アニメ『俺だけレベルアップな件』 “成長しすぎ”な主人公に視聴者総ツッコミ「作画変わった?(笑)」
2024.2.7 18:452月3日(土)に放送されたアニメ『俺だけレベルアップな件』第5話(TOKYO MXほか)。【インスタンスダンジョン】での戦いを通して大きく“レベルアップ”した主人公・水篠旬(みずしの しゅん)はその後も地道に体を鍛え、いつしか周囲から「あんなイケメンいた!?」とささやかれるまでに“成長”。そのりりしい姿は当初とはもはや別人レベル…。急激な変化に驚く視聴者も数多く、SNSでは「主人公、シュッとした!」「こんな顔してたっけ?筋トレの効果パネー」「顔も体も変わりすぎだろww」など、ツッコミを入れつつ楽しむ様子が見られた。
(以下、アニメ最新話までのネタバレを含みます)
◆“注目”
「ねぇねぇ見た?」「見た見た、あのE級でしょ」。看護師たちのウワサ話。「最初はパッとしなかったんだけど筋トレしてるうちにみるみる細マッチョになったんだって!」「ほんとに?そんなすぐマッチョになるわけないじゃん」。ある者は憧れの目で、ある者は疑いの目で、しかし喜々として話していた。
ウワサの的は、インスタンスダンジョンから入院先の病院へ戻ってきた旬。【沼の王・青毒牙のカサカ】との激闘を制し、人知れず巨大なゴーレムを“一撃”で倒した後も彼は【ウィンドウ】のシステムに従い、体を鍛えていた。腕立て100回、腹筋100回、スクワット100回、ランニング10㎞。退院後も“それ”は続き、全身はすっかりバキバキに。自宅では妹の葵からも「男って大人になっても背伸びるんだ」と驚かれた。
現在の“レベル”は18。【ステータス画面】を見ると【筋力(STR)】は48、その他【体力(VIT)】【知能(INT)】などは27。力はついてきたが攻撃があたらなければ意味がない。この日は余っていた【能力値ポイント】を【素早さ(AGI)】中心に割り振った。直後、スマホが鳴る。大家からの家賃の催促だった。「すみません!すぐに振り込みます」
…旬にはお金が必要だった。家賃以外にも妹の進学費用、そして母親の入院費を稼がなくてはいけない。そのためには報酬が期待できる高ランクの【ゲート】に潜るのがベストだが、【E級ハンター】である旬の元にはそもそも“回って”こない。ステータスを強化した今の状態で【ランクの再審査】を受けて見るのも手だが、“レベルアップしてどんどん強くなるハンター”など、ただ余計な注目を浴びるだけだろう。「(…やめとこう。せめて自分の身を守れるようになって、この力の正体がつかめるまでは)」。そう心に決めた旬の背中を、スマホの通知音が押す。それはE級でも参加可能なCランクゲートの報(しら)せだった。
◆新たな仲間?
「どうも!」。ヒゲをたくわえた屈強な男が、陽気な笑顔で旬に声をかける。「右京隼人です」「水篠旬です」。握手をしながら簡単な自己紹介を済ませる。 Cランクゲートの発生現場にはすでに他のハンターたちが集まっていた。その中には旬のことを「あっ、この人知ってる!あだ名は確か…“人類最弱兵器”だっけ?」と笑う者もいたが、すぐさま右京が「すみませんね、うちの者が…」と誠実さを見せた。
今回の旬の役割は言ってしまえば“数合わせ”だ。C級ダンジョンへ入るには最低8人が必要で、その半数以上がC級ハンターでなければいけない。右京が「うちの者」と呼んでいたハンターたちで、すでにC級が4人、D級以下が2人そろっていた。そこへ加わったE級の旬は“戦力外”。右京の指示で食料や採掘道具、救急箱などがパンパンに詰まったリュックを持ち運ぶことになるのだが、“そこ”に旬は引っかかった。
「まさか、【ヒーラー】無しで行くんですか?」。経験上、旬はケガを治せるヒーラーの重要性が身に染みていた。しかし右京は「うちはいつもこれでやっている」と、笑顔で肩をたたいてくる。その異様なまでの“明るさ”を旬はいぶかしみながらも、“ダンジョン内で起こる事故に関しては一切責任を負いかねる”と書かれた契約書にサインするのだった。そこへ…。
「どうやら僕たち、“お仲間”のようですね」。旬に声をかけてきたのは、21歳のD級ハンター・諸菱賢太(もろびし けんた)。爽やかな笑顔に整った短髪。そしてD級らしからぬ絢爛豪華(けんらんごうか)な武具防具。旬と同じ数合わせで呼ばれた賢太だが、その身なりからかなりの“ボンボン”であることがうかがえる。「C級ダンジョンは初めてですか?大丈夫、僕が守って差し上げます!」。能天気さはあるが、気のいい奴ではあるようだった。これで合計8人。一行はC級ダンジョンへと足を踏み入れた。
