アニメ『葬送のフリーレン』 幼なじみの新キャラコンビ“ラヴィカン”が視聴者から早くも人気「このイチャイチャ好き」

2024.1.18 17:30

1月12日に放送されたアニメ『葬送のフリーレン』第18話。ついに一級魔法使い試験が開始され、これからの活躍を予感させる新キャラクターたちが多数登場。中でもフリーレンとチームを組むことになった幼なじみの2人「カンネ」「ラヴィーネ」のコンビが視聴者から早くも人気に。“シュタフェル”のように“ラヴィカン”と呼ばれているほか、「めんどくさい彼女かよ」「このイチャイチャ好き」など、その関係性とやりとりに好感の声が上がっている。

(以下、アニメ最新話までのネタバレを含みます)

◆意外な戦績

勇者ヒンメルの死去から29年後。フリーレンたちは高台の上から湖の中心にそびえる巨大な都市を見下ろしていた。大魔族アウラを倒した一行が長い時間をかけ目指してきた、北側諸国最大の魔法都市〈オイサースト〉だ。その目的は、“一級魔法使い選抜試験”。ここから先の北部高原には狡猾(こうかつ)な魔法を操る魔物が多く、もともと僧侶と優秀な魔法使いがいなければ越えられない難所だと言われている。その上、今は情勢がだいぶ悪く人の往来が制限されている。通るためには“一級魔法使い”の資格を持った者の同行が必要になるのだ。
ところが、フリーレンがポツリとつぶやく。「別に資格を取るのは私じゃなくてもいいと思うけどね。フェルンが取ればいいじゃん」。1000年以上を生きるエルフの魔法使いにフェルンはあきれながら、重たい表情で“試験”の厳しさを語る。「一級魔法使いというのは、魔法使いの中でもほんの一握りの熟練の魔法使いなんですよ? 私なんかでは無理です……」。自信なさげに話す弟子の言葉にフリーレンは「ふーん?」と生返事。だが、試験自体には関心を持っているようで「実践もあるみたいだし。対策を考えないと」と、オイサーストへ着いてからの準備を思案する。
フェルンは不思議に思った。「フリーレン様の魔力ならどんな試験内容でも余裕なんじゃないですか?」。対内外の魔力量を常に制限している今でさえ、フリーレンの“それ”は熟練の老魔法使いを感じさせる。しかし、彼女の口から語られた“事実”は意外なものだった。「私は今までの人生で、自分より魔力の弱い魔法使いに11回負けたことがある。そのうち4人は魔族、1人は私と同じエルフ。そして残りの6人は人間だよ」

コミカルな表情を見せる2人 オイサーストに着くなり、ある問題に直面する

◆聖杖の証

オイサーストに到着した一行は、ひとまず試験の受付をしている大陸魔法協会へ。そこでは一級魔法使いの試験が2か月後に行われること、試験は3年に1度しか行われないこと、そして受験資格に“五級以上”の魔法使いの資格が必要だと知らされる。フェルンは三級魔法使いの資格を持っているが、フリーレンは無資格の“闇魔法使い”だった。
「フェルン、任せたから」。足早に去ろうとする師。その手を冷めたまなざしの弟子が捕まえる。「私ひとりじゃ無理です!」「……イケるって」。一級の試験は3年に一度。もしフェルンが落ちてしまったら、資格を持つ別の魔法使いを雇うのにお金もかかる。「また毎日、おやつ抜きになってしまいます!」。弟子からの必死の訴えにフリーレンはようやく諦めると、しぶしぶ〈聖杖の証〉を取り出した。そのさびた首飾りは、彼女自身が魔法使いであることを示してくれるというが、フェルンにとっては単なる骨董(こっとう)品にしか見えなかった。ところが……。
「ちょっと君、それ見せてもらってもいいかな」。近くで2人の会話を聞いていたローブ姿の老人が、不意に声をかけてきた。老人は〈聖杖の証〉をまじまじと見つめると、その額に汗をにじませて息をのむ。“それ”の価値を知っているのか、老人は軽くせき払いをした後、「一級試験を受けられるおつもりですか?」と、打って変わって敬語口調に。フリーレンは謎の老人の計らいにより、なんとか無事に受験資格を得るのだった。
……2か月後の試験に向けて、フリーレンとフェルンは街の図書館で情報を集めながら修行に励む。大陸魔法協会の規定によると、魔法使いは一般的に五級から“一人前”と呼ばれ、現在その総数は600人。見習いの六〜九級を含めた全体では2000人の魔法使いがいるが、その中で一級は45人。一級試験では合格者が出ないことも多く、当たり前のように死傷者が出ているという。

