アニメ『ザ・ファブル』岬 救出のタイムリミット迫る…ハラハラ展開の“小島編”に視聴者からもSOS「早く助けてやってくれ」
2024.6.12 17:30毎週土曜24時55分より日本テレビ系にて順次全国放送中のTVアニメ『ザ・ファブル』。本作は“1年間の休業生活”を命じられた最強の殺し屋・通称ファブルが、佐藤明として普通の生活を送ろうと奮闘するアクションコメディー。6月8日放送の第10話『ベランダの怪人……』では、海老原の“誠意”を受け取った明が本格的に行動を開始。小島の陰謀に岬が巻き込まれていることを突き止め、自身初の救出作戦へ挑まんとする。一方、岬の“身柄”はとうとう小島の手中に…。SNSでは「岬ちゃんがあまりに可哀想(かわいそう)だから全て丸くハッピーに」「ファブル早く助けてやってくれ」と、ハラハラな展開が続く“小島編”に救いを求める声が相次いでいる。
(以下、アニメ最新話までのネタバレを含みます)
◆一本につながる、点と点…!
自身の弟分である小島を“助けたい”と考える真黒(まぐろ)組若頭の海老原は、「この車、くれてやる」と愛車であるハコスカを手放してまで明に協力を乞うた。そんな海老原の“誠意”に応じるように明は、現在小島が同居する海老原の自宅へと忍び込む。
海老原からは事前に2つの指示を受けていた。彼の愛銃である“レンコン”を小島に見つかる前に確保すること、そして以前、“真黒住宅”で明が外した6つの小型カメラを逆に利用すること。この室内に隠しカメラとして仕掛ければ、小島の動向を探ることができる…。明は海老原のリボルバー銃を回収すると、電気もつけずにエアコンの内部へカメラを取り付け始めた……その時。
出入り口のドアが、ガチャリと音を立てる。どうやら小島が部下の高橋を連れて帰ってきたようだ。明はすばやくベランダへと身を隠し、小島たちを見張る。すると、部屋の電気がついて間もないうちに、小島がベランダへと近づいてきた。鍵のかかっていないベランダの窓を不審に思ったのか、小島はカーテンを開けると窓の外に目を凝らす。ベランダを隅々まで見渡していく鋭い視線…そのわずか数十センチ外側に明は身を隠している。万が一を考え、目出し帽を被り、ナイフを取り出した時、ベランダの窓がゆっくりと開いた──。
「あっ、アニキ──」。小島がベランダへ足を伸ばしかけたその時、室内にいた高橋が及び腰で声をかけた。「砂川さんから着信が…」「あのハゲから──?」。組の幹部にしてナンバー3の実力者である砂川からの電話。が、今はそれどころではない。小島は「出れよ!」と電話の応対を高橋に任せると、すぐさま視線を戻し、寒気漂う夜のベランダへと身を乗り出した。……が、誰の姿も見えない。小島が砂川からの電話に気を取られていたわずか数秒の間に、明はベランダのヘリに捕まり、身を隠していた。そこはマンションの高層階。そんな場所に人がいるなど、小島でさえ思いもよらないだろう。
部屋へ戻った小島は渋々、砂川の電話に出る。明は再び窓際で息を潜めると、室内の会話に聞き耳を立てた。「元グラビアやってた女(タマ)がコッチの仕事についたんで──、なんなら砂川さんが経営してるキャバクラにもほり込めますよ〜」「名前ェ──? あー…、“ミサキ”とまでは言うときましょ〜」。明は以前の調べで、小島が組に隠れてデリヘルに手を出すつもりであることを知っていた。そして同時に、自身の知る岬に近頃異変が現れていたことも…。これは偶然か、それとも──。
翌朝、普段通りデザイン制作会社オクトパスに出勤した明。危惧していた岬も「昨日、また妹さんトコ泊まっちゃった!2日酔い〜」と、一見何事もないように感じた。だが、同僚の貝沼からの一言で社内に緊張が走る。なんでも、社長の田高田が通り魔的な被害に遭い、昨晩病院に運ばれたという。「ミサキちゃんさ──なんかコワイ人とかとトラブルあったりしてる?」。図星をつかれた岬の表情がこわばる。彼女の自宅を盗撮していた貝沼は、その身に今何が起きているのかをおおよそ把握していた。そんなこととはつゆ知らず、岬はただ「ゴメンなさい…」と繰り返し謝罪を述べると、出勤して早々に会社を後にする。
小島の動向、岬の異変、そして貝沼がつかんでいる情報…。それらの点が全て一本の線でつながると考えた明は、「くわしく聞こうか──」と貝沼に顔を近づける。彼が岬を盗撮していたことは知っていると明かしながらも、「そういうのは、今はどうでもいい──」「今はミサキちゃんをなんとかしたいと思ってる!」と伝え、急ぎ情報を引き出す。おびえた表情で誰かと電話していた岬が「デリヘルなんかしません!」と口にしていたこと、そしておそらくその電話相手が彼女のバイト先の店長に危害を加えたことを知った明は、手始めに“ホームセンター”へと足を運ぶのだった。
◆“期限”は明日の夜? 岬の救出作戦が始まる…
通称、“真黒住宅”。ハコスカを停めた駐車場に洋子が顔を出すと、明は何やら溶接作業にいそしんでいた。いったい何を作っているのか、その手元をのぞき込み洋子は思わず声を上げる。「ちょっとちょっとちょっと、まさかそれって…」。明はホームセンターで購入したただの鉄棒を改造し、なんと銃のバレルを作っていた。東京からこっちへ持ってきた愛銃・ナイトホークに流用すると言う。「それよりヨウコ──」。明はある頼み事をすると、また作業へと戻っていく。黙々と、ただただ銃を組み上げていく彼の脳裏には、「小島を助けたい」と語る海老原や、小島におびえる岬の悲痛な表情が浮かんでいた。
しばらくして、洋子が駐車場へと戻ってくる。「高橋くんに渡したよ、GPS探知機の時計──。尾行すりゃいいのに──こんな手間ァ〜」。“ベランダでの一件”があってか、明も小島の勘の鋭さを警戒していた。ただターゲットを始末して帰る…それだけなら慣れているが、今回は状況が違う。最優先すべきは岬の安全。明にとって“救出作戦”は初の試みであり、自身の正体を明かすわけにもいかない…。では、明はいったいどう対処するつもりなのか。「誰も殺しちゃダメなんだよォ──」。あきれる洋子の問いに、明は作業を続けながら返す。「ふつう──、いや、まともな男なら──、相手に“誠意”ってのを見せられたら断れんやろ──」
弾は市販のモデルガンのものを改良。花火などに使われている火薬や、釣り用の重りで仕上げた。本物に比べると圧倒的に威力は小さく、パワーもないため、発射時にはスライドがブローバックしない。手動で排莢(はいきょう)する手間が増えてしまうが、そこは「プロとしてなんとかする」。ちなみに、弾を1発作るのに要する時間は40分。洋子は何度も「不安〜〜!」とため息を漏らす。
──そんな中、岬はすでに絶望のふちに立っていた。オクトパスにまで危険が及んだことを知った彼女は、自ら小島へ連絡。デリヘルと並行して、半強制的にキャバクラも手伝わされることに…。期間は3か月。“契約”を終えると、小島からはさっそく「明日の夜に迎えにくるわ──。メイクも服もそれなりでちゃんとして来い。まぁスカートは短けりゃなんでもいい──」と“業務命令”。岬はただただ、泣き寝入りせざるを得なかった…。