アニメ『夜桜さんちの大作戦』復しゅうに燃える黒顔VS現実に向き合い続ける太陽の戦いにSNSも感動「切ないお話でした」

アニメ『夜桜さんちの大作戦』の第9話「黒百合の花言葉」が6月3日にＢＳ日テレにて放送された。護送車が爆発し、黒百合を取りのがしてしまった太陽。想定内だという翠から、黒百合の正体が5、6年前に亡くなったとされる伝説のスパイ・黒顔であることが明かされる。太陽たちが逃亡した黒顔を追う中、どういうわけか拉致した副総理を連れた黒顔が、ネット中継で人々の前に現れた。黒顔は復しゅうを果たすために、副総理へ銃口を向ける。

（以下、アニメ最新話までのネタバレを含みます）

◆娘を失った復しゅうに燃える伝説のスパイ“黒顔”

前回、爆破事件を阻止し、黒百合を逮捕した太陽。しかし、ヒナギクの蒼翠から突然連絡がくる。翠によると副総理が拉致され、その様子をどこからかネット中継されているという。翠に言われ、黒百合を尋問しようとした太陽だが、その瞬間、護送者が爆発。黒百合を取りのがしてしまう。

しかし、翠にとってはこれも想定内だという。実は黒百合の素顔はただのカルト政治家ではなく、5、6年前に亡くなったとされる伝説のスパイ・黒顔というのだ。翠は黒百合の真意を探るため、警備を緩めて彼を泳がせていたという。太陽は、突然黒百合が語り出した太陽の過去の事故の話、そして黒百合の「この社会には隠された真実がいくつもあるのだ」という言葉を思い出していた。

その頃、黒百合は監禁されている副総理の前に現れると、中継用のカメラの前で「変装の本質は目より心を欺くこと」と言いながら変装を解いていく。副総理の前で“黒顔”の姿になり「お前だけは白日のもと手を下したかった」と語り、彼に銃を突きつけ、今までの所業を全て告白するように脅す。

告白を拒んだ副総理に向けて黒顔が引き金を引こうとしたその瞬間、太陽が現れる。太陽は夜桜家に代々伝わる技や武器で黒顔を捕らえようとするが、夜桜家のスパイ術を熟知している黒顔によって簡単に制圧されてしまう。

「どうしてそんなスパイが政治家になってまで、卑怯（ひきょう）な手で普通の人たちを騙（だま）すんだ」と太陽に問われた黒顔は「復しゅうだ」と答え、自分の過去について語り出した。

冷酷なスパイとして、政治の裏側で暗躍していた黒顔。そんな彼は最愛の娘・百合の前では常に明るく楽しい父親として振る舞っていた。黒顔は妻を亡くしており、自身も任務で家にはあまり帰れず、百合には寂しい思いをさせていた。

百合の誕生日、黒顔はケーキを買って帰宅する。百合は誕生日に父親と一緒に過ごせることに大喜びしながらも「サプライズならちゃんとしなよ。プレゼント先に送っちゃバレるでしょ？」と、部屋にあったプレゼントの箱を指差す。それは、誕生日プレゼントに見せかけた爆弾だったのだ。黒顔は一命を取り留めたが、百合は死亡。用済みになった黒顔を切り捨てるための犯行だった。黒顔は、娘を奪った政治家たちに復しゅうするため、自ら政治家となり復しゅうしていたのだった。

◆自分の情報は筒抜けでも…凶一郎の言葉を信じ、一発逆転を狙う！

黒顔は太陽に向けて「もしここで退いてくれるなら、君の家族について私が知ることを教えよう」と話すが、太陽は「もう誰にも死んでほしくない」とそれを拒み、黒顔におそいかかる。しかし、夜桜家のスパイ術に精通している黒顔はそれをかわし、逆に太陽に致命傷を与える。「君には何も変えられない、辛い現実もこの状況も」と語り、トドメを入れようとする黒顔。それでも太陽は「現実はただ受け入れるだけじゃない、変えられるものもある。そう教えてもらったんだ！」と再び黒顔におそいかかる。ここで太陽はヒナギク式の移動術“花踏み”で黒顔の背後を取る。「付け焼き刃で上等。自分の体に刻まれた情報を信じれば、状況は変わる」という凶一郎の言葉を実践したのだ。想定外の攻撃に面食らった黒顔はあっという間に太陽に制圧された。

黒顔は現実を変えようとした太陽の努力を認め「君の精神に敬意を表し、私の知る全てを教えよう」と1枚のメモを渡したその瞬間、黒顔は何者かに銃撃される。「君は臆せず進め」と言葉をのこし、黒顔は力尽きた。「成功の享受は生還者の義務であり、死者へのとむらいでもあるのだから」と翠に言われた太陽は、黒顔の遺志を果たすため、メモに記された“娘・百合が眠る場所”に向かい、白い箱を取り出したのだった。

SNS上では「切ないお話でした」「けっこう好きな敵だったな…」「敵の戦法を逆手にとって逆転する流れは最高でした」と黒顔の切ない思いと衝撃的なラストに驚いていたようだった。

『夜桜さんちの大作戦』第10話
6月9日（日）MBS/TBS系列で放送予定
6月10日（月）よる10時30分〜　ＢＳ日テレにて放送予定

©権平ひつじ/集英社・夜桜さんちの大作戦製作委員会・MBS