アニメ『葬送のフリーレン』“笑うゼーリエ”が一瞬だけ映る!? 結界破壊の“神演出”に視聴者感動「鳥肌立った」

2024.2.6 19:15

2月2日に放送されたアニメ『葬送のフリーレン』第21話。離れて戦うカンネたちのため、フリーレンは試験区域を覆う結界の破壊を試みる。彼女の圧倒的な実力もさることながら、まるでガラスが割れるかのような美麗なアニメーションは圧巻の一言。さらにSNS上では、“結界破壊”の魔法を使う瞬間に「ニヤリと笑うゼーリエの姿が重なっている」と話題に。「よく見たら…」「鳥肌立った!」など、多くの驚きと感動の声が寄せられている。

(以下、アニメ最新話までのネタバレを含みます)

◆“魔法”というものは…

3人一組のパーティー戦として始まった“一級魔法使い試験”の第一次試験。フリーレン、カンネ、ラヴィーネの3人は合格条件の一つである〈隕鉄鳥(シュティレ)〉を捕獲した矢先、デンケン率いる第13パーティーの急襲により“横取り”されてしまう。タイムリミットとなる日没が迫るなか、杖(つえ)を構えてにらみ合うフリーレンとデンケン。実力者同士の戦いに呼応するかのように、試験区域を覆う“結界”の外では大粒の雨が降りしきっていた…。

「〈バルグラント(大地を操る魔法) 〉」。第13パーティーの1人・リヒターが地面に手を添えると、周囲の地表が丸ごと上空へ“伸びて”いく。遠くから見れば、まるでそこに新しい大地が生まれたかのような隆起。その目的はフリーレンとカンネたち2人の、文字通りの“分断”。デンケンがフリーレンと“サシ”でやりあうための作戦だ。

リヒター デンケンと協力し合うも、“魔法使い”に対する考え方は異なるようだ

「特権などくだらん…」。“地面”とともに上っていくリヒターを横目に、デンケンがそう吐き捨てた。彼が言う”特権”とは、一級魔法使いに選ばれた者だけが“どんな魔法も一つだけ望み、与えてもらえること”を指す。大陸魔法協会の創始者である大魔法使いゼーリエが、それを可能にしているのだ。リヒターをはじめ、魔法使いであれば喉から手が出るほど欲しいであろうその特権に、デンケンはことさら興味がなかった。

「どうしてそう思うの?」。フリーレンが尋ねると、デンケンは「聞くほどのことでもあるまい」と前置きし、こう答えた。「魔法というものは、探し求めているときが一番楽しい…」。その表情は豊かな口ひげの下に隠れて見えないが、彼の返答にフリーレンは思わずほほ笑む。「いいね。魔法使いはこうでなくちゃ…」

かく言う彼女も、過去に“同じ回答”をしていた。それはかつて、師・フランメとともにゼーリエに謁見(えっけん)したときのこと。「望む魔法を言うがいい。一つだけ授けてやる」と誇らしく笑うゼーリエに、彼女は表情も変えず「いらない」と即答。そんな弟子の姿をフランメは、“平和な時代の魔法使いだ”と評していた。

フリーレンと対峙(たいじ)するデンケン モノクルの奥に何を思うのか…

◆高みに来て、なお…

宙を舞う2人の魔法使い。互いの“攻撃”は交錯し、両者の間に幾重(いくえ)もの光の線を生み出していた。だが、時間とともに形勢は傾き始める。単発と連射を組み合わせるフリーレンの巧みな魔法攻撃に、デンケンは自ずと手数を減らしていた。「(…このままでは魔力を削られて終わるな)」。防御魔法を展開しつつなんとか反撃の機会をうかがうデンケンは、あえて〈浮遊魔法〉を解き、地上から狙いを定めた。

「ヴァルドゴーゼ〈竜巻を起こす魔法〉、ダオスドルグ〈風を業火に変える魔法〉」。デンケンは2つの魔法を掛け合わせ、勝負に出る。土煙をまき散らしながら立ちのぼる巨大な竜巻が、炎をまとってさらに勢いを増す。そのあまりの巨大さに、“炎の竜巻”は試験区域を覆う結界にまで届き、行き場を失った“先っぽ”が薔薇(ばら)のように広がっていた。

「……派手にやるなぁ。あの爺(じい)さん」。デンケンたちの戦いを離れた場所で見ていた試験官ゲナウが、“ティータイム”に興じながらつぶやいた。すさまじい勢いで燃えのぼるデンケンの魔法を見てなお、カップを持つ手は崩さない。彼いわく、結界は大魔法使いゼーリエが施したもので、力技で破壊できるような代物ではない。この世にゼーリエを超える魔法使いなどいようはずがない。ましてや結界を破壊するなど、天地がひっくり返ってもありえない…。