一級試験に各地から集う強者の中には不穏な輩も…… 緑髪のユーベルもそのひとり

◆不穏な組分け

「今年はなかなか粒ぞろいですなぁ」。試験当日、丸メガネをかけた試験官のひとりが会場に集まった受験者たちを見てつぶやいた。不敵な笑みを浮かべる銀髪の青年は、長年に渡り魔王軍の残党と戦ってきた北部魔法隊隊長のヴィアベル(二級)。たっぷりの口ひげと顎ひげをたくわえた片眼鏡の男は、血みどろの権力争いを勝ち抜いて宮廷魔法使いの座についたデンケン (二級) 。有望そうな魔法使いを一人ひとり見つけていくその中には、フェルンの姿もあった。史上最年少で三級試験をトップの成績で合格したとして、さっそく試験官のお眼鏡にかなっていた。
「まぁ、問題児もいますが……」。視線の先には、緑髪のサイドテールをした三級魔法使いユーベル。2年前の二級試験の際、試験官をしていた一級魔法使いの命を奪ったことで失格処分になったという……。ちなみにフリーレンは、「なんか……熟練の老魔法使いみたいな魔力してる人いる」と、ただただ不思議に思われて終わっていた。
「それでは第一次試験の内容を発表する」。壇上に立つ、七三分けをした試験官ゲナウ(一級)が言った。「総勢57名。3人1組のパーティに分かれ、試験を受けてもらう」。すると、フリーレンたちの手元に数字で【Ⅱ】と刻まれた腕輪が現れる。フリーレンは“面白い”と思った。同じ数字の腕輪を持つ3人が即席のパーティを組むこの試験でまともな連携を取るのは難しい。誰と組むことになるのか、第一印象も大事だろう。そんなことを考えていたフリーレンの目に飛び込んできたのは、馬乗りになられながら汚い言葉を吐くオレンジ髪の少女と、そんな彼女の髪を手綱のように引っ張る青い瞳の少女。2人の腕輪には、【Ⅱ】と刻まれていた。……そして一方、フェルンの方のパーティには、あのユーベルの姿があった。

北部魔法隊隊長のヴィアベル(二級) 不敵な笑みは何を思うのか

◆私のいいところ

第一次試験は、広大な湖を有したグローブ盆地に場所を移して行われた。その合格条件は『試験区域の中にいる〈隕鉄鳥(シュティレ)〉という小鳥を捕まえ、パーティメンバーが全員そろったまま翌日の日没を迎える』というもの。試験官の説明を聞きながら、カンネとラヴィーネはどちらが小鳥を入れるカゴを持つかでケンカをしていた。フリーレンはなんとか“自己紹介”まで持っていくと、2人が対照的な性格であること、そして同じ魔法学校の出身であることだけは分かった。
ひとまず3人は〈隕鉄鳥(シュティレ)〉を探し出して観察することに。しかし試験区域の広大な森から“ターゲット”が残すわずかな痕跡を探すうち、また同じ“問題”が起こる。歩き疲れたカンネを見かねたフリーレンが休憩を提案すると、「だらしねぇな」「私はまだ動けるから先見てくるよ」とラヴィーネがぼやき、それに対してカンネが「まとまって動いた方が安全だって」とすぐさま反論。またもやケンカが勃発してしまうのだった。フリーレンがあきれながらも、ふと「ラヴィーネは強いの?」と尋ねると、ラヴィーネは「……あんたとは戦いたくねぇ」と一言。冷静な観察眼と慎重さをうかがわせるその返答に、フリーレンはラヴィーネの単独行動を許可する。ただ一つ、「空には気をつけてね」とだけ付け足した。
ラヴィーネはあっという間に“ターゲット”を見つけて戻ってきた。3人で現場へ向かうと、水面にはオレンジ色の小鳥が一羽。フリーレンは「よくやった」とラヴィーネを褒めながら、さっそく〈隕鉄鳥(シュティレ)〉の様子を観察し始める……はずだった。いきなり、おもむろに立ち上がったカンネが魔法を使い始め、水面の様相を変え始めた。驚き飛び去ろうとする〈隕鉄鳥(シュティレ)〉を、渦のように立ち昇った水が追いかける。「逃げられるよ……」。そうフリーレンがつぶやいたのも束の間、「いや、上出来だぜ、カンネ」。同じく立ち上がったラヴィーネの放った魔法が、立ち昇った水を一瞬にして氷へと変化させて“ターゲット”を捕らえる。圧巻の連携技を前に、歴戦をかいくぐってきたフリーレンも「へえ……やるじゃん」と称賛した。
しかし、実は〈隕鉄鳥(シュティレ)〉は、極めて頑丈で、最高速度は音速を超える特性を持つ。2人の“拘束”を簡単に振りほどくと、耳を切り裂くほどの高音と湖を切り裂く衝撃波を残し、遠く彼方へ飛び去ってしまう。結局、“ターゲット”を捕まえることはできなかったが、フリーレンは息を合わせたような2人の的確なコンビネーションを振り返り、「どうなることかと思ったけど、これならなんとか……」と安堵するのだった。

