『トリリオンゲーム』勝つためにガクが“ワルになる”ゲーム会社の機密情報をハッキング!? さらに開発資金で集まった20億円でメディア帝国の構築計画。
2023.8.15 11:008月11日にTBS系金曜ドラマ『トリリオンゲーム』の第5話が放送された。就活中の大学生・ハル(目黒蓮)は同級生・ガク(佐野勇斗)と日本最大のIT企業「ドラゴンバンク」の面接で再会。2人は1兆ドルを稼ぐべく「トリリオンゲーム」社を起業し、その後、就活生のリンリン(福本莉子)を社長に据えオンラインフラワーギフトショップ事業を開始した。着実に事業を拡大することに成功した3人はドラゴンバンク社に対抗すべくソーシャルゲームへの事業展開を進め、小さなゲーム会社「SAKUSAKULAB」を買収し社長の桜(原嘉孝)らを仲間に加えた。そして、存在しないゲーム開発プロデューサー”世界の堀本”なる人物をでっち上げ、開発資金20億円を集めることに成功したトリリオンゲーム社であったが、ハルはすでに次のステージへの一手を進めていた。
ハルは、メディア帝国の建築のため投資家・祁答院(吉川晃司)のところへ出向き、芸能事務所の買収を持ちかけた。買収しようと目論む芸能事務所は業界最大手の「ゴッド・プロモモーション(ゴップロ)」で、祁答院が元々ゴップロのマネージャーであったことをハルはリサーチ済みであった。祁答院がゴップロを去ったのは、ゴップロの看板俳優で祁答院が育てたヒムロ(曽田陵介)が起こしたひき逃げ事故の罪を祁答院が被っていたためであった。その結果、自社のCMにゴップロの俳優を多数起用していたドラゴンバンク社の圧力によって祁答院は解雇されてしまったのである。ハルはそのひき逃げをネタに、いきなりゴップロの社長・神(塚本高史)に買収を持ちかけるも相手にされないでいた。
一方、ソシャゲ事業に関して資金を集めるためのダミーと言い切り、お金のために手段を選ばないハルに対し、ガクは不信感を募らせていた。ある時、会社の口座から20億円が引き出されていることが明らかになり、ハルの仕業と確信したリンリンは怒りに震えるが、ガクは「ハルくんとぶつかりたくない」と呟き衝突を避け、自分達だけでゲーム事業を進めることを決意する。SNS上でも「ハルとぶつかりたくないって言葉が切ない」と言った感想が見られた。そしてガクは正直に、20億円がなくなったことや“世界の堀本”が架空の存在であることをSAKUSAKULABのメンバー達に打ち明けた。話を聞き呆然とするメンバー一同だったが、ゲームへの情熱が人一番強い桜は「上等だ」と20億円と堀本なしでのゲーム開発にやる気を見せた。そしてリンリンは、堀本こそいないがドラゴンバンク社が開発したヒットゲーム「ドラゴン娘(ドラ娘)」の開発プロデューサー自体はいることを提起した。するとガクがドラゴンバンク社の開発部に出入りしている知人がいるとし、ドラ娘の開発者プロデューサーとの接触も可能性があることも明かした。
ゲーム開発のためと称し投資家達から集めた20億円を引き出し、ガク、リンリンらの前から姿を消したハルは、祁答院にゴップロ買収への協力を再度お願いした。ハルの覚悟を感じた祁答院は「タッグ組もうじゃねえの。俺らワル2人で」とその要請を承諾した。
その頃、ガクは1人、オフィスでパソコンを広げドラゴンバンク社のサーバーへのハッキングを試みた。仲間に語ったドラゴンバンク社の開発部に出入りいる知人などおらず、自力での情報入手を決意。ここまでダーティなことをしてこなかったガクは“ワルになるんだこのゲームに勝つために”と禁断の手だとわかりつつ自身を奮い立たせるのであった。元々ドラゴンバンク社で働くことを望んでいたガクは、サーバーなどの機密情報に侵入できるほどドラゴンバンク社のことを知り尽くしていた。ガクは、ハッキングに成功し、ドラゴン娘のゲームデータに辿り着いた。さらには他のドラゴンバンク社が開発中のゲームなどの重大機密データへのアクセスにも成功。ただ、対抗企業とはいえその開発に費やされた労力や時間が頭に浮かんだガクはそれらに手をかけることはなかった。その後、オフィスに姿を現したリンリンに対しあくまでも知人の話として、ドラゴンバンク社のデータを見れるところまでは進めたものの「ワルになりきれなかった」と情報を盗めなかったことを打ち明けた。ハルのようにゲームの達人になれず、“自分はダメだ”と落ち込むガクにリンリンは「ガクさんはダメなんかじゃないです」と“知人という設定”を介さず、その気になれば出来たものの情報を盗まなかったガクを励ました。
