竹内涼真独占取材 『君と世界が終わる日に』SPドラマとSeason4の裏側 「50人のゴーレムと戦った疲労感が心地いい」

2023.3.20 12:00

Hulu年間視聴者数ランキングで2年連続総合1位を獲得した極限のゾンビサバイバルドラマ『君と世界が終わる日に』。クライマックスに向けた「ファイナル・プロジェクト」として、2023年3月19日(日)には日本テレビ系にて完全新作の1時間スペシャルドラマを放送し、放送終了後からHuluでSeason4の独占配信がスタートした。さらに映画化も決定しており、「きみセカ」は壮大なスケールで最終章に突入する。

entax取材班は主人公・間宮響を演じる竹内涼真に独自インタビューを実施。スペシャルドラマやSeason4の見どころ、新キャストとの撮影時のエピソードについて聞いた。

(前後編の前編を読む

■柄本時生と組むスペシャルドラマはSeason2とSeason3の間のスピンオフ

――3月19日に地上波で放送された完全新作のスペシャルドラマの見どころ、新たにバディを組んだ柄本時生さんとの共演がどうだったか教えてください。

スペシャルは、時系列的にはSeason2とSeason3の間の出来事を描いたスピンオフなんです。Season1から出ている僕、響(ひびき)と、横溝菜帆ちゃん演じる結月(ゆづき)が、2人で旅をしながら新しいコミュニティの中で人間関係を育むというストーリーです。次の旅へ向けてのエネルギーを周囲のみんなからもらっているというか。まったくテンションの違う登場人物がぶつかり合うことで、どんな人間ドラマが生まれるか楽しみにしていただきたいです。

すごくユニークで表情豊かな“エース”というキャラクターを柄本時生さんが演じてくださったので、そこを僕がキャッチしながら自分なりの球を投げていく、という作業でした。すごく楽しかったですし、一生懸命なのがなぜか面白いというか笑える仕上がりになっています。

■Season4での響はちょっとダークでヒールな感じがするかもしれない

――Season3を見ていた方は、あの終わり方から次はどう始まるんだろうとすごく気になっていると思います。竹内さんはどのようにとらえてSeason4に入りましたか?

この作品は、主人公の響がすごく大変な目にばかり遭うじゃないですか。それがやっぱり演じていても苦しくなる時があります。ただ、僕自身が台本を読む時にそう思って読んでしまうと、作品の魅力が伝わりにくくなってしまうと思うんです。それはSeason3が終わった時にも再確認しました。響を演じる上で、辛い状況の中でも、どうにかもがきながらそれを乗り越える努力を最後までしなくちゃいけないと思うんです。

Season3はものすごく悲しい終わり方だったのですが、中条あやみさん演じる来美(くるみ)と対峙したあのシーンは本当に難しくて、今でも「あれが正解だったのかな」と考えることがあります。結局、台本ではあんな辛い選択をするのですが、リアルに考えると別にそこまで辛い選択をしなくてもいいと思うんです。でもあえて苦しみながら、そういった選択をするということは、その結果響は何かを獲得したいわけなんですよ。辛い選択をすることで、何か目標を達成しているのかなと。そういうものをSeason4ではもっと明確にして、辛い選択の中から得たものと、これから行く先々で出会う不安要素を乗り越えようとする姿を見せたいですし、それに対して見ている人が応援したくなるものにしたいと思っています。

Season4での響は、今までとは違う生き方に見えて、ちょっとダークっぽくヒールな感じがすると思うんです。でも僕は、響がダークで闇落ちしているとは捉えていなくて。響は自分が正しいと思って行動するんです。でも、なぜその正しさを周囲にぶつけようとするかというと、不安だからなんですよ。自分が信じている正しさが合っていて、絶対にそのやり方で成功するんだって思う人だったら、人がたくさんいるコミュニティには行かないと思うんです。一匹狼で行動していればいいのに、コミュニティにとどまって無意識に自分のやり方を相手にぶつけて確認しているんです。

そういった、今までの響とはまったく違うやり方を、玉城ティナさん演じるコミュニティのリーダー明日葉(あすは)にぶつけることによって何を得られたか、というのが結果的に映画につながるのかなと。そういう解釈をしています。

――ということは、響のキャラクターは明らかにガラリと変えたということではなく、Season3の延長線上で演じたということですか?

そうです。Season3のラストで色んな不安要素が出てきて、じゃあ極限まで来美(くるみ)と向き合って出した結論は正解だったのか、二人の娘ミライにたどり着けるのか、もしかしてたどり着く前に死んでしまうかもしれない……といったネガティブな部分を色々と背負った上で、どういう風に生きていけばいいのか、すごくもがくと思うんですよ。もがいてもがいて、Season4のダークで非情なやり方にたどり着いた。響の根本的な部分は変わっていないけれど、状況に応じて変化しながら正解をずっと探し続けていると思うんです。最初から正解が分かっていたら相手に示す必要がないので、何が正解か確認したいんだと思うんですよね。

だからSeason4の響は、父親として、自分を取り戻すために動いているんじゃないかなと。消えてしまいそうな愛というものを取り戻す、というテーマを心の中に置いて演じています。

写真:©entax

■50人のゴーレムと戦った疲労感が心地よかった

――スペシャルドラマやSeason4など、新しく撮影された中で特に大変だったシーンを教えてください。

スペシャルでは、4人で50人のゴーレムを相手にするシーンです。現場に着くとすごい数のゴーレムがいて絶望しました(笑)。現場はけっこう草が生い茂っていて、足元もちょっとふわふわしていて重いんですよね。その中で朝から日が暮れるまで戦ったんですよ。さすがに疲れて、次の日は使い物になりませんでした。でも、その疲労感が自分でも心地いいというか、ちゃんとがんばったなと。

