アニメ『俺だけレベルアップな件』初めて人間を…っ! “闇堕ち”覚悟の無双シーンに視聴者も興奮「最高にゾクゾク!!」

2024.2.15 19:15

2月10日(土)よる12時より、アニメ『俺だけレベルアップな件』第6話「The Real Hunt Begins(“本当の狩り”が始まる)」が放送された(TOKYO MXほか)。仲間であるはずのハンターたちに裏切られ、巨大な“ボス蜘蛛(くも)”が巣くう洞窟に閉じ込められてしまった主人公・水篠旬(みずしの しゅん)。死闘の末、窮地を脱したかに見えたそのとき【ウィンドウ】が新たな“クエスト”を提示する。それは旬にとって、本当の意味で“手を血に染める”ものだった…。レベルアップして得た力で、裏切り者たちを次々に始末する旬の姿にSNSは騒然。「見たかったのはこういう展開よ」「覚悟を決めた姿が悲しくもかっこいいね」「最高にゾクゾクしたーー!!」などの歓声に加え、「ここから闇落ちしていくのか、ギリギリの所で保っていくのか」と今後の展開に期待する声も見られた。

(以下、アニメ最新話までのネタバレを含みます)

◆“不正”を疑うほどの実力

【E級ハンター】の旬は右京隼人率いる6人の“攻撃隊”に誘われ、数合わせ要員としてC級の【洞窟ダンジョン】へと挑んだ。その最奥にはざっと見積もって1億円にはなろうかという大量のマナ鉱石と、巨大な“ボス蜘蛛”の姿が…。すると右京たちが突然、“ボス部屋”を旬もろともがれきで封鎖。ボスが“満腹”になった頃合いを見て鉱石を運び出す算段だった。味方であるはずのハンターから裏切りを受けた旬は、自分と同じ“数合わせ”として呼ばれていたD級ハンター諸菱賢太(もろびし けんた)とともにC級ボスと対峙(たいじ)する…。

「諸菱君、動かないで。アイツは俺がやる」。12個の赤い眼球に、ヌメリとした長い舌、そして光沢を放つ黒い脚…。これまで戦ってきたどのボスよりも格上の相手だが、旬は自身でも驚くほどに落ち着いていた。それだけ【レベルアップ】し、強くなったのだと実感する。現在のレベルは18。最初は【筋力(STR)】ばかりに振っていた【能力値ポイント】も、【素早さ(AGI)】や【感覚(PER)】にあてる余裕が出てきた。「(C級のボスなら、やってみるだけある…!)」。ボス蜘蛛の初撃を交わし、その体を跳ね回るノミのように駆け上る。旬の右手には、逆さに構えた短剣【毒牙のカサカ】が握られていた。

旬と賢太を“エサ”にマナ鉱石を運び出す算段のC級ハンター右京隼人 彼にとって裏切りは日常の出来事だ

「あの動き、絶対E級じゃない…」。旬の戦いを遠目に見ていた賢太は、少し“引いていた”。2階建ての1軒家ほどはある巨大な体躯(たいく)の蜘蛛。旬の頭上から振り下ろされる1本1本の脚が、地面に次々に穴を開けていく。1発でも食らってしまえば致命傷…。しかし旬は全てすんでのところで交わし、隙あらばと短剣を振り当ててさえいた。肩書き以上の実力を持つのは火を見るよりも明らかで、何よりその眼光は恐ろしくさえある…。「(まさか、“不正登録者”!?)」。ハンターの中にはごくまれに【魔力】をコントロールすることができ、あえてより低い【ランク】で協会に登録する者がいるという。彼らは往々にして命を弄ぶ異常者であることが多いとうわさだが、旬は果たして……。

一方、旬も決して余裕があるわけではなかった。相手の攻撃は避けられても、こちらの攻撃も蜘蛛の表皮が硬くまともにダメージが入らない。重ねて、ウィンドウで現在のステータスを見ると【FATIGUE(疲労度)】が57%に。「(これ以上上がれば、速度も落ちる…。その前に決着をつけなければ!)」。現状を打破できるとすれば、短剣・カサカの毒牙に付与されている2つの特殊効果だろう。“麻痺(まひ)”は相手を一定時間動けなくし、“出血”は1秒につき1%のHPを奪う。蜘蛛の脚には刃が通らないが…「(奴の弱点なら、通る…!)」。カサカの短剣を強く握り、旬は赤く光る“12の目玉”に狙いを定めた。