情報を盗まれることはなかったもののコンピューターのハッキングされたことが明らかになったドラゴンバンク社は会社内でこのことが大騒ぎになっていた。ただアクセスはされているが情報が盗まれていないことや、むしろセキュリティの脆弱さを指摘し、アップデートの指示書までもが残されていることをドラゴンバンク社の社員達も不思議に感じていた。報告を受けたドラゴンバンク社の社長令嬢の“桐姫”こと黒龍キリカは部下を叱責しつつ、そのハッキングの腕前とセキュリティの弱さを指摘してくるという点でガクのことが頭をよぎっていた。そしてそんなガクを接触を試みるため桐姫は、ガクに直接電話で「明日、私とデートしてくださらない?」とお願いした。その相手と内容にガクも驚きを隠せないでいた。
そんな中、ハルはゴップロ買収のため祁答院を引き連れて再び神と対面。改めてハルと祁答院はヒムロの起こしたひき逃げの件で圧をかけるも神は買収に応じなかった。そこにヒムロ本人が現れた。最終的には祁答院がヒムロを踏み躙る場面や、逆にヒムロが祁答院の胸ぐらを掴むほどの展開に。空気を読みハルと祁答院はその場を後にした。ただ、それもハルが仕組んだものであって、ヒムロをうまく言いくるめ買収の話の場で祁答院に突っかかるよう吹き込んでいたのであった。
そして迎えたガクと桐姫のデート当日、先に到着し緊張している様子のガクであったが現れたのはカジュアルな格好の桐姫。この場面には「キリカ様とガクの組み合わせ新鮮」といった視聴者からの感想も寄せられた。遊園地では顔パスが通用し行列に並ぶこともなく一通りデートを楽しんだ2人は観覧車へ。ここで桐姫が“ハッキング”の話題を切り出した。「なんのことでしょう?」と知らないフリをするガクの反応を受けて桐姫は、あくまでもガクに対してではなく、“ドラゴンバンク社のサーバーに侵入したお人好しハッカー”に向けて、会社の信用、株価にも影響するためハッキングされたこと自体も公表できないことを打ち明け、犯人にはハッキングしたことを墓場まで秘密にしてほしいと話した。そして桐姫は、何が目的で犯人がハッキングを行ったのか“探り”を入れると、ガクもあくまでもその犯人の気持ちを推測する形で「大ヒットゲームドラゴン娘の開発者が誰なのか知りたい」と明かした。諸々察した桐姫は、去り際にガクのスマホにドラ娘の開発者情報を送った。
ハルと祁答院は、ゴップロの大株主で芸能界のボス的存在の皇(西岡徳馬)に会い、皇の所持しているゴップロの株を買い占めたいと交渉を持ちかけた。素性のわからないような人間に対して株を売るようなことはないと断った皇であったが、思わず神社長からひき逃げの件で連絡を受けていたことを口にしてしまった。ハルと祁答院は、スキャンダルが明るみになる前に株の暴落を恐れて他者に株を売却すれば皇はインサイダー取引になると指摘。改めてハルと祁答院は皇に対して、株の売却を提案し結託を迫った。ハルと祁答院の動きを察知した神も手を打つためドラゴンバンクのトップ・黒龍一真(國村隼)の元を訪れ「何とかしていただけませんでしょうか?」と頭を下げた。これに対し黒龍は「連中(ハルと祁答院)と接触した株主、全員ここに連れてきなさい。ただし、必ず1人ずつね」と静かに言い放った。
桐姫から教えてもらったドラ娘の開発者・蛇島徹(鈴木浩介)と連絡を取りあったガクとリンリンはドラゴンバンク本社で引き抜きの交渉をすることに。蛇島の条件・月1500万円の要求にガクとリンリンがたじろんでいるとそこにハルが現れ、「ひとまず社外アドバイザーとして弊社のゲーム制作に加わっていただくところから」と一旦、外部の人間としてトリリオンゲームと一緒に仕事をすることを提案した。蛇島も「いいね! とりあえず一回遊びに行っちゃおうかなぁ」と快く承諾した。その帰りハルはソシャゲ開発をあきらめず蛇島にたどり着いたガクを称賛し、「俺らなら両方やれる」とメディアとソシャゲの二本の柱で戦っていくことを決意した。この結末に「ハルがガクに謝るところグッときた」と視聴者からの反響も見られた。
次回第6話では、ドラ娘の開発者プロデューサーで天才ゲームクリエイターの蛇島がトリリオンゲーム社に合流。しかし金儲け主義の蛇島とゲームへのこだわりが強い桜はなかなか意見が一致せず、ゲーム開発は難航を示した。そしてゴップロ買収を目論むハルと祁答院であったがゴップロの株主総会当日、とある事件が勃発する。
TBS金曜ドラマ『トリリオンゲーム』
毎週金曜よる10時〜10時54分放送