映画『おとななじみ』ヒロインの久間田琳加に単独取材 井上瑞稀と同じ年で助かった

2023.5.6 12:00

HiHi Jetsの井上瑞稀とW主演を務めた映画『おとななじみ』の公開を5月12日に控える久間田琳加に単独インタビュー! 映画は【超残念男子】青山 春(ハル)と【オカン系女子】加賀谷 楓の両片想いを描いた、人気コミックが原作。近くにいすぎて「好き」だけが言えない、ムズキュン・ラブコメディのヒロイン役に挑戦した。役づくりから共演者との関係性、撮影現場での雰囲気まで詳しく語ってくれた。

■ヒロイン・楓のことをもっと知りたいと思って真っすぐに向き合った

――映画『おとななじみ』の原作は人気コミック。久間田さんは少女漫画がお好きだそうで、ヒロインを演じると聞いた時の感想を教えてください。

久間田 素直にすごくうれしかったです。少女漫画が大好きですし、『おとななじみ』も好きな作品なので、好きなものに関わる仕事ができているのは嬉しいです。

――少女漫画がお好きな分、読者の気持ちがわかるので、プレッシャーを感じることはありませんでしたか? 

久間田 確かにそうですね。原作ファンの気持ちがわかってしまうので。それぞれ皆さんが思う楓像に近づくのは難しいかもしれないけれど、私自身がこの作品を好きで楓ちゃんのことをもっと知りたいと思っている気持ちが、スクリーンを通して伝わったらうれしいなと思っています。その部分は自分としても真っすぐに向き合ったので、例え(皆さんの思う楓像から)ちょっとずれたとしても、その気持ちさえ伝わってくれたらいいなと思っています。

■ハル役の井上瑞稀が同じ年で助かった

――コミカルな部分は振り切ってコミカルだったので、ラブロマンスの部分とのバランスの取り方はどうされていましたか?

久間田 メリハリはすごく大事にしました。井上さん演じるハルが(楓のことを好きなんじゃないかと)期待させてくるところでは最上級にドキドキして、そこからガタンと落ちるような落差を大事にしたいと、監督もリハーサルの時からおっしゃっていたので、そこは自分の中でもよりコントラストをつけたいと思って演じていました。

――他に役づくりで苦労した、工夫した点があれば教えてください。

久間田 ヒロインの楓は20年間、幼なじみに片想いをしているんですけれど、撮影当時21歳だったので、20年間って……ほぼ自分の人生だ! というのは感じていて。そこまで1人の人を思い続ける気持ちってどんな感じなんだろうという模索はしていました。1つ助かったのは、ハル役の井上瑞稀さんが同じ年だったところ。1歳上とか下でもなく、ぴったり同級生だったのは、お互い「助かったよね」「一切気を遣わないよね」と話していました。共演する上で、「今の大丈夫だった?」とお互い確認しながら演じることができました。萩原さんや浅川さんは年上で芸歴も先輩なので、お2人とのシーンの方が緊張したかもしれないです。

■ロングヘアからボブへ。髪をバッサリ切って役づくり

――9年間伸ばした髪をバッサリ切ってビジュアル面でも印象が変わりましたね。

久間田 この映画のお話をいただくまでは、絶対にボブにはしない人生だろうな、ボブにするとしても30〜40代だな、と決めていたんです。でもヒロインのお話をいただいてコミックを見た時に、自分から「髪を切りたいです!」と提案したんです。少女漫画好きなので、ビジュアルなど寄せられるところは100%やり切りたい!という気持ちがありました。自分でもびっくりするくらい、何の躊躇(ちゅうちょ)もなく髪を切ることができました。髪色もけっこう明るくしました。

――ヒロインの楓はお弁当屋に勤めていて、料理シーンも何度かありました。ご自身もお料理は好きですか?

久間田 たまに自炊もしますけど、彩り豊かなものではなくて、楓と同じように茶色いものばかりつくっちゃいます。から揚げ、ハンバーグ、しょうが焼き、みたいな(笑)。劇中で登場したから揚げが美味しくて、井上さんはお弁当代わりにずっと食べていました。

■萩原利久、浅川梨奈はどっしり構えていて前向きなパワーをくれた

――同世代4人の出演シーンが多い作品でした。お互いどのような刺激を受け合いましたか?