Season4では玉城さんと手錠でつながれてのアクションがあるのですが、それがやっぱり大変です。玉城さんとは体重も全然違うし。でも相手に躊躇してアクションや演技をすると作品のためにならないので、力をゆるめることも出来なくて。だからこそ今回、顔合わせと本読みの相談を、プロデューサーにしました。

僕は、映画やドラマを撮影する前にリハーサルをもっとやってもいいのではと思うんです。一緒にお芝居する相手との関係ってすごく大事ですよね。顔合わせをして互いのタイミングを図っておかないと、初日から飛ばせなかったり、すごくもったいない気がして。

玉城さんとの手錠アクションはリハーサルを少しやらせて頂きました。けっこう強くいきますよ、と伝えたら「大丈夫です」と言ってくれたので、僕のことを信じてくれるのなら思いっきりやろうと思って演じています。とはいえたまに玉城さん、びっくりさせてしまいますけどね(笑)。でもそれはお互いの信頼関係でケアし合いながら進めています。

■Season4の台本が一番好き

――玉城ティナさんのお話が出ましたが、Season4から新たに加わった共演者の皆さんとのコミュニケーションはいかがですか?

Season4は新キャストが8割なのですごく新鮮で楽しいし、僕はSeason4の台本が今までの中でも一番好きですね。色んな趣向を持った人間達がバッと一つの場所に集合した時のセリフや会話は、毎回何が起きるのかな、と楽しみで。実際に演じていて楽しいです。

冒頭、玉城さんと一緒のシーンから始まるのですが、僕の熱量を玉城さんがどっしりと受け止めてくれるんです。アクションなど「ちょっとやり過ぎちゃったかな」と感じた時でも、玉城さんは「大丈夫です」と言ってくれるので、本気で芝居をすることができています。

写真:©entax

■Season4の撮影に入るまでに1話から5話まで一気に本読みをした

――現場での皆さんの雰囲気はどうでしょう。

仲いいですよ。出演者の数はけっこう多いんですが、顔合わせをして本読みをしてから、これまで経験してきた中でも自然と一体になってきたなと。本読みは、1話から5話まで通しました。それも良かったのかもしれないです。共演者の皆さんがすごく現場を楽しんでいるのを感じて、すごく嬉しかったです。

Season4になってから新しくキャストとして参加するのって、自分だったら構えると思うんですけど、極力そういうのは省きたくて。それぞれがいい意味で自由にのびのびとやった方がいい作品になると思うんです。

■Season4では登場人物のやりたいことがすごく明確

――この作品はアクションもすごいですが、恋人同士や親子、兄弟などの絆や人間ドラマの部分も魅力です。Season4の人間模様はどうなるでしょうか?

Season4のいいところは、それぞれの登場人物のやりたいことがすごく明確だし、でもそこを説明し過ぎずにしっかりと観てくださる方に想像させる余白の部分があるんです。登場人物が多い分大変なことは多いのですが、色んな思惑を持った人が集まった時に、誰がその場面を打開するのか、誰が自分のペースに持っていくのか、その戦いが現場ではずっと行われている。それがやっぱり面白いです。物語が運命的に動いていく中で、誰が何をするのかっていう駆け引きがずっとあるんですよ。駆け引きの模様が、より分かりやすいし、テンポがいい気がします。それぞれのキャラクターもすごくユニークで面白いです。桜井日奈子さん演じる伊織が、ちょっとぶっ飛んだキャラクターなんですけど、彼女がまた最高なんです。その場をどんどん引っかき回すんですよ。

Season4の後半あたりは難易度の高いことに挑戦していて、そう簡単にはいかないシーンばかりなんですが、ちゃんとそれが伝わった時に「すごいな」と思ってもらえる内容だと思います。

【竹内涼真Profile】
1993年4月26日生まれ。東京都出身。2014年に『仮面ライダードライブ』で主演を務める。2017年にはNHK連続テレビ小説『ひよっこ』はじめ、『過保護のカホコ』『陸王』『テセウスの船』『六本木クラス』や、映画『帝一の国』『太陽は動かない』『アキラとあきら』など話題作への出演が続く。
2021年から始まった日テレ系TVドラマ『君と世界が終わる日に』では主演を務め、その後Season2、Season3がHuluで放送された。現在同作のSPドラマ、Season4、映画化が待機中。3月24日放送のスペシャルドラマ『ペルソナの密告 3つの顔を持つ容疑者』(テレビ東京系)に出演。

【Information】
「きみセカ」クライマックスに向けたファイナル・プロジェクト 始動!
スペシャルドラマ放送、Hulu で Season4 配信、さらには待望の映画化も決定! 映画化詳細は後日発表。
<SP ドラマ概要>
タイトル:『君と世界が終わる日に』入門編 完全新作SP
配信情報:Huluにて独占配信中(※3/20(月)掲載のため)
キャスト:竹内涼真、柄本時生、泉里香、小宮璃央、横溝菜帆、トリンドル瑠奈 他
<Season4 概要>
タイトル:Hulu オリジナル『君と世界が終わる日に』 Season4
配信情報: Huluにて独占配信中
毎週日曜新エピソード更新(全5話)
キャスト:竹内涼真、玉城ティナ、飯豊まりえ、前田公輝、桜井日奈子 溝端淳平

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写真:©entax

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