兵頭功海、『リュウソウジャー』共演者の活躍に刺激「綱啓永に早く追いつかないと!」

2023.8.6 23:15

【エンタメの未来を彩る光をキャッチ! シリーズ「未来予知」】
現在放送中の坂口健太郎主演ドラマ『CODE-願いの代償-』(日本テレビ系、毎週日曜22時30分~)で、主人公の後輩刑事・八重樫享役を演じている兵頭功海に単独取材。2023年は『消せない記憶』で映画初主演を果たすなど躍進を続ける兵頭が、“俳優業に感じる魅力”は芸能界に入る前と後でまったく異なるという。自身の転機となった『騎士竜戦隊リュウソウジャー』での心境の変化、さらにはそこで出会った俳優仲間との素敵な関係性も語ってくれた。

■現場に入って初めて感じた“俳優部”としての面白さ

――兵頭さんは子どもの頃、どんなお子さんでしたか?

毎日、学校が終わったら近くの公園でドロケイして、鬼ごっこして……外で楽しく遊んでいました。土日は野球をしていたので、ずっと外で遊んでいたのかな。体育祭とか学校の行事では、とにかく目立ちたいタイプでした(笑)。

――そんな「目立ちたい」という思いが、この芸能活動にも繋がっている?

そうだと思います。いろいろなアルバムの“将来の夢”に、「テレビ出ること」と書いてあるんですよ。だから、子どもの頃はそんな性格だったんだなと思いますよね。逆に、役者になった今の方が「目立ちたい」という気持ちは落ち着いています(笑)。

――役者を始めて、想像と現実が違うこともあると思いますが、そのあたりのギャップについてはいかがですか?

僕は福岡出身なんですけど、やっぱり芸能界にはすごくキラキラした印象があって、「東京の生活!」「テレビの世界!」みたいなものに憧れていました。でも、実際にドラマや映画に出てみると、制作部や照明部、撮影部などなどある中で、俳優部はそのうちのひとつ、みたいな感覚なんですよね。スタッフさんと一緒に、みんなで物作りをしている。しかもそれは、意外と地味な作業というか。OKが出るまで同じお芝居を何回も繰り返したり、照明の当たり方を少しだけ変えて撮り直したり。そういう職人っぽい作業に触れることで、さらに俳優という職業が好きなりました。

――ひとつの作品を組み立てるパーツになる面白さがある、と。

そうですね。だから今は、「もっと目立ちたいから頑張ろう!」ではなくて、その作業自体が好きで役者をやっています。目の前の人と感情を行き来させる。何回も同じことをする。そうして繋がった画が映像となって、観てくれる方に届くんだって思うとワクワクします。

■『リュウソウジャー』共演者の活躍が刺激になり「自分も頑張らないと」

――みんなで作品を作り上げていく面白さには、いつ頃気づいたのでしょうか。

僕は『五億円のじんせい』という映画でデビューしましたが、そのときは本当に何もわからなくて。その後に『騎士竜戦隊リュウソウジャー』をやらせてもらって、1年以上同じ役を演じて、同じスタッフさんたちと時間を過ごしながら撮影していくことで、いろいろと学びました。「衣装部の方はこう動いてるんだ」「アクション部の方は、こうやって僕たちに指導してくれるんだ」と各部の動きを見ることで、あらためて素敵な仕事だなぁと思えるようになりました。

――『騎士竜戦隊リュウソウジャー』で得たものは大きかったですか?

カメラの前に立って何かをする、ということ自体、最初は本当にできなかったんですよね。そんな中で1年間、強制的にそこに立ち続けなくてはいけない状態にあったことは、すごく良い経験になっていると思います。

――一ノ瀬颯さんや綱啓永さんら共演者の方も活躍されていますが、彼らから刺激を受けることも?

綱は同い年で、当時からずっと仲がいいんです。彼が去年、(ドラマ『君の花になる』の)8loomでバンッと人気が出たときは、本当に心から嬉しくて。「ちょっとくらい嫉妬してもいいのにな」と僕自身思うんですけど、本当に嬉しくて「これでもっと上にいけるね!」と喜び合いました。彼もすごく純粋な人だから、今回僕が『CODE』に出ると決まったときにも、連絡をくれたんですよ。「功海氏、やったな!」って。もちろん颯も今でも連絡を取っているし、ちょくちょく会ったりもしていて、すごく刺激になりますね。彼らの活躍を見ると、悔しいというよりは、自分も頑張らないといけないな、という気持ちになります。今は何より、「綱に早く追いつかないと!」と思っています。

■20歳から始めた役者ノートは8冊目! 1ページ目に書いた目標は…

――兵頭さんが役者をする上で、大切にしてることを教えてください。

根本が変わらなければいいな、というのが僕の中にあります。『CODE』の八重樫は自分に近いキャラクターなので、あえて役作りせずに現場で生まれた感情のままに演じていますが、今回のような演じ方は前までの僕なら絶対に嫌だったんですよ。自分がちょっとでも出るなんてありえない、みたいな。役は役だから、完璧にその人じゃなければいけない、とか思っていた時期もあったりして。だから、そういうところは今後も変わっていくと思いますけど、根本にあるものは変わりたくないです。

20歳でこの業界に入ったときにノートを作ったんです。俳優をやっている間はずっと書き続けようと決めていて、今は8冊目になりました。このノートを書くというのも、僕の根本にあるもののひとつで、これからもずっと大事にしたいなと思っています。それから、最初の1ページ目に書いた目標があるので、その目標も変わらずに持っていたいです。

――その目標は、あえて言わないようにしている?

そうなんです。ここまで言って、言わないっていう(笑)。でも、それが叶ったときには、「最初に立てた目標なんです!」って言いたいなと思っています。

――ノートには、目標の他にどんなことを書いているのでしょうか。

最初はお仕事をする機会がそんなになかったので、飲食店の店長さんから言われて「この言葉いいな」と思ったことを書いたりもしていました。今は台本を読み取る上で必要なことをバーッと書き出して、作品が終わった後に、「この人のこういうところが良かった」とか、「監督にこう言ってもらった」とか、「その言葉は僕にとってこういう意味があった」とか、振り返りながら書くようにしています。

――1ページの目標発表はお預けですが、3年後、5年後くらいの近い目標は教えていただけますか?

今回、(坂口)健太郎さんと初めてお芝居させていただいて、本当に周りを楽しませる天才だなと思いました。天才という言葉が正しいのかわからないけど、「周りを楽しませたい。だから自分も楽しくいたい」という気持ちがすごく伝わってくるんです。でも、やるときはビシッとやる。こんな座長だったら、どんなにきつい現場でも自然と笑顔になって、この人のために頑張りたいと思えるな、と今回強く思いました。だから3年後や5年後に、もし僕が真ん中に立てるような機会があるのなら、今の健太郎さんのように「この人のために頑張りたい」と思ってもらえるような人間になっていたいです。

【兵頭功海 Profile】
2018年、GYAOとAmuseが共同実施したオーディション『第1回「NEW CINEMA PROJECT」』の「出演者」部門でグランプリを受賞。2019年、同プロジェクトの作品映画『五億円のじんせい』で俳優デビュー。同年、『騎士竜戦隊リュウソウジャー』のカナロ/リュウソウゴールド役で注目を集める。2023年には『消せない記憶』で映画初主演。その他の主な出演作に、ドラマ『片恋グルメ日記』(2020年)、『ブルーバースデー』(2023年)、『ドラフトキング』(2023年)、『ドロップ』(2023年)などがある。

写真:©entax

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