アニメ『WIND BREAKER』拳での会話で互いを見つめ合い、真正面からぶつかった桜と十亀「ケンカはこうあってほしい」
2024.5.31 17:15アニメ『WIND BREAKER』第8話「思いを継いで」が5月29日(水)よる11時からBS日テレにて放送された。本作は、にいさとる原作の人気ヤンキー漫画。週刊少年マガジン公式アプリ『マガジンポケット』人気ランキング首位常連で、単行本は発売即重版連発の超話題作。孤独な不良高校生・桜 遥(さくら はるか)は、ケンカの“てっぺん”を目指して、超不良校として名高い風鈴高校にやってきた。しかし、現在の風鈴は“防風鈴(ボウフウリン)”と名付けられ、街を守る集団に変わっていたことを知る…。
(以下アニメ最新話までのネタバレを含みます)
◆「とことんやろう、桜」
兎耳山丁子(CV:戸谷菊之介)との出会い、獅子頭連での楽しかった日々、兎耳山が頭取になって変わってしまったチーム、そして自分自身がしてきたこと…。十亀条(CV:梅原裕一郎)は、迷いを隠せなくなっていた。桜 遥(CV:内田雄馬)に殴りかかるも、先ほどまでの勢いも覇気もなく、拳を当てる気もないようだった。桜は思う。「今回のケンカ、全部知ってて売って来たんだと思ってた。でも違った。じゃああいつらを殴ったのはなんでだ。知りてぇ。こいつのことが…」。「おまえ、何がしてぇんだよ」そう桜が十亀に聞くと、十亀は笑って「ホント何がしたいんだろうねぇ」と片手で顔を覆う。「なんであいつらを殴った?お前のとこは力があれば何をしてもいいんだろう?」。桜の問いに十亀は「そうだよ。ここは強いやつの場所だから…クズがいていい場所じゃない」そう答えた十亀の目には力が宿っていた。
次第に弱いクズの皮(トレードマークのオレンジのスカジャン)を剥ぐことが多くなった十亀だが、そんな時“ボウフウリン”ともめたことで何かを変えるきっかけになると思った。しかし、自分たちに正義も何もないケンカにみんなを巻き込んでしまい、“あの日”間違えを押し通すことを決めた十亀は後戻りすることはできなかったのだ。そんな十亀に桜は、「クズがいていい場所じゃないって、ならなんでお前はここにいるんだ。ふざけたこといってんじゃねぇぞ。てめぇがやってるのは同じ“クズ”だ。確かにおめぇは強ぇ。でもクソだせぇ。それを分からせるために、俺はお前に勝つ!そしたらお前はだせぇことやめて、俺がケンカしたいカッケーやつになる!」そう言って構えた。「俺は相手がどんなに強くても、命の恩人でも、目をそらしたり自分を曲げたりしねぇ!」。桜の言葉に、十亀は“あの日”のことがフラッシュバックする。兎耳山の泥を全て自分がかぶると決めたあの日のことを…。
桜に強烈な蹴りを入れられ、壁に手をつき笑い出す十亀。「本当に君は、イライラさせるのがうまいねぇ」と、振り向きざまに桜に殴りかかる十亀。「分かったよ、とことんやろう。桜」そう言って、下駄を脱ぎ、髪をほどいて構える十亀だった。
◆「ケンカって心地いいものだったんだね」
先ほどの覇気がない動きとは打って変わって、激しく桜を殴りつける十亀。桜も負けずに殴り返し、笑いながらどこか楽しそうに戦う2人。他を圧倒させるような攻防に静まり返る場内。その攻防に、蘇枋隼飛(CV:島﨑信長)は思わず「桜くん…君は本当にすごいな…」と驚嘆(きょうたん)の声をあげ、楡井秋彦(CV:千葉翔也)は「なんかよく分かんないっすけど、俺めちゃくちゃ感動してます…!」と涙を流した。そして兎耳山は、ケンカで対話している2人を見ても、何の感情も湧かない表情で、ただその戦いを見ているのだった。