カンネとラヴィーネ

気づけば時刻は夜。食事を共にした後、3人は野営で眠りについた。……夜中、カンネがふと目を覚ます。「何か音が……」。その正体は小さい雨音のようだったが、しかし雨など降っていない。ひとり高台から空を見上げたカンネは、試験区域を囲む結界によって雨が試験区域には入ってこないことに気がつく。「ってことはもしかして……」。カンネがさらに何かに気がついたそのとき、不意な攻撃が彼女に襲いかかった。背後から首を狙うようにして襲来した大型の鳥の魔物。その鋭いかぎ爪によって、カンネは地面に押さえつけられてしまう。魔法使いの命でもある杖(つえ)さえ手放してしまい、まさに絶体絶命……。そんな状況で彼女の口から出た言葉は、“ケンカ相手”の名前だった。「ラヴィーネ……」
その瞬間、巨大な鳥を背後から拘束魔法が襲う。「空には気をつけろって言ったでしょ」。フリーレンの機転によってなんとか危機を脱したカンネ。彼女が落ち着きを取り戻した頃、フリーレンはある疑問を投げかける。「ラヴィーネの名前を呼んでいた」。カンネはラヴィーネとケンカばかり。嫌いな相手をなぜ呼んだのか、そして「どうして2人は連携が取れているんだろう。不思議だ」。少しの沈黙の後、カンネは晴れやかな顔で話し始める。「私ってさ、意外と臆病で。いざってときに何もできなかったりすることがよくあるんだ。初めての飛行魔法の実習のときもそうだった……」
……カンネは思い出していた。あれは魔法学校時代、眼下にそびえる湖を前に飛び出す勇気が出せなかったカンネは、周りの生徒たちに置いていかれていた。ただひとり、ラヴィーネをのぞいて……。彼女はカンネを鼓舞するように語りかけてはいたが、その口調は強かった。カンネはうつむいたまま「私はね、褒められて伸びるタイプなんだよ」と、ボソリとつぶやく。あきれたラヴィーネが「そんなんで飛べるってんなら、いくらでも優しくしてやるよ」と返すと、「じゃあ私のいいところ言って……」と甘える。冗談だろと、最初は真に受けないラヴィーネだったが、今にも泣きそうなカンネを前に“本音”をこぼし始める。「本当は臆病なくせに頑張っているところ」「隠れてたくさん努力しているところ」「周りのことをよく見ていて気遣いができるところ」「笑っている顔が可愛いところ」。……ラヴィーネは乱暴だが、自分のことを引っ張ってくれる。カンネもラヴィーネの“いいところ”をちゃんと知っていたのだ。

強者と思われるデンケンは別パーティ どこかで戦うことになるのだろうか

◆新たな“カップリング”「ラヴィカン」に視聴者からさっそく好感の声

今回の放送で特に注目されたのが、新たにフリーレンの仲間となったラヴィーネとカンネのコンビ。ネット上ではさっそく新たな“カップリング”「ラヴィカン」として定着し始めており、「このイチャイチャ好き」「めんどくさい彼女かよ」「追い詰められたときに大切な人の名前が出るものだ」など、2人を暖かく見守る声が 飛びかった。中には、ザインの名言になぞらえて「もう付き合っちゃえよ!」とツッコむファンも多く見られた。

次回『葬送のフリーレン』第19話「入念な計画」は、1月19日(金)よる11時30分から「FRIDAY ANIME NIGHT(フラアニ)」(全国 30 局ネット)にて放送予定。

©山田鐘人・アベツカサ/小学館/「葬送のフリーレン」製作委員会

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