『トリリオンゲーム』スポンサーにも忖度(そんたく)なしで、真実を突き詰める報道をする『トリリオンTV』を開局!鍵を握るのは“視聴者提供動画”
2023.8.29 11:008月25日にTBS系金曜ドラマ『トリリオンゲーム』の第7話が放送された。就活中の大学生・ハル(目黒蓮)は同級生・ガク(佐野勇斗)と日本最大のIT企業『ドラゴンバンク』の面接で再会。2人は1兆ドルを稼ぐべく『トリリオンゲーム』社を起業し、その後、就活生のリンリン(福本莉子)を社長に据え、事業を開始した。オンラインフラワーギフトショップから始まった事業も順調に拡大し続けたトリリオンゲーム社。業界最大手の芸能事務所『ゴッド・プロモーション(ゴップロ)』の買収と大ヒットゲーム『ドラ娘』の開発者・蛇島透(鈴木浩介)の引き抜きに立て続けに成功した。そしてハルは次なる目標を『トリリオンTV』の開局に定めた。
ゲームアプリ部門で予想される利益100億円を「テレビにオールイン!」と全てテレビ局開設への費用へとつぎ込む決意をしたハルは、得意のコミュニケーション能力を生かし天気予報チャンネルや、制作会社を次々に取り込むことに成功。その後も、次々と必要なノウハウを会社ごと習得していくと、トリリオンゲーム社のオフィス内にはネットテレビ事業部も創設された。部下からの報告を受けトリリオンTVのことを耳にしたドラゴンバンク社の社長令嬢の“桐姫”こと黒龍キリカ(今田美桜)は、「できるわけない。凡人にはね」とアクセスの集中によるサーバーのパンクを予想したが、ガクの手によりその問題は解消された。
大手スマホ会社の『ミスリルフォン工業』をスポンサーにつけ勢いを増すトリリオンゲーム社であったが、資金力でトリリオンゲーム社を上回るドラゴンバンク社はアメリカの大手配信サービス会社『D-REX』を買収し、そのCEOには桐姫が就任した。外資と手を組みさらに脅威となったドラゴンバンク社に対しハルは「逆転の手は一つ」と前置きした上で、「報道にフルパワーでぶっこむ」と語った。
桐姫は、D-REXの役員たちを前に地上波テレビ局の買収計画を明かす。一人の役員が、その思惑を“現実的ではない”と桐姫の考えを恐る恐る否定すると、桐姫はその人物を副社長に就任させ、その場にいた他の人間をあっさり解任した。そして就任したばかりの副社長に「番組スポンサーごとまるっと買い取っちゃえば、文句なんて言う人いなくなるんじゃない?」と不敵な笑みを浮かべた。
一方、報道の専門家を探すハルは小さな制作会社の功刀数良(津田健次郎)に目をつけ接触した。ハルは、徹底的に功刀をリサーチ。元々、大手テレビ局『ジャパンTV』の敏腕プロデューサーであった功刀は、スポンサーに忖度(そんたく)し、事実をねじ曲げて報道することに反発したためその座を降りていた。
タッグを組むことに難色を示した功刀にハルはある賭けを持ちかける。桐姫の姿をカメラに収めようとビルの前で報道陣が殺到する中、ハルは「桐姫がどこから出てくるか当てたら俺らと組む。外したら俺らは二度とあなたの前に現れません」と功刀に提案。功刀も承諾したが、ハルが“天才”と称したこともあって、功刀はガクに答えを求めた。不意を突かれたガクは慌てて道路状況を分析し「正面玄関」と答えを導き出すと見事に、桐姫は正面玄関前から姿を表し、トリリオンTVに報道のプロ・功刀が加わった。
リンリンが桐姫の現れる場所を分析し言い当てたガクを称賛していると、分析ではなくハルと同様に“ハッタリをかました”と自らガクが打ち明けた。そんなガクをハルは冗談混じりに「ある時はくそ真面目なパソコンオタク。だがある時はドSなハッタリ大魔王」で二重人格だとリンリンに話した。このシーンのガクに対してはSNS上で「ガクもハッタリできるようになっていて感動した」といったガクの成長を温かく見守るようなコメントも見られた。
さらに地上波のテレビ局でアイドル的な人気を誇っていたアナウンサーの白虎あかり(百田夏菜子)が「私を採用してください」とトリリオンTVを訪ねてやってきた。ハルは主な人気女子アナに対し総じて「新時代を担うネットテレビで報道キャスターやってみませんか?」とオファーをかけていた。そして、元々は報道志向が強かったあかりの心を突き動かし、移籍させることに成功したのであった。
敏腕プロデューサーと人気女子アナを獲得したトリリオンTVであったが既存のテレビ局のように大きなネットワークが無く、流す映像のインパクトや質に欠けていた。ハルはその打開策として視聴者から有償での映像提供を提案。ただ、功刀は視聴者提供映像に報酬を払うとガセネタや、合成映像などがあふれることを指摘した。それに対し、ガクの腕があればそれを見抜けると、ハルは考えた。