デンケンに魔法を放つフリーレン その表情には一切の焦りもない

そんなゲナウの高みの見物などつゆ知らず、何千年も生きた大樹のような炎の中からフリーレンがその姿を現す。防御魔法で全身を覆いながらも、彼女は息一つ乱さない。「くッ……!!」。デンケンは歯を食いしばるように構え直すと…、「カタストラーヴィア〈裁きの光を放つ魔法〉」。十字架のような、矢のような光が、無数の弾道を描きながらフリーレンの防御魔法へ突き刺さっていく。広がる爆煙を見つめるデンケン。刹那、その目の端にとらえたのはフリーレンからのありえない反撃だった。「…ッ!?」。間一髪で防御魔法が間に合うが、“攻撃に転じる隙などなかったはず…”と思考するその合間に、気づけばフリーレンの杖先が目の前に迫っていた。

隙をつかれたデンケンは、フリーレンの追撃ではるか後方へと吹き飛ぶ。よろよろと体を起こしながら、自身の魔力切れを悟る。信じられなかった。フリーレンは最後まで基礎的な戦闘魔法しか使っていない。これではまるで、見習い魔法使いに対する指導試合。「驚いた。これほどの高みに来てまだ上がいるとはな…」

一方のカンネたちはリヒターに苦戦中…

◆“天地逆転”

圧倒的な実力を見せつけたフリーレン。宮廷魔法使いのデンケンは、今やすっかり及び腰だ。フリーレンは彼を“人質”にとると、近くの茂みに潜むもう1人の敵・ラオフェンをおびき寄せ、無事にシュティレを奪還する。

彼女が次に目を向けたのは、地面が隆起した“上空”。カンネたちは今もリヒターと戦いつづけている。「ガキどもを助けに行った方がいいんじゃないか?」。デンケンはそう助言しながらも、カンネたち2人の命がすでに奪われている可能性を語る。しかし、フリーレンはあっさりと答えた。「それなら大丈夫だよ。カンネ達が勝つ。“結界の解析”が丁度終わった」

まるで突然降ってきた雨粒を確かめるように、フリーレンは胸の前で両手を広げた。その所作に、“解析”という彼女の言葉でハッとしたデンケンが思わずつぶやく。「フリーレン、まさかお前は……」。直後、白とも虹色とも見える光の粒がフリーレンの両手に集まっていく。やがてそれらは大きな一つの閃光(せんこう)となり、風景の色を変えながら空へと伸びた。そして結界もまた、波打つ水面のように色を変えていく。その様子はさながら世界の創生を思わせた。

…大魔法使いゼーリエが試験区域に施した”不可侵”の結界が、ガラスのように音を立てて砕けた。ただただ驚くデンケンたちに、フリーレンは穏やかに言った。「カンネが可哀想(かわいそう)だったからね、魔法は自由であるべきだ」。彼女の狙いは、結界を破壊して試験区域に”雨”を降らせること。水を自在に操るカンネなら、雨の恵を受けることでリヒターに勝てると踏んだのだ。そしてその読みは的中する。直後、隆起した地面から滝のような水があふれ出すと、その中に情けない格好で流されるリヒターの姿があった。

ーー「やってくれたな、フリーレン。千年振りだというのに、随分な挨拶(あいさつ)じゃないか」。結界が壊されたことを、どこか宮殿のような場所に座すゼーリエも感じとっていた。足を組み、肘をつきながら笑みを浮かべる。「これだから魔法使いはやめられん。魔法の世界では天地がひっくり返ることもある」

フランメとゼーリエも師弟関係 ゼーリエにとってフリーレンは孫弟子にあたる

◆あなたは気づいた? 一瞬だけ映る“笑うゼーリエ”

かなりの実力者であるデンケンを、フリーレンが圧倒的な力で押し負かした今話。その迫力の戦闘シーンで高鳴ったであろうファンの心は、“ゼーリエの結界を破壊するシーン”でさらに盛り上がりを見せた。 放送後のSNSでは「美しい描写と作画で思わず目が釘付(くぎづ)け」「原作の数コマが壮大な音楽と映像が合わさるとこんなに美しくなるのかと感動」など、多くの熱いコメントが寄せられた。

そして実は、フリーレンが結界を破壊する魔法を使う際に一瞬だけゼーリエとおぼしき姿が描かれている。コマ送りにしてやっと目視できるほどわずかな演出だが、なんと視聴者の中にはそこに気づいた人も。「再生速度落として見たらほんの一瞬だけゼーリエのシルエットになってる!恐ろしい作画だな…」「5回見てもわからなくて、コマ送りしたらようやくわかったww 」「神演出!」など、驚きと歓喜の声が上がっていた。

次回『葬送のフリーレン』第22話「次からは敵同士」は、2月9日(金)「FRIDAY ANIME NIGHT(フラアニ)」(全国30局ネット)にて放送予定だ。

©山田鐘人・アベツカサ/小学館/「葬送のフリーレン」製作委員会

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