岡田将生ら総勢11人の豪華“ゆとりチーム”が集結 吉田鋼太郎は脚本・宮藤官九郎に物申す「俺をないがしろにしてる」
2023.9.22 14:00映画『ゆとりですがなにか インターナショナル』の完成披露舞台挨拶が9月19日に都内で行われ、俳優の岡田将生、松坂桃李、柳楽優弥らをはじめ、安藤サクラ、仲野太賀、吉岡里帆、島崎遥香、木南晴夏、吉原光夫、吉田鋼太郎、そして水田伸生監督の総勢11人が登壇。7年ぶりに共演を果たした思いや撮影の裏話を語った。
『ゆとりですがなにか』は2016年に日本テレビ系列で放送された連続ドラマで、世間から“ゆとり世代”と括られた3人組が繰り広げる、笑いあり涙ありの痛快社会派コメディー作品。
■豪華キャスト陣が登壇 安藤サクラ「こんな華やかな場所に立てるとは7年前思ってもいなかった」
紙吹雪が舞う中、レッドカーペットを歩き総勢11人が登壇。最初に岡田が挨拶を始めると、松坂が髪についた紙吹雪を取ってあげ、「あ、ついてた?ありがと~桃李さんいつもありがと~」と、さっそく仲良しな一面が。約1600人のファンとレッドカーペット、さらに大量の紙吹雪という華やかな会場に驚いた様子の松坂は「すごい規模感で、ちょっと“ゆとり”でこの規模感はすごいですね。もう本当にこれだけ多くの方に来ていただいて、もう本当に感無量です」と感激。
柳楽は「本当に大切な大好きな作品で、このようにまた映画化して皆さんにお届けできるのを幸せに感じています」と語った。
安藤は「(レッドカーペットを歩く)3人(岡田・松坂・柳楽)の姿を見て、太賀と2人ですごいかっこいいねって鳥肌立っていました。このメンバーでこんな華やかな場所に立てるとは7年前思ってもいませんでした。うれしいです」と笑顔を見せた。
吉岡は「7年前、私は『ゆとりですがなにか』が民放のドラマ初出演で本当に緊張して毎日胃が痛くて、現場に行くのも怖くてどうしたらいいんだろうって毎日悩みながら現場に参加していたのを今回の撮影初日から気持ちがぐんってあの時に戻されて。こんなにエモいことって起こるんだなとすごく感動しています」と語った。
吉田は数歩前に出てマイクを通さず「レンタルおじさんを演じました吉田鋼太郎でございます。役者人生長いですが、生の舞台の上で、これだけのお客様と面と向かったことはありません。本能的に大きな声を出したくなりました。今回、私そんなに出番がございません。なのでせめてここで爪痕を残したい」と大声で話し、歓声が上がった。
さらに「連ドラが終わり7年の歳月が経ちいろいろなことがありました。松坂君がご結婚なさり、お子様が生まれになり、柳楽君はこのような性格であるにもかかわらず、相変わらず家庭は円満で離婚することもなく。ただ1人だけ心配な人がおりまして…」と話しはじめると、岡田が「もういいよ!俺だろ?」と突っ込み、吉田は「岡田君だけ1人で生きています。誰かおりませんか?今募集中でございますので」と勝手に募集し、観客から笑いが起こった。
■7年ぶりの“ゆとりチーム”の共演について
岡田は「ちょっと不安だったんです。こんなに時間が空いて皆さんが求めてくださっているのか」と本音を口にしたが「お2人(松坂・柳楽)に支えられて、現場でお芝居のセッションをすると、“これがゆとりだ”とこれを皆待っているんじゃないかと思いながら、現場でお芝居をしていた」と話し、松坂・柳楽との信頼関係が伝わってきた。
安藤は「7年変わらず仲良い。7年前に4人でご飯を食べている時、優ちゃん(柳楽)が“動物占いって知ってます?やりませんか?”って言って、めっちゃ相性が良かった、この4人(岡田・松坂・柳楽・安藤)の。それを思い出して“そりゃ映画にもなるよなぁ”って(笑)」と過去のエピソードを明かした。
仲野は「7年ぶりの(僕が演じる)山岸ひろむは成長していて、当時のギラつきとかトゲみたいなものが劇場版で若干なくなっている。それが僕としてはちょっと不安になるというか、あの頃の武器使えなくなったなみたいな。その成長するがゆえの演じる難しさみたいなのがあって、ちょっと苦戦しましたね。だからちょっと今回反省点なんですけども、やたら芝居がでかいです。不安の現れがすごく芝居をでかくさせてます」と7年後の同じ役を演じる難しさを語った。