ある時、あかりが局から出て来たところをとある配信者が突撃し、スマホで生配信を始めていた。一見ただの迷惑系配信者であるその男を追い払うと思いきやハルはその男に目をつけた。数日後、立てこもり事件が発生しすると、各局で報道合戦となった。するとトリリオンTVの元には、視聴者がテレビカメラよりも近距離で捉えた臨場感のある映像や、人質自身が立てこもりの現場を撮影する映像が届く。その後、事件はその配信映像のおかげもあって無事解決した。この場面に「警察がトリリオンTV見ながら犯人確保した」と興奮する視聴者も。映像だけで的確に状況を伝えるあかりの能力もあり、その時のトリリオンTVは、爆発的な視聴数をたたき出した。その時に提供されていた臨場感のある視聴者映像は全て、ハルが目をつけた人気配信者『情報系YouTuber・お裁き君』の知り合いや、つながりのある仲間が撮影したものであった。ハルは、有名配信者も取り込み独自のネットワークを構築に成功したのだった。配信者を仲間にすることで「複数の当事者目線を同時多発に提供できる上に、スキャンダルやタブーにも自由自在に切り込める。これぞ報道の未来」とハルは豪語した。
そんな中、ハルの心の奥底を見抜いた功刀は「そろそろぶっちゃけてもらおうじゃねぇか。お前が報道をやりたい本当の目的」とハルに問いかけた。これにハルは「報道はただの“釣り餌”。ばく大な広告料取るためのね」と正直に打ち明けた。
ある時、視聴者からトリリオンTVの大口スポンサー『ミスリルフォン工業』のスマホが発火し、爆発する映像がトリリオンTVに送られてくる。あかりと功刀が直接この件について問いただしても、鉱(あらがね)社長は製品の欠陥を認めようとしなかった。2人はこの件を公表せず放っておけば事故につながると喚起した。それでもこのことを公表する意向のない鉱を見切ったあかりと功刀は、このニュースを初の自社独占スクープとして報道することを決意。ところが本番直前、ニュースの差し替えを主張する鉱らがトリリオンTVに現れた。社長であるリンリンが割って入るものの、スポンサーであることを盾に鉱は横柄な態度でニュースの差し替えを主張。リンリンはキッパリと「ニュースの差し替えは行いません」とミスリルフォン側の主張を突っぱねた。改めて「当社は真実を報道します」と引かないリンリンであった。このシーンに対し、「リンリンの社長判断かっこいい」と称賛も声が上がった。険悪な空気を察したハルが「いやー。すいませーん。宣伝部長の天王寺です」と割って入り「ミスリルフォンの件は永久に引っ込めます」と話し、新たに交渉を切り出した。
ハルは、高級中華料理店で会食しつつ、ミスリルフォンの広告の契約の話を持ち込む。同席したものの、ガクやリンリンらは報道を取り下げる方向で交渉を進めるハルに疑念を抱いていた。ところがハルは、持参したミスリルフォンを操作しメッセージアプリで「情報屋のお裁き君が隣の部屋にマスコミ各社を集めています」と表示し、何も言わず鉱らに見せた。その後、交渉を優位に進めたハルに観念する形で鉱は、「ミスリルフォン発火の件は、むしろきっちり報道していただきたい」と隣にも響くような大声で宣言し、続けて「我が社のモットーはお客様の安全第一。全商品をリコールします」と欠陥を認めた。ちなみに隣の部屋にマスコミを呼んでいたというのはハルお得意のハッタリであった。
トリリオンTVを“まき餌”と言いつつも、ハッタリだからこそ真剣に、下衆だからことちゃんと作ると話すハルに、ガクも「信じてよかった」と本音を漏らした。ハルとガクの友情パワーは変わらず最強で、功刀やあかりらとも団結を深めるトリリオンTVであった。後日、トリリオンTVのニュース番組にて鉱社長はミスリルフォンの欠陥を認めた。ただリコールにかかった費用と引き換えに信頼を手にし株価は上昇していった。
次回第8話では、テレビ・ゲーム事業で収益を大幅に拡大するトリリオンゲーム社に対抗すべく桐姫がCEOを務める動画配信サービスのD-REXは、アジアの大手家電メーカーと提携。リモコンに専用ボタンを設置したり、月額料金の1年無料などで先手を打つ。対してハルは、D-REX社の戦略への逆転案として人気アニメ『スタジオ・ポポラ』の新作の独占配信を試みるが、ポポラの監督・宇佐美マリは思った以上に癖のある人物であった。
TBS金曜ドラマ『トリリオンゲーム』
毎週金曜よる10時〜10時54分放送