◆ウマすぎた話
「コージ、“灯り”つけてくれ」。右京が仲間へ指示すると、真っ暗な洞窟の内壁が浮かび上がった。壁面には大小様々な穴があいており、奥へ進むにつれて赤アリのような昆虫モンスターが群れを成して襲ってきた。対する右京たち“攻撃隊”の連携はなかなかだった。“タンク”の役割である右京が【挑発スキル】で敵の注意を引きつけ、その隙を他のハンターが突いていく。「(…いい連携だ。長い間このメンバーでやって来たってのがよく分かる。だけど、ずっとヒーラーがいなかったからなのか、やや粗い)」。D級の賢太も装備の恩恵を受けながら善戦。荷物持ちの旬は周囲の戦いを冷静に分析しながらも、“自分なら…”ともどかしさを感じていた。
「よっしゃ終了!【魔法石】は全て持ち帰って七等分だ!」。パチンと手をたたき、右京が周りに合図する。倒したモンスターから獲得できる魔法石は“金”になるほか、良質な装備を作る材料となる。今回参加しているハンターは8人だが、戦わないE級の旬は“その数”に含まれない。しかし代わりに現金20万円が支払われるこの契約は、決して悪くない話。……いや、ウマすぎる話なのかもしれない。
「隼人さん!これ、見てください!」。魔法石を集めていたコージが不意に右京を呼ぶ。見ると、倒れたモンスターの中に“かみちぎられた痕”を残すアリがいた。それも1匹や2匹ではない。剣による切り傷でも、魔法による火傷でもないということは…。「モンスター同士で縄張り争いでもしてたのか?」「ということは、こいつらより強いモンスターがいるってことですよね?」。さらなる“獲物”のニオイをかぎつけた右京は“ほほう…”と心の中でつぶやく。その表情には、旬に見せていた笑顔からは想像もつかないほどの影が差していた。
そんな右京の背中を、旬はやや離れたところから見つめていた。そして、モンスターを倒せたことに一人はしゃぐ賢太に“忠告”する。「諸菱くん。その剣と盾、“結構した”だろう」「はい。初めての【レイド】なんで、父さんがいいのを買ってくれたんです」「そうか。うまく説明できないが……、気を付けた方がいい」
一行はやがて、広大な空間にクモの糸のようなものが張り巡らされた“ボス部屋”へたどり着いた。内壁には一面【マナ鉱石】が埋まっており、輝きを放っている。「やべ~! 大量だ!」「魔法石ほど値は付かないけど、この量はざっくり見積もっても1億はあるぞ!」。興奮する“右京組”のハンターたち。だがその頭上では、巨大なクモのボスモンスターがスヤスヤと寝息を立てていた。ボスを倒すとゲートはすぐに閉じてしまうため、マナ鉱石を運び出すなら今しかないが…。
すると右京たちは、突如白々しいほどの掛け合いを見せ始めた。「まさかマナ鉱石がこんなにあるなんて思わなくて、運搬装備は車に置いてきちゃいました」「おい、ちゃんと持ち歩けっていつも言ってんだろ」「ほんとすんません!」。謝るハンターの顔は、実にヘラヘラとしている。そしてまるで決まり文句のように、右京は旬と賢太に告げた。「お2人でここを見張っててもらえませんか。装備を取りに行ってきます」
「大丈夫ですよ」「俺を信じてください」。舌先三寸で“置いていく”理由を並べながら、右京たちはボス部屋を出ていった。直後、部屋の入り口が土煙を立ててふさがれていく。「(やはり、あいつら!)」。……ハンターの仕事に事故は日常茶飯事だが、ダンジョンの中には防犯カメラもないため、いざ“事”が起こっても世間に知れわたることがない。それはつまり、犯罪を犯しても露見しないということでもある。
“ハメられた”2人に追い打ちをかけるように、右京たちが起こした“地響き”でボスが目を覚ます。十を超える赤い単眼を光らせ、ヌメリとした長い舌を遊ばせて咆哮(ほうこう)する。立ちすくむ賢太に、旬は落ち着いたトーンで声をかけた。「諸菱君、動かないで。あいつは俺がやる…」。その右手には、インスタンスダンジョンで倒した大蛇から手に入れた短剣【カサカの毒牙】が握られていた。
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