬と合流し、砂川との待ち合わせ場所へ向かったことをつかんだ。取り巻き全員を殺せるのなら、今この段階で動くのが正解だろう。だが、今回は誰も殺せない。公に事件化して、岬を巻き込むわけにもいかない。その上で、砂川が闇取引に使うような場所であれば何があってもある程度なら暗黙になると明は読んだ。
GPSを頼りにハコスカを走らせると、やがて2階建ての鉄工所へとたどり着いた。洋子は“現場”100メートル後方でハコスカごと待機し、明は2階から潜入を開始。鉄工所内ではすでに役者がそろっていた…。
小島の陣営は計5人。小島と高橋、高橋が雇ったチンピラ2人、そして岬…。かたや砂川のそばには、高橋と同期の真黒組組員が1人と、見知らぬ男が1人立っていた。砂川いわく、組員ではないが候補生みたいなものだという。見た目こそ30は過ぎていそうな屈強な男だが、実年齢は20歳そこそこ。今回の“砂川の計画”に適した人物だった。
砂川の狙いは、自身のシノギであるデリヘルを任せていた舎弟がどうなったのかを小島にしゃべらせること。おそらく小島によって消されたであろうことはわかっていたが、砂川は“確証”が欲しかった。小島と高橋を別室に案内すると、「まぁリラックスせえよォ──」と椅子に座らせる。「いい女連れてきたなァ〜確かにアレならカネになる」「あ──、ツブれるまで使ったらええ」。非道な会話を交わしながら、砂川は1本のボールペンを指先で遊ばせる。部屋のすぐ外では、“もう1人の仲間”が“合図”を待っていた…。
実は、砂川が雇った“プロ”はもう1人…。迷彩柄のフードを被ったその男が、“実行犯”となる算段だ。砂川の持つ特殊なボールペンはノックすると、別の機械から1万6000㎐のモスキート音を出す仕組みになっている。小島には聞こえないが、雇われた2人には聞こえるその“合図”をきっかけに高橋の動きを封じつつ小島を消す…それが砂川の計画だった。
──同じ頃、鉄工所2階にある別の部屋では「オラ──、こっち来てやれや! おまえがジッパーおろして…」と、下衆な言葉が飛んでいた。椅子に座り大股を広げた砂川の子分が、ニヤニヤと笑いながら岬を見下ろしている。小島の連れてきた彼女が本当に“仕事”ができるのか、それを確かめるというテイで無理を強いていたのだ。
岬は当然目をそらし、沈黙を貫こうとする……が、もちろん男は許さない。「オラ──、早くせ──よ。今日から売女になるんやろォ〜」。幾度と投げつけられる、さげすみの言葉に思わず涙をこぼす岬。男はそんな彼女の頭を平手打ちすると、あろうことか「じゃあ俺が脱がしたろ!」と笑って、上着を力任せに引きちぎる。「覚えとけェ──。現実は悪いヤツが勝つんや──」。男は岬を強引に部屋の隅へ追いやると、自らズボンをおろし始める。「オラ──、泣いてるだけか〜? 叫んでもいいぞォ──ッ! これも仕事やっちゅうねん。言うたやろ? 悪いヤツが勝つんや──って」。岬の泣き叫ぶ声が部屋中に響き渡った……、その時。
岬の声に紛れるように、男の背後からガチャっと音がした。すぐさま振り返るが、そこには“閉まったままのトビラ”があるだけ。気のせいかと思い、「続きを──」と岬へ視線を戻した直後、男は何発かの鈍い音とともに床へと崩れた。代わりに立っていたのは、目出し帽を被った全身黒ずくめの男…。明は一言、「ちがうな…。強いヤツが勝つ──」とつぶやいた。