桜は十亀との戦いの中で、言い知れぬ心地よさを感じていた。そして何より、相手に名前を呼ばれて向き合ってケンカしたのも初めてだった。十亀にもそんな桜の気持ちが伝わって来て、「さぁ来いや!」と叫ぶ。お互いに走って向かっていく桜と十亀。飛び蹴りで顔に同時にキックを入れ、相打ちになり2人は倒れる。倒れ込んだ十亀は、天井を見上げ笑いながら、「ケンカって心地のいいものだったんだね」とつぶやいた。桜も「同感だ、知らなかったよ」と立ち上がる。「十分に付き合ってもらったし、終わりにしようか」そう言って十亀は最後まで桜と向き合うことに。「楽しかったぜ十亀」「桜」。ケンカを通して対話した2人は、互いの名前を呼び合った。十亀はパンチを繰り出す瞬間に再び“あの日”のことを思い返す。「俺はあの日、こうしなきゃいけなかったんだ…。でも俺は目をそらした。向き合わなかった。自分を押し通さなかった。君はこの先、もっと強くなるだろう。どんな相手にも自分を押し通すことを恐れない。変わってくれるなよ。ありがとう、桜」。十亀は、桜の頬に拳がぶつかる瞬間、握った手を開き、拳を桜の顔からそらした。桜の拳は十亀に当たり、床に倒れた。「もう立てない、ギブアップ」。
◆ついに大将戦が始まる
「ふざけんな!なんなんだ最後の!何がギブアップだ!てめぇ何わざと負けてんだ!」。納得のいかない桜だが、そこへ「君強いね。今度俺ともやろうね!さぁ梅ちゃんカモーン!やっと俺たちの番だよー!」と、倒れている十亀には目もくれず、はしゃいでステージにやって来る兎耳山。「丁子、もうやめよう。このケンカ、俺たちに正義はない。俺たちが…、俺が悪かったんだ。丁子…」そう近づく十亀を、兎耳山は容赦なく蹴り飛ばした。「うるさいなぁもう!負けたんだから黙っててよ」。その兎耳山の言動に腹が立った桜は、兎耳山を殴りつけようとすると…その腕をつかんで止めたのは梅宮一(CV:中村悠一)だった。桜の様子を見た梅宮は「よかったよ。ちゃんと会話ができたみたいで。お前のその行動が何よりの証だ」と伝え、十亀にも「あとは任せてくれないか」と言う梅宮だった。
ステージ上の梅宮は、兎耳山に「さっきのケンカを見て何も思わなかったのか?」と聞くが、兎耳山は全くその意味が分からない。「そんなことより梅ちゃん!やっぱりずるいずるい~!ボウフウリンには強い子がいっぱいいる。うちとは大違いだよ。みんなが弱いせいで俺は自由になれない。楽しくない」。そんな兎耳山の言葉にざわつく場内。「でも俺が勝てば、梅ちゃんもフウリンもぜ~んぶ俺のもの!梅ちゃんはフウリンのてっぺんで、フウリンの誰より強くて自由だからいつもそんなに楽しそうなんでしょ。そんな梅ちゃんより強いって証明できて、フウリンも手に入れられれば、今度こそ俺は自由で誰よりも楽しくなれる…。やっと、やっとだ…。やっとこの退屈な毎日が終わる…。さぁ梅ちゃん、俺によこせ~!」そう自分勝手な言葉を並べ、兎耳山は梅宮に襲い掛かった。兎耳山は小柄な体から俊敏な動きを繰り出し、それを見た蘇枋は「天然の化け物だな」とつぶやく。「なぁ兎耳山。“タラレバ”言ってるうちは、しんどいままだぞ」と言う梅宮。そんな梅宮の言葉にイラつき始める兎耳山。「だから~、梅ちゃんの言ってること、よく分かんないってば!」そう言いながら蹴りかかって来る兎耳山を、梅宮は鬼と見まがう形相で殴り返す。「そうか、分からないか。そんなことも分からない奴に俺は100%負けない」。
◆拳での会話で互いを見つめ合い、真正面からぶつかった桜と十亀「ケンカってやつはこうあってほしい」
桜と十亀がケンカで対話でき、お互いの思いに向き合ったことに視聴者からは「拳で会話できたじゃねぇか。吹っ切れた十亀との本気バトル最高だったし激アツでした」「拳で語り合う楽しさを桜に教えてくれた。十亀もなくしたものを見つけることができた。ケンカってやつはこうあってほしい」「十亀くんが気になってきた」「かっこよさに気付いてしまった…」などと注目が集まっていた。またケンカシーンの作画についても「演出と繊細な描写で見せる迫力のケンカシーンは見入るくらいカッコ良すぎた!」「バトルシーンの作画良すぎるのなに??まじでかっこいい」「ケンカのシーン、動きがよく見えて迫力えぐかった…!」など、称賛の声があがっていた。
『WIND BREAKER』第9話は6月5日(水)よる11時よりBS日テレ他にて放送予定。
原作: にいさとる「WIND BREAKER」 (講談社「マガジンポケット」連載)
監督: 赤井俊文
シリーズ構成: 瀬古浩司
キャラクターデザイン・総作画監督: 川上大志
音楽: 高橋諒
制作: CloverWorks
『WIND BREAKER』公式HP
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