久間田 同世代と言っても萩原利久さん、浅川梨奈さんは俳優歴が長くて出演されてきた作品数も多いので、お2人に支えていただいきました。2人ともどっしり構えていて、私や井上さんがちょっと不安になっていても、すごく前向きなパワーをくださいました。なので、私たち2人も身を委ねてお芝居することができたと感じています。

映画では井上さん演じるハルとのシーンがほとんどで、4人で集まることはあまりなかったのですが、集まった時にはものすごく安心感があって助かりました。心強かったです。

――不安に感じたのはどういうところですか?

久間田 やはり俳優業の経験がまだ浅いので、これで大丈夫なのだろうか、合っているのだろうか、という漠然とした大きな不安を感じてしまったんです。でも、萩原さん、浅川さんはその不安を打ち消すくらい盛り上げてくださったので、本当にうれしかったですね。

――具体的に何か声掛けがあったのでしょうか?

久間田 言葉で励ますというよりは、楽しむことが大事だよ、という雰囲気づくりをしてくださったのを感じました。

■井上瑞稀は「ハルそのもの」

――初共演となったHiHi Jetsの井上瑞稀さんの印象はいかがでしたか?

久間田 本当に、コミックの中からハルが飛び出てきたような感じ。でも、この話を井上さんの前ですると(ハルは天然キャラの超残念男子でもあるので)「ほめているのかわからない」と言われて複雑な表情をされてしまうのですが、プロデューサーさんたちともずっと「そっくりだよね」と話していました。悩む時は悩むけれども、いや大丈夫、となるポジティブなところが、井上さんも撮影中そうだったので、顔も似ているし中身も似ていると思いました。

――ヒロインに想いを寄せる超完璧クール男子・伊織を演じた萩原利久さんとの共演はいかがでしたか?

久間田 今回萩原さんが演じた伊織は大人のクールな完璧男子だったのですが、萩原さんご本人はすごくムードメーカーなんです。伊織はあまり感情を見せない控えめな感じなのに、萩原さんはその逆で場を盛り上げてくださる方だったので、そのギャップが印象的でした。ボケもツッコミもできる完璧兄さん、みんなのお兄さん的存在でした。

――同級生たちの三角関係を見守るクールなモテアネゴ系女子・美桜を演じた浅川梨奈さんの印象はどうでしょう?

久間田 取材で浅川さんご自身が「自分でも、これは私かと思いました」「美桜は私しかできない」とおっしゃっていたように、私たちがふざけているとそれをまとめてくれるお姉さんのような存在でした。私からすれば、頼りがいのある姉御、って感じでした。

――松金よね子さん、アン ミカさん、宍戸美和公さんら個性的なキャラクターの共演者がそろいました。現場の雰囲気はいかがでしたか?

久間田 皆さん笑いにストイックでした(笑)。大先輩ばかりで落ち着いていらっしゃいますし、和気あいあい、キャッキャッというよりは、「このタイミングでいいですか?」と、(コメディ部分は特に)笑いを追求するような雰囲気で、それもまた楽しく勉強になりました。

■ヒロイン・楓が仕事を通して成長していく姿も見てほしい

――最後にこれから映画『おとななじみ』を観る方へ、久間田さんからのメッセージをお願いします。

久間田 同級生4人組の青春や、ハルと楓のキュンキュンな部分はもちろん、楓が仕事を通して気持ち的にも成長していく物語でもあります。なので同世代の方だけじゃなくて、いろんな世代の方たちに刺さると思っています。大人の世代の方も「懐かしいな」「仕事し始めの頃、こんな気持ちになったな」と感じながら、笑って見ていただけたらと思います。

【久間田 琳加(くまだ りんか)Profile】
2001年2月23日生まれ、東京都出身。11歳の時に雑誌『nicola』のモデルとしてデビュー。現在は『non-no』の専属モデルを務める。主な出演ドラマ『マリーミー!』(2020年)、『青春シンデレラ』(2022年)、『ブラザー・トラップ』(2023年)では、すべて主演を務める。映画は5月12日公開の『おとななじみ』、9月12日公開の『夜が明けたら、いちばんに君に会いにいく』と、Wキャストでの主演待機作が相次ぐ。少女漫画を読むのが趣味。

【作品情報】
『おとななじみ』5月12日全国公開

©entax

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