旬のE級とは思えない戦いぶりに驚愕(きょうがく)する諸菱賢太

◆光明と暗雲

旬が敵目掛けて走り出したそのとき、ボスの口から黄緑色の液体が放射された。とっさに後退を余儀なくされた旬が見たのは、ドロドロに溶けながら煙をあげる地面。弱点を狙われたからだろうか、敵もまた、“酸”という隠し玉を見せてきた。表皮は硬く、弱点もおぎなってくる厄介な敵…。「(このまま時間がかかればジリ貧だ。強引にでも距離を詰めなければ…!)」

旬は左足を大きく後ろへ下げると、陸上の“クラウチング”のごとく低姿勢に。これまでのレベルアップで得ていた新スキル【疾走】を発動させ、体を黄色いオーラで包む。その効果は1分ごとにMPを1消費する代わりに、スピードを30%上げる。「(これで一気に懐(ふところ)へ…!)」。地面をえぐる勢いで蹴り出した旬は瞬く間にボス蜘蛛の8本の脚をかいくぐり、そのままの勢いで天井へと張り付いた。敵は完全に追い切れていない…。刹那、短剣を真下へと突き出した旬の攻撃が蜘蛛の顔面をとらえた。……だが、惜しくも狙いはずれ、硬い表皮に覆われた額に弾かれてしまう。一発でダメなら何度でも! 再び蜘蛛の攻撃を避けながらチャンスをうかがう旬。高速で動くたび、鋭い風切り音がそこら中で響いた。すると…!

「(…っ!?)」。突如、ガクッとつまずくように速度が落ちた。【FATIGUE(疲労度)70%】。よろめく旬の横腹に蜘蛛の脚が突き刺さる。気づけば体は、あたりのマナ鉱石をかき分けて地面にめり込んでいた。すかさず迫る、敵の追撃…。目の前が一瞬真っ暗になりかけたそのとき、旬の脳裏に【デイリークエスト】のある報酬が天啓のごとく浮かび上がった。

腕立て100回などのトレーニングを課される【デイリークエスト】
達成すれば“報酬”がもらえるが、しくじれば恐ろしいペナルティーが…(画像は第3話より引用)

隙をついた蜘蛛の追撃は激しい土煙こそ上げたが、そのえぐれた“だけ”の地面から脚を離したとき、旬はすでに宙を舞っていた。デイリークエストで得られる報酬の1つ【1. Full Recovery(全回復)】を、この日はまだ使っていなかったのだ。「ぅうああああぁぁ!!」。再び疾走スキルを発動した旬は、完全に無防備状態の蜘蛛の顔面に剣を突き立てる。直後、“麻痺”のデバフが発動。蜘蛛は全身を痙攣(けいれん)させながら軋(きし)むような声をあげる。……そこからは一方的だった。カサカの毒牙を突き立てるたび、“麻痺”と“出血”の効果が重なっていく。赤い目玉からは緑色の体液が止めどなく吹き出し、いつしか巨大なボス蜘蛛は悲鳴すら失ってあおむけに倒れた。旬のレベルが、21へと上がった。

「(信じられない。本当に1人でボスを倒してしまった…)」。二者の死闘を見届けた賢太は、旬が“不正登録者”に違いないと息をのむ。すっかりおびえてしまったのか、蜘蛛の体から【魔法石】を取り出している旬の背中に「水篠さま…」「お荷物は僕が…」と従順なしもべのようだ。一方、当の旬はけろりとしている。するとそこへ、どこかから聞き覚えのある声が響いた。「え?生きてんじゃん?」。見ると、ボス部屋にあいた横穴からニヤケ面でこちらを見る男たち。……あの、右京たちだった。

右京たち6人の“攻撃隊” 初めこそ善人ぶっていたが、今となってはそのたくらみを隠すそぶりもない
(画像は第5話より引用)

◆その手を汚す覚悟

「この蜘蛛、でかいだけかよ」「D級に負けるって弱すぎじゃね?」。右京たちから見れば、“そう”思わざるを得なかった。倒れたボスの傍らには最下級クラスのハンターが2人。そのうち“マシ”なD級の賢太が、身につけたやけに豪華な装備品の力で窮地を脱したのだろうと。右京の見立てでは、賢太の装備は剣と盾だけでも数千万円はする。それらを買い与えた彼の父親は、国内屈指の大手企業「諸菱建設」の会長だったのだ。

とにもかくにも、ボスが討伐されたなら間も無くダンジョンは“閉じて”しまう。その前に大量のマナ鉱石を運び出すことはもはや不可能。右京は豪華絢爛(けんらん)な賢太を見てニヤリと笑みを浮かべると「お前に機会をやろう」と、ある提案をする。それは、“水篠を始末して共犯になれば見逃すが、従わなければ2人とも消す”、という苦渋の選択。防犯カメラなどないダンジョンの中では、何が起ころうとも外に“漏れる”ことはない。右京の周りに立つハンターたちは、すでに剣を抜いてこちらをうかがっていた…。