岡田の妹役を演じる島崎は岡田について「ちょっと“えっ?”と思ったのが、ドラマもスペシャルドラマもやってきて、私のお兄ちゃんをずっとやってきてくれてたと思ってたんですけど、映画の撮影の時に“肌白いね”と言われて“え、今更?”ってちょっとびっくりしました(笑)」と撮影現場での裏話を告白。すると岡田は「また一段と白くなられて…ちょっと助けてもらっていい?」とあたふたした様子に笑いが起こった。
■今回初参戦の吉原光夫 家族のような撮影現場に「毎日が地獄でした」
今作から新たに加わった木南は「撮影前は“すっごい楽しみ~やった~ゆとりの世界に入れる~”みたいな感じでノリノリだったんですけど、入ってみたらもう本当に韓国語と英語と韓国語なまりの日本語のセリフにすごい神経を持っていかれてたら、みんなと楽しむゆとりもなく、気付いたら撮影が終わっていました」と撮影時の心境が明らかに。
そして、木南と同じく初参戦の吉原について、岡田が「テントだ。絶対テントだよね?」と吉原が出演していたドラマ『VIVANT』の役についていじるも、吉原はノーリアクション。さらに岡田は同じく『VIVANT』に出演していた松坂を見て「あれ?別班!?終わった!?」と今度は松坂の『VIVANT』の役について聞くと松坂は「終わったか終わってないかは、わからない」とドラマについては濁し、笑いを誘った。
その岡田と松坂のやり取りに吉原は「僕はこれが嫌いだったんですよ。この家族のようなこの絡みを毎回現場でしているわけですよ。それに1人で入っていく毎日が地獄でした。1人アウェー(笑)」と家族のようなキャスト陣の中に入ることが難しかったと告白。だが「その中で全員と向き合って芝居をしていくということが、今となっては鍛錬になって勉強になりました。ありがとうございました」と一礼し大きな拍手に包まれた。
■吉田鋼太郎&吉原光夫 “アウェーチーム”結成!?
家族のような“ゆとりファミリー”について聞かれた吉田は「仲良いんですよ、特にこの3人(岡田・松坂・柳楽)。僕はやっぱり嫉妬するわけですよ。今回唯一岡田君との絡みしかない」と出番が少なかったとコメント。「これは映画の難しさで、みんなに見せ場を描くわけにはいかない。それにしても、宮藤官九郎の脚本は俺をないがしろにしてる」と冗談まじりで脚本を担当した宮藤官九郎に物申した。
さらに息子とのシーンで「一言もなし。それで“何か俺はいいんだ、いらねぇんだ”って」とすねた様子を見せた。松坂は「だってもう(吉田)鋼太郎さんがいたからこそ、最後のシーンのあそこの盛り上がりがあったわけですから」とフォロー。
吉田は「何かやらないとこのままじゃクランクアップできないなと思ったので、最後のシーンにちょっと勝手なことをやらせていただいたんです。テスト撮影でもやらずに」と自らアドリブの芝居をしたと告白。
さらに吉田は「その時にそこにいたみんなは本当に俺がいなくなったと思ったらしいんですけど、その時のみんなの動揺ぶりがすごかった。この内容は詳しくは言えないんですけども、“ざまあみろ”と思いながら(笑)」と最後のシーンで爪痕を残そうと奮闘していたことを明かし、「勝手にやらせていただいたということで。なんかね、光夫ね。アウェー(だよね)」とゆとりチームからアウェー感を感じていた吉原に同意を求め、吉原は「さみしかっただけです(笑)」と“アウェーチーム”が結成され笑いが起こった。
■水田監督 今作の見どころを語る
水田監督は今作について「フィクションの世界なんですけど、そこにこの人間関係がベーシックになって、これはノンフィクションであるわけですよね。(岡田、松坂、柳楽の)3人の仲の良さも、鋼太郎さんの嫉妬も。光夫さんのアウェー感もすべてノンフィクション。そのノンフィクションとフィクションが交差、あるいは混ざり合うことで作品は出来上がっていくんだと思うんです。特にこのゆとりチームはノンフィクションの度合いが強いので、ぜひそれをお楽しみにしていただければと思います」と見どころを語った。
映画『ゆとりですがなにか インターナショナル』
10月13日より全国東宝系にて公開
出演:岡田将生、松坂桃李、柳楽優弥、安藤サクラ、仲野太賀、吉岡里帆、島崎遥香、髙橋洋、青木さやか、中田喜子、吉田鋼太郎、木南晴夏、吉原光夫、上白石萌歌、加藤清史郎ほか
脚本:宮藤官九郎
監督:水田伸生