【単独取材】『下剋上球児』で俊足の野球部員を演じる橘優輝「スライディングに自信があります」
2023.11.5 18:00高校野球を通して、教育や地域、家族が抱える問題なども描かれる人間ドラマ、日曜劇場『下剋上球児』。毎週日曜夜9時からTBS系で放送中の今作品は、三重県立越山高校の野球部が甲子園に出場するまでの3年間の軌跡を追う。そんな野球部の部員で俊足の外野手、久我原篤史を演じるのが、俳優の橘優輝だ。2023年7月期土曜ドラマ『最高の教師 1年後、私は生徒に■された』でクラスの問題児を演じ、その存在感が話題となった。今回も学生役だが、明るくムードメーカーというキャラクターを演じる。そんな彼に、撮影の様子やドラマの魅力について話してもらった。
■人見知りの壁さえなければ、久我原とはすごく似ている
――橘さんは『最高の教師 1年後、私は生徒に■された』に続き、今回の『下剋上球児』でも久我原篤史という、高校の野球部員の学生を演じていらっしゃいますね。撮影の際、苦労された点などありましたか?
この前、他校の女の子に話しかけるシーンがあって、結構アドリブをいれなくてはいけないとなった時に、“しゃべれない!”という感覚になりました。もともと人見知りなので。
――突然、人見知りモードが出てきてしまうのでしょうか?
何をしゃべったらいいのか分からないですし、思い切って話した時に反応が薄かったら、本当にどこかに行きたくなります(笑)。しかも女の子は1人ではなくて、20人くらいいるところに入っていくので、緊張しました。
――女子の集団に話しかけるのは、人見知りでなくても大変そうです。
なんとか無事に乗り越えて、大丈夫だったと信じています(笑)。今回の『下剋上球児』の学校は男性が多いので、まだ大丈夫ですね。
――久我原は野球部の中ではムードメーカーだそうですが、どんな立ち位置を意識していますか?
明るいんですけれど、周りを鼓舞しようというキャラクターではないんですよね。キャプテンはまた別にいて、テンションが高い人、みたいな感じです。
――この役が決まった時、どんな心境でしたか?
半年ほどオーディションを受けたのですが、正直、毎回手応えを感じられなかったんです。受かった時はもちろん喜びましたけれど、びっくりもしました。
――どんなところが選ばれたポイントだったのか、スタッフの方に聞かれましたか?
オーディションを受けたメンバーの中で、おそらく1番足が速かったんです。それもあって、久我原という役に当てはまったのかなと思います。
――走るシーンも多いですか?
盗塁したりすることが多いですね。走るとテンションが上がるんです。何を思い出すのかは分からないですけれど。その勢いは、たぶん役のままなんだろうな、と思って。だから人見知りの壁さえ取っ払えば、久我原と僕はすごく似ているのかもしれないです。壁が分厚いだけで(笑)。
――久我原篤史は野球部員ですが、チーム競技ではどんなことが大事だなと感じますか?
僕は学生時代に陸上という個人競技をやっていたのもあって、人とバランスを取るのは、あまり得意ではなかったんです。でも主将の日沖を演じる菅生新樹さんをはじめとする野球部のキャストの皆さんが、みんなが良い環境になるように、上手に部員たちのバランスを取ってくださるんです。そういうのを見て、すごいなと思います。
■野球部メンバーは朝6時からテンションが高くて元気
――ちなみに橘さんは野球の経験は?
オーディションがあると聞いてから始めました。体育の時間も野球はあったんですけれど、その時は全然できなかったです。最後に授業でキャッチボールをしたのが中学の時なんですけれど、異様にビビりだったんですよ。だからキャッチボールをしていても、“ボールが怖い”みたいな感じだったのを覚えています。
でも今はだいぶ慣れてきて、怖さもなくなり楽しいです。ボールがイレギュラーとかしたら、どうすればいいか分からなくなったりするのですが、普通に飛んできたボールに関しては大丈夫です。
――撮影現場の雰囲気はいかがですか?
「朝6時に集合」といったこともあるんですけれど、だいたい朝はみんな静かだったり、寝ていたりするイメージがあるじゃないですか。でもみんな朝6時の段階で明るいんですよね。バーっとしゃべってボケまくっていたりして、すごいなと思います。集合の時点でエンジンがかかっているみたいな時もあったりして、そのくらい仲良しです。
――そこでチームワークが育まれている、ということですね。
オーディションが長期間に渡り、さらに合格した後も一緒にいる期間が長かったので。もう気心の知れた感じにはなっていますね。
――主演の鈴木亮平さんとはどんなお話をされましたか?
とても気さくな方で、何を言っても返してくださるんです。僕は演技のことを質問して、それこそすごく好きな亮平さんの作品があったので、その時のことを聞いたりしています。
――これまでの撮影の中で、印象に残っている出来事を教えていただけますか?
盗塁でスライディングするシーンがあるんですけれど、陸上をずっとやっていたので、走った状態で滑り込むのは、ちょっと怖くて。ずっとできなかったんですけれど、やっと2か月くらい前にできるようになりました。
――スライディングは任せろ、という感じですね。まだ撮影が途中ですが、作品としてどんなところに注目してもらいたいですか?
本当に人の心に寄り添った作品で、とても温かいドラマになっています。セリフも三重の感じってこうなのかなと想像できるような、優しい感じで。とにかく台本が面白いんですよ。日常的な感じの中に面白さがある作品なので、ぜひご覧いただけると嬉しいです。
【橘優輝】
2002年4月27日生まれ、大阪府出身。学生時代は陸上の短距離に熱中。CX1月期月9『女神の教室~リーガル青春白書~』で俳優デビュー。NTV7月期『最高の教師 1年後、私は生徒に■された』にレギュラー生徒の迫田竜輝役として出演し、注目を集める。2024年は『劇場版 君と世界が終わる日に FINAL』への出演も控えている。
【日曜劇場『下剋上球児』】
TBS系毎週日曜夜9時~。越山高校は10年連続県大会初戦敗退の弱小校。野球部員は野球エリート高校を入試で落ちたり、中学時代は万年補欠だったりと、自分に自信がない、落ちこぼればかり。そしてその野球部をけん引する監督には“大きな秘密”があった。高校教師が野球部員とともに奇跡を起こす、3年間のドリームヒューマンエンターテインメント。