だが、賢太は冷や汗を垂らしながらもあらがった。旬を守るように盾と剣を構える。右京はまるで震えるうさぎでも見るかのようにハァッとため息をつくと、背中の長剣をゆっくりと抜いた。敵意と悪意をむき出しにした6人が一斉に旬たちへ歩み寄る。…戦うしかないのか? 旬が決意を固めるより先に、目の前には新たなウィンドウが突如として出現。そこには【緊急クエスト:敵を倒せ】の表示とともに、こう書かれていた。【このクエストを完了しないと心臓が停止します】

右京たちの非道なやり方は、皮肉にも旬の“覚醒”を手助けしてしまう…

「…なんなんだ、これ?」。目の前の状況が飲み込めず、立ち尽くす旬。その顔面をハンターの1人が放った魔法攻撃が直撃。後方へ吹き飛ばされた旬は天井を見つめながら、“どうして忘れていた?”と自問自答を始める。ここはどこよりも弱肉強食の世界。そして、暴力と欺瞞(ぎまん)と裏切りに満ちた世界だ…。

先ほどのウィンドウがぼやけた視界に映る。敵を倒さなければこちらの命を奪うなど、まるでこの【システム】が賊害を強制しているかのようだ。「(…これは偶然でも善意でもない。システムが必要としているんだ……。強い俺を!)」。利用されるなら、自らもそれを利用するまで…。旬はゆっくりと立ち上がると、一歩、また一歩と右京たちへ近づいていく。その表情はうつむいていて見えないが、何かボソボソとつぶやいていた。「はぁ? 何だって?」。煽(あお)るように尋ねるハンターたちに、旬はひどく冷たい目を向けて言った。「お前たちもハンターなら、狩られる覚悟ができてるはずだよなって聞いてんだ」

…ウィンドウのクエスト達成条件には、【0/6】と表示されていた。旬は“敵”が気づかぬ間にカサカの毒牙を取り出すと、「イキったE級ごときに何ができるってんだ?」と肩に腕を回してきた男の首にそっと添えた。ゴロリと音を立てて転がる首。旬の冷ややかな顔を、まだ温かい血しぶきが汚した。「(俺は今、人を…)」。だが、やらなければ自身の心臓が止まる。もう引き下がることはできない…。ウィンドウの表示が【1/6】に変わった。

敵を見下ろす旬

そこからはただ数字を重ねていく単純作業だった。敵が振り下ろした剣を避け、背後に回って首を刺す。こちらへ突っ込んでくる敵の勢いを利用して、そのみぞおちに短剣をねじ込む。武器の特殊効果、“麻痺”と“出血”も活用しながら、気づけば数字は【5/6】。「…い、一瞬にしてうちのを全員? 実力を隠してたのか…ボスもお前がやったんだな!?」。事態をようやく飲み込み始めた最後の1人となった右京は、自らの防御力を高めるスキルを発動し応戦。旬の真正面から飛び掛かるが、その“鋼の肉体”を、旬は膂力(りょりょく)だけで文字通り押し倒した。

「助けてくれ、金なら払う…! ここにあるマナ鉱石も魔法石も全部くれてやるよ!」。今の旬が右京の命乞いなどもはや聞くはずもなく、ただただ落ち着いた口調で言い捨てる。「ダンジョンで起きたことは外部には漏れないって言ってなかったっけ…?」。命の終わりを悟った右京は、目を大きく見開いて騒ぎ始める。「テメェ! 俺の弟が誰だか知っ……!?」。瞬間、右京の首は胴体から刈り取られた。できた亡きがらは6つ。数字は【6/6】になり、クエストは完了したのだった。

――閉じていくダンジョンをあとに、旬たちは外へと脱出。夕暮れの空からはポツポツと雨が降り始めていた。その冷たさを手のひらに感じながら旬は、“傘を持たせてよかった”とつぶやく。…それは死闘を繰り広げたこのC級ダンジョンへ踏み入る前の出来事。雨が降るかもしれないからと、妹の葵に折り畳み傘を持たせた。そんな何気ない日常だった――。

【公式サイト】
【作品公式 X(旧 Twitter)】@sololeveling_pr (※推奨ハッシュタグ:#俺レベ #SoloLeveling)

画像提供:©Solo Leveling Animation